引き続きバックハンドがテーマです。



女性の片手打ちバックハンド、



テニススクールでは、本人がよほど希望する以外は全く教えることのないショットと言えます。



私がテニスコーチになって間もない頃に、先輩コーチからよく言われました。



「女の人で、片手バックハンドは必ず将来伸び悩むから、出来るだけ早いうちに両手打ちを勧めた方がいいよ」



私はコーチ歴がもう30年前近くになりますが、女性の生徒さんで、片手打ちバックハンドをしっかり習得した方はほんの数人しかいません。



しかも、出来るようになった方ほとんどが軟式テニスの経験者でした。



女子のトッププロを見ても片手打ちのプレーヤーは、近年はジャスティーヌ・エナン、メアリー・モーレスモ、フランチェスカ・スキアボーネなど片手バックハンドのグランドスラマーはいましたが、



今ではほんの数えるほどになっしまいました。



スアレス・ナバーロは残念ながら今年引退。






マリガリータ・ガスパリアと言うプレーヤーはいますが、どれくらいの方に認知されているでしょうか?。




いわんや、一般のスクールに通う女性に片手バックハンドの方が圧倒的に少ないのは当然だと感じます。


それでは何故、女性に片手バックハンドは少ないのでしょうか?。


テニススクールでは、男性の生徒さんと比べると圧倒的に少ないのは事実です。


「女性は力がないので、片手バックハンドは無理があるんじゃないか」


と言うのはよく聞きますが、


日頃から片手打ちの私から言わせれば、力は全く要りません。


事実、軟式経験者はかなり早期に片手バックハンドを習得できます。


実は私も長い間、軟式経験のない女性の方に一から片手バックハンドを、習得させるにはどうしたらよいか、悩んでいました。


と同時に、片手バックハンドのニーズが無いことも感じていました。


最近、いや20年前くらい前から女性の方は最初から片手バックハンドをあきらめていて、テニススクールでは、女性と見れば最初から両手打ちを教える傾向にあり、


本人からよほど片手バックハンドを希望しない限り、両手打ちを教えるのが常識になっています。


それては何故、一般の女性は片手打ちの習得が難しいのでしょうか?。


実は最近、ブログでも紹介したイップスの研究をして分かったことがありました。


以前に片手バックハンドの習得は何故難しいか、と言うブログでも書きましたが、フォアハンドに比べて日常動作に代替出来る動作がない。


だから難しい。


何にかたとへるなら、居合い抜きか、空手の裏拳打ち、と書きましたが、


ほとんどの人は、居合い抜きも空手の裏拳打ちもやった事がない。


そこの部分を男の人なら腕力でカバーしてしまうのに対して、女性にはそれが難しい。


レッスンでボール出し練習をしていると、その差は歴然でした。


よって女性には片手バックハンドが少なく、男性は片手バックハンドを、打っていても不得意でストレスになっている。


しかし、たとへ不得意でも片手バックハンド続けてくれれば後々私たちコーチが修正して出来るように導くことが可能なのですが、


最初から片手バックハンドをやっていなければ直しようもない。


よって女性の片手打ちバックハンドは、極めて少数になってしまったと考えます。


恐らく今後も女性の生徒さんで、どうしても片手バックハンドが出来るようになりたい、主張してくる方は少数と思われますが、


男性もそうでしたが、フェデラーが出現したことで、片手バックハンドが増えた、やりたい、と言う人が増えた時期がありました。


もし、近い将来片手バックハンドの女子のスタープレーヤーが出てくれば、


「私も片手バックハンドが打てるようになりたい」


と言ってくる生徒さんが増えるかもしれませんね。