今回のウィンブルドン、アルカラスの優勝で比較され、何回もその名前が出てきた、かつてのレジェンド、
「ボリス・ベッカー」
を紹介したいと思います。
ウィンブルドンでの史上最年少優勝、17才7ヶ月での記録は、今回のアルカラスの20才3ヶ月を大きく上回る恐るべき記録、
今後も破られることは無いでしょう。
1984年デビュー、シングルス64勝、グランドスラム6勝、
ウィンブルドン3、全豪2、全米1。
ベッカーが、最初にウィンブルドンで優勝した17才時はデビュー翌年の1985年。
ケビン・カレンとの決勝戦は、もちろんリアルタイムで最初から最後まで見ていました。
今話した通り、デビューの翌年と言うこで、知名度はほとんど無く、驚きの快進撃でした。
ただ、ドローにも恵まれていたので、決勝戦はケビン・カレンに絶対に勝てないと思っていました。
それには理由かあって、ケビン・カレンは当時のトッププレーヤー、ジョン・マッケンローとジミー・コナーズに途中対戦して、
その二人に、完勝(ともにストレート3-0)しての決勝進出だったので 、ボールボーイのように見えるベッカーが勝てるわけ無いと思っていたので、ベッカーの優勝には衝撃を受けましたね。
当時のテニス界の状況をお話しすると、今話したマッケンロー、コナーズと、
私のブログに何回も登場したイワン・レンドル、スエーデンのマッツ・ビランデルらがトッププレーヤーで、
プレースタイルは、ネットプレーを中心とするサーブ&ボレーヤーとストロークをメインにプレーするストローカーに分かれていましたが、
ベッカーは、サーブ&ボレーヤーであり、ストローカーでもあり、当時総合プレーヤーと言われていました。
ラケットを卓球のラケットのように振り回すので、ブンブンベッカーとも呼ばれていました。
破壊力満点のサーブ、
一撃でエースが取れるフォアハンド、
バックハンドも威力満点、
それと、届かないボールには飛び付いてもボレーする、
ダイビングボレーとも言われていました。
YouTubeでベッカーのプレーを見てもらえれば分かりますが、ウィンブルドンでは徹底してサーブ&ボレー、
優勝はありませんでしたが、ベスト4に二回入った全仏では、グランドストロークからネットプレーを繰り出す、
しかしながら、ランキングNo.1になったのはずっと後で、しかも在位はわずかだったと記憶しています。
当時見ていた方はご存知かもしれませんが、大きな弱点があったのです。
まずはサーブです。
エースはたくさん取れましたが、今ではあり得ない、右足で着地するサーブだったので、
セカンドサーブでスピンをかけようとしても、身体の横向きが維持できず、上にボールが上がらずまっすぐ飛んでしまい、ネットやアウトが多くなり、
一試合トータルでは、かなりの数のダブルフォルトになってしまいました。
また、上の写真からもわかりますが、ウィンブルドン優勝後、また成長期だったベッカーはその後身体が大きくなりすぎて、動きが悪くなり、
フットワークに影響して、長いラリーではエラーが先に出る、または転倒する場面もたくさん見るようになりました。
キャリア後半は、新たに登場したサンプラス、アガシ、マイケル・チャン、に勝てなくなり1999年のウィンブルドンで、後に二度の準優勝をウィンブルドンで果たしたパトリック・ラフターに破れて引退したのです。
最近は、2013年がらジョコビッチのコーチを3年ほど努めて、久しぶりにその姿を見たのは記憶に新しい。
さて、最近では残念なことに何かの罪で実刑になり一時収監されたそうですが、今では釈放されているようです。
私としては、今回のウィンブルドンのマレーのコーチのレンドル、アルカラスのコーチのファンカルロス・フェレーロ、ジョコビッチのコーチのイワニセビッチのうに、
誰かのコーチとして、その姿をもう一度見たい。
こう思うのは私だけでしょうか。