<婚約者・夕月カンナ>

 

永倉新八には、婚約者がいた。

婚約者の名前は、夕月カンナ

永倉とは、中学頃からの付き合いで、

「カンナのいない人生なんて考えられない。」と、

永倉は言った。

 

大学を卒業後、

永倉は総合商社。

カンナは大手広告代理店に就職が決まっていた。

 

互いに就職して、しばらく離れて住むようになっても、

その気持ちは少しも変わらなかったらしい。

 

カンナ「スマホが壊れたけど、買い替えに行く時間もないから、

     しばらくはこの会社のアドレスを使ってね。

     それにしても時差も8時間とかだし、

     即レスできなくてごめんね。

     でも、新ちゃんからのメール、

     毎朝凄く楽しみにしてるからさ、大好きだよ、新ちゃん。」

 

永倉「俺もだよ。

    ここはネットもほとんど使えないから、SNSは駄目だけど、

    衛星会社からもらってるから、メールは大丈夫。

    夏休みは絶対に貰って帰るつもりだから待ってて。」

永倉「早くカンナの声が聞きたい」と思っていた。

 

時差もあるし、互いに仕事でいっぱいいっぱいという事もあり、

永倉がメールを送るのは夕方仕事が終った後。

それをカンナが読むのは、

朝の仕事が始まる前というパターンになっていたらしい。

それでも二人の絆は変わらなかった。

 

そんなある日、

永倉は彼女からのメールを見た。

内容には

凄く忙しそうだね、新ちゃん

でも大丈夫だよ。

あたしは平気。

と、書かれていた。

永倉あたしは平気という部分が気になった。

彼は、

大丈夫。

忙しいけど、時間通りに仕事は終わるから、

これからも毎日ちゃんとメールは書けるよ。

それよりカンナこそ頑張りすぎてないか?

身体壊しちゃ、元も子もないぞ?

夏休みはちゃんと取れそうだから、『お土産』楽しみにしててね。

とメールを返した。

 

彼は、

アフリカでないと、とても手が出せない大きなダイヤの指輪を

彼女にプレゼントするつもりだった。

永倉カンナのやつ、きっとビックリするぞ~。」

 

ところが、

それ以来、カンナからのメールの返信がぷっつり途絶えた。

永倉「今日も来てないか・・・どうしたんだろ、カンナ?」

 

しばらくは電話はせずに、

返事はなくてもメールだけ続いていたが、

2週間も経つとさすがに不安になり、

永倉は夜中の12時。

「日本だと朝の8時で、彼女は仕事前だろうから、

 きっと電話に出てくれる」

と信じて、

永倉は、カンナに電話を掛けた。

 

???「・・・もしもし。」

 

しかし、電話に出たのは、男の声。

永倉はすぐに電話を切った。

 

永倉「お・・男が・・・・出た。

    どういうことだ・・・!?

    まさか・・・・カンナに限ってそんな・・・・!」

 

<悲劇は突然に・・・>

 

永倉は、

「身内に不幸があった」と嘘をついて、日本に帰国。

しかし彼を待っていたのは、”本当の不幸だった。

 

永倉は、受付の人に

永倉「すみません。

    営業部第二課の夕月カンナさんと約束をしている

    永倉と申しますが、呼び出して頂けませんでしょうか?」

と言うと、受付の人から帰ってきた答えは

「も・・申し訳ございませんが・・・夕月は・・・

 3日前に亡くなっておりまして・・・」

という答えが返ってきた。

 

カンナは、3日前に自室の風呂場で、

手首を切って倒れてるところを同僚によって発見されたらしい。

永倉カンナの葬儀の会場に、カンナ父親と会った。

「娘は忙しくて、『休みが取れない』とは言ってたんだ。

 『でもやりがいのある仕事だから頑張る』と・・・

 まさか、あの子がここまで追い込まれてたなんて・・・」

と、彼女の父親は言っていた。

棺の仲のカンナは、やつれていたけど、

まるで眠ってるようだった。

 

永倉カンナ・・・これ・・・前に言ってた『お土産』だよ。

    俺、お前にプロポーズする為に、すげー奮発したんだぞ?

    ・・・・・・なぁ、お前の手・・・・

    どうしてこんなに冷たいんだよ・・・・!?

    どうして・・・・どうして・・・・」

 

山南からのパワハラ山南への復讐

 

葬儀を終えて、永倉が会場から出ると

同僚Aカンナちゃんの・・・彼氏さん・・・ですよね?」

同僚B「あたしたち彼女の同僚なんですけど・・・」

と、カンナ同僚2人が、「どうしても話がある。」というので、

近くのカフェに入った。

しかし永倉がそこで聞いた話は、とんでもない事実だった。

 

永倉「え?カンナが殺された!?」

 

同僚B「ホントなんです!

     カンナちゃんずっと陰湿なイジメに遭ってたんです!

     彼女の上司、山南敬助部長に・・・

 

永倉彼女の同僚に聞いた話によると、

山南は、新人歓迎会でカンナに迫って断られたのを

根に持っていたらしく、

新人のカンナにメチャクチャなノルマを課して、

毎日みんなの前で凄まじい叱責を浴びせていたらしい。

彼女のスマホが壊れたのも、

彼女のスマホが防水でないのを知ってて、

わざと飲み物をかけ、水をかけて洗った。

しかも代わりに会社の携帯を渡し、

「帰る時には自分のデスクの中に置いて帰れよ。」

とまで言っていたらしい。

 

永倉は、

山南は恐らく、

カンナのメールのやりとりを覗き見るためにやっていたんだろう

思った。

 

彼女の同僚の話では

「課長は、全員のデスクの合鍵を持っていた」らしい。

 誰もいない早朝とかに一番に来て、

 永倉からのメールを盗み見ていた。

 

彼がその事を知ったのは、

カンナのスマホの中身を見た時だった。

 

永倉「これは?」

同僚B山南課長に壊された、カンナちゃんのスマホです。

    彼女、忙しすぎて身動き取れなかったんで、

    あたしが代わりに修理に出してあげたんです。

    ・・・あ、パスワードも預かってます。

    あたしは空けてないから、そのままお渡しします。

    彼女お父さんに、永倉さんから返してくれませんか。」

と、言われ、永倉は修理された彼女のスマホを受け取った。

 

永倉は、お父さんカンナのスマホを渡すべきか迷ったが、

彼女のスマホで、カンナの日記を見つけた。

しかし、その日記には

カンナ「営業の電車の中、

     絶対に無理なスケジュールどうやって回ればいいの?

     何度見ても新ちゃんからの返事がない。」

     

     「今朝も新ちゃんからのメールは来なかった。

     どうしたのかな?

     私のメールの返事もないなんて・・・

     何か他の人が出来ちゃったとか、まさかだよね?」

 

     「昨日も眠れなかった。

     皆の前で怒鳴り散らされて、全部やり直し。

     夜の12時までかかって、終電で社員寮に生き地獄。

     新ちゃんからのメールは、今日もなし。」

と、書かれていた。

 

永倉は、自分が毎日欠かさず返事を書いていたのに、

カンナは読んでなかったことから、

山南がわざわざ早く出社して、

カンナが読む前に永倉からのメールを消して、

彼女を孤立させ、精神的に追い込むためにやったんだとわかった。

 

永倉「このスマホをカンナお父さんに渡し、事情を話せば、

    お父さんも会社を訴えたかもしれない・・・・

    でもそれでどうなる?

    山南というクズが会社をクビになるだけだ。

    そんなんじゃ俺の怒りは鎮まらない。

    あの山南というサイテーの男にふさわしい、

    『犯罪者の汚名』を着せて、

    この世から消してやろうと思ったんだよ!」

 

たまたま永倉山南は、新撰組隊士と同姓同名だったこともあり、

偶然にも新撰組祭りもあって、

これを上手く利用できないか、永倉は考えた。

山南を新撰組祭りに誘い出すのは大変だったらしく、

カンナのスマホから知った奴のメアドにもメルマガを装って、

その案内を送ったり、参加すると得点か商品が凄いとか、

色々煽っていたらしい。

山南が狙い通り現れた時は

永倉「復讐の神様が俺に味方してるってね・・・!」

永倉は思っていた。

 

永倉「ただ一つ、不運があったことがあるとするなら、

    金田一君

    君の従姉妹を誘拐しちまったことかな?

    それがなければ、これは見事な完全犯罪だった!」

と、永倉金田一に言った。

 

永倉「ま・・・奴を誘拐犯にすることは出来なかったけど、

    俺の復讐は成功した。

    それだけで、俺は満足さ・・・

    さ・・・刑事さん、行きましょう。」

 

金田一語り

こうして、都内を舞台に電車で駆け回った

金田一二三誘拐殺人事件』は、

京王井の頭線渋谷駅を終点に幕を下ろした。

ただ一つ、俺の中に引っかかる『何か』を残して・・・

 

<感想>

今回の話で、事件の動機が分かりましたね。

山南が永倉の彼女の上司で、

しかも新人歓迎会で迫って断られた腹いせに、

新人の彼女に無理難題なノルマに皆の前で怒鳴り散らすという、

完全な陰湿なイジメという名のパワハラ。

最悪な男だね。

話読んでる時、凄く心が痛かった。

せめて同僚の人達も、

パワハラを受けている彼女に、相談に乗ってあげたりとか、

慰めたりとか、してあげられなかったのかな・・・

そりゃ、永倉さんの怒りが鎮まるわけがない。

しかもこれが最終話じゃなくて、次が最終話なんですね。

最終話で刑務所にいる永倉に金田一か金田一&フミちゃんの2人が何か言いそう。

 

しかも来年には、

『イブニング』で大人版金田一が連載されるんですね。

金田一少年が、青年になるのか~。

皆どんな風になってるんだろうな。

多分、見た目はそんなに変わってはないと思うけど、

金田一と美雪の2人が大学生になってるか、

探偵事務所でも開いてるのかな?

なんか想像しただけでも楽しみ。

ということは、もうマガジンでは金田一が読めないのか・・・それは残念。

 

でも『金田一二三誘拐殺人事件』の最終話がどうなるか、楽しみだな~。

<山南を動かす三つの携帯XYZ>

金田一は、永倉

・三つの携帯

・井の頭線渋谷駅の特殊性

・雨

の三つを利用し、

まるで綱渡りのような芸当で、

山南敬助『誘拐犯の片割れ』という汚名を着せ、

山南殺害したと発言。

 

※ちなみに三つの携帯XYZというのは、

(携帯X

山南を操る為のメッセージを届ける為に犯人が持たせた。

 

(携帯Y

警察に回収されることを見越して用意した山南の偽連絡用。

コレは犯人にとって、

都合の良いメッセージだけが記録されている。

 

(携帯Z

金田一に尾行がバレてることを伝えた。

これも死体となった山南から警察が回収し、

そのメールの送信記録で、”山南共犯説”の根拠となった。

のこと。

 

6人の新撰組隊士全員に送られる犯人からのメールは、

アジトのPCからの自動配信されたもの。

しかし渋谷駅に着く頃から、

永倉は、山にだけ直接メールを送り始める。

さりげなくメールを見るふりをして、

回収する予定の山南の『携帯Xに指示を出す。

 

指示内容は

「渋谷駅で降車専用ホーム側ではなく、

 反対側のドアから降りて西口改札へ行け」だった。

 

指示通り、渋谷駅で山南は電車を降り、

永倉は、すぐに山南に次の指示を送りつつ、同じ内容を

別の『携帯Zから『携帯Yに送っておく。

 

携帯のメールには、

「沖田総司

 帽子をかぶり長髪を後ろで縛った少年は尾行だ

 渋谷駅中央改札に立たせておけ

 各駅停車が出るまでに動いたら人質を殺す」

と書かれていた。

山南金田一にそのメールを見せ、

金田一が中央改札に向かい、

山南が西口へ階段を下りるのを確認すると、

再び『携帯Xへ山南に次の指示を送る。

 

メールには

「沖田総司

 西口改札内にあるコインロッカーに現金のみを入れ、

 空の鞄を持って西口改札を出て次の場所へ迎え」

と、書かれていた。

 

山南は指示通りにロッカーに現金を入れ、

指示された駅の外へ向かう。

まさかそこで自分が殺されるなんて夢にも思わずに・・・

 

そして山南を殺害した永倉は、

急いで山南が持っていた『携帯Xを回収し、

代わりにトリックにかかわるメッセージが省かれた『携帯Y

金田一「中央改札に行け」と指示した『携帯Zを残す。

 

・携帯Yと携帯Zの2台の携帯が発見されたこと

・現金だけがコインロッカーに入ってたこと

このことで、

警察や金田一山南共犯説に一気に傾いてしまった。

永倉の思惑通りに・・・

 

しかし永倉

永倉「・・・あのさ、根本的な問題を無視してない?

    一体どうやったら電車で吉祥寺に向かいながら、

    渋谷で人を殺せるんだって話・・・!!

    それとも渋谷で降りて、

    山南さんを追っかけて殺したとでも言うのかい?

    なら君は中央改札で立って見てたんだろ?

    俺があの電車を乗り降りする所を!?」

 

金田一「・・・いや、俺は見てはいない。」

 

永倉「そうだよね?だって俺はあのまま各停に乗って、

    吉祥寺に向かったんだから当然だよ!」

と、反論。

 

土方も

「確かに金田一君の目を盗んで、うまく電車を降りれたとしても、

 各停が出たのは6分後の16時53分。

 一旦、改札出て人を殺して戻ってくるなんて到底無理だ!」

と発言。

 

しかし金田一は、

いや、渋谷16時53分発各駅停車吉祥寺行きに

 あんたは乗ってなかった!

と、発言。

 

斉藤「え?」

新見「どういうこと?」

近藤「だって君は、永倉さんと一緒に

    その電車で吉祥寺に着いたんじゃないのか?」

 

金田一「ええ!確かに・・・

     犯人の命令で彼が乗っているはずの

     各駅停車吉祥寺行きを渋谷で見送った後、

     俺は隣のホームに来ていた急行に乗って、

     その電車を追いかけ、

     永福町駅で追いついて各停に乗り換えると、

     車内を渡り歩きながら永倉さんを捜し、

     彼の姿を見つけた。」

 

近藤「だったら、やっぱり彼にはアリバイがあるってことに・・・」

と近藤が言うと、金田一は、

 

金田一「だがもしその時、

     その永倉さん自身も俺と同じようなルートをたどって、

     あの各駅停車に永福町から乗っていたんだとしたら?

 

この発言に、関係者達は驚いた。

 

金田一「俺の目に着かずに電車を降りるのは割と簡単だ。

     俺が中央改札に向かうタイミングで、

     降車ホーム側に降りればいいんだからね。」

 

新見「で・・・でもあの格好で改札出たら、

    いやでも人目に着くでしょ?」

 

金田一「もちろん、着替えたんだよ。

     西口に出る降車専用階段でね!」

 

斉藤「渋谷駅の階段で着替えって・・・

    いくらなんでも目立ちすぎじゃ…」

 

金田一「ところが、あの降車専用階段と西口改札は

     中央口より乗降者数が断然少ない上、

     降車専用階段からは、

     文字通り乗車する人は全く上がってこないんだ。

     電車から降りる人がいなくなると、

     あの階段は誰もいなくなる。

     そこであんたは、急いで着替えをした。」

 

新見「着替えって?」

 

金田一「レインコートだよ。

     おそらく手持ちバッグの中、

     札束に見立てた新聞紙の下に隠してあったんだろ?

     雨の日ならレインコートを着ててもそれほど目立たない。

     鉢巻を取り、

     裾まで隠れる長いレインコートにシューズカバーまで

     つければ、新撰組の格好は殆ど隠れちまう。

     その上で、

     次の電車が車で人が全く通らない資格になる

     降車専用階段にバッグを残し、

     あんたは何食わぬ顔で隠し持っていた

     2枚目のICカードで改札をくぐった。」

 

永倉はICカードを2枚持っており、

1枚は最後に警察が回収する可能性を計算したもの。

もう1枚は、トリックの種の一つ。

新撰組隊士全員にコスプレをさせたのは、

目立つ格好を逆に利用する為。

『目立つ格好』をしているということは、

それを警察が目印に使うというということで、

逆に目印の隊士姿を隠してしまえば、

人ごみに紛れて簡単に行方を晦ますことが出来るし、

駅員や万が一警察官とすれ違っても、

気づかれる心配はないからだ。

 

あとは予定通り、

人気のない場所で待ち合わせしていた山南敬助

何食わぬ顔で近づき、殺害

 

犯行を終えた永倉は、

急いで西口改札に戻り、さっき出た時使った2枚目のICカードで、再度渋谷駅に入る。

そして人通りのない降車専用階段に戻り、

シューズカバーだけ外し、置いてあった黒鞄をひっつかんで、

今度はコート姿のまま乗車階段を上ると、

既に乗っているはずの金田一に気付かれないように、

そっと急行吉祥寺行きに乗る。

そして急行が永福町に着くと、

乗り降りする人の波に紛れて素早くコートを脱ぎ、

輪っかのままの鉢巻を頭に乗せ、各停に乗り換えた。

 

しかし永倉

「ちょっと待ってくれ・・・!

 そこの刑事さんに聞きたいんだけど、

 俺が使ってた連絡用の携帯。

 あれのGPS履歴ってもう調べたんですよね?

 あれの移動履歴に何か不審な点ってありました?」

と、その場にいた剣持警部に聞くと、

剣持警部

「・・・・いや・・GPSによると、

 あんたはずっと各駅停車に乗ったまま吉祥寺に・・・」

と言うと、永倉

「ほらぁ!そうでしょ!

 どんなに君がへりくつこねようと、

 機械は嘘をつかないんだよ?

 それこそ、

 僕がずっとあの各停に乗っていた動かぬ証拠じゃないか!」

と、自信満々に反論。

 

しかし金田一は、

「いいや、それでもあんたは乗ってなかった。

 渋谷から各駅停車に乗って吉祥寺に向かったのは、

 あんたじゃない!

 あんたの『携帯』さ!

と、永倉に言い返した。

 

<電車に乗っていたのは・・・>

 

金田一「あんたは携帯を『あるもの』に隠して、

     先に各停で吉祥寺に向かわせることで、

     警察の捜査を完全に欺いたんだ。」

 

その『あるもの』というのは、ボロボロの時刻表。

 

落し物係の人が、各停から回収した物だ。

金田一も各停の電車に乗った時にふと見つけ、

「なんとなく汚らしい」と思ったのを覚えていた。

永倉は、あの時「女子高生に笑われてるのがイヤ」って感じて、

さりげなく車両を移動してこの時刻表がある棚の前に行った。

しかし時刻表の中を開くと、

携帯が入るスペースがくり抜かれていた。

永倉は、ボロボロの時刻表に携帯を隠していたのだ!

金田一は、

永倉がやたら金田一の方をチラ見していたのが気になっていたのだ。

永倉がチラ見して金田一が顔をそらした瞬間、

この時刻表を回収した。

ちなみにこのボロボロの時刻表からは、

永倉の指紋が検出された。

 

<永倉、墓穴を掘る>

 

しかし永倉は、

「あの時、目の前にあって『なんだろう?』って手に取ったんだ。

 でもそれだけだよ。」

 

ここでもまだシラを切る永倉に、

金田一は、

「まだシラを切るつもりなら、

 ”決定的な証拠”を突き付けてやるぜ!

 あんた、

 剣持のオッサンの事情聴取でこんなこと言ってたよな?」

永倉が事情聴取で言った事)

永倉「ああ、そうだ。

    火事がありましたね。

    凄い煙が上がってて・・・あれはどこだろう?

    渋谷から3つ目の駅を出たあたりだったと思う。」

永倉「それがどうしたっていうんだ?

    各停の窓から見えたんだよ!?」

と、永倉は言うが、金田一

「いいや・・・!それはありえない!!」

と、反論。

金田一は、

朝売新聞の”タンクローリー爆発”という記事を見せた。

記事によれば、

あの火事は、

井の頭線池ノ上駅の近くで起きた

タンクローリーの事故による爆発で、

その火事は金田一も急行の窓から見ていた。

そのタンクローリーが爆発した時間は、

新聞の記事によれば、午後5時2分頃

各駅停車は、池ノ上を過ぎて下北沢駅に到着していた時間。

永倉も見たという事は、金田一と一緒に急行に乗っていたから。

 

金田一「これでもまだ何か言う事があるかい?

     永倉さん・・・・いや、沖田総司!!」

 

この事を指摘された永倉は、ついに観念。

永倉「ふー・・・参ったな・・・・ここまで追い詰められるとは。

    ああ・・・・君の言う通り、山南を殺したのは俺だ・・・・

    俺の最愛の人の命をゴミのように踏みにじった、

    あの最低野郎を・…ね!」

 

<感想>

 

今回の話で、ついに真犯人が観念しましたね。

それにしても、誰も時刻表がくり抜かれているなんて誰が想像したことか・・・

あと人の波に紛れてレインコートを脱いで、

輪っかのままの鉢巻を頭に乗せ、各停に乗り換えた永倉さんが凄いよ・・・

芸能人がやる早着替えとまではいかないけど、

結構凄いね。(-。-;)

さあ次回が、動機となる話になるわけ。

あとフミちゃんが永倉さんにどんな言葉をかけるのか、

楽しみだな。

<犯人は、この中にいる!>

 

金田一「真犯人『沖田総司』は、この中にいる!!」

 

と、金田一は事件関係者達に言った。

しかし事件の関係者達は、

 

近藤「どういうことですか?

    この誘拐の目的は、

    金じゃなく山南さんを殺す為だなんて・・・!」

 

土方「おまけに犯人が俺らの中にいるだと!?お前正気か!?」

 

永倉「そもそも俺らは新撰組隊士と同姓同名ってだけで、

    お互い知り合いでも何でもないんですよ?」

 

新見「そーよ!苦労して一日中電車で走り回されて、

    それで犯人扱いなんてちょっとひどすぎない?」

 

斉藤「だいたい、あの時居場所がはっきりしてた俺らに、

    山南さんを殺すなんて無理でしょ。」

と口々に言った。

 

しかし金田一は、

「確かに一見すると最も殺人容疑者から遠く思えるのが、

 ”今回身代金の受け渡し役だった貴方達”だ。

 あんな目立つ格好で電車を乗り継げば、

 いやがおうにも目につくし、

 予想外の行動などできるもんじゃない。」

と言い、

土方「だったらどうして俺らの誰かが犯人だなんて・・」と、

金田一に聞くと、

金田一は、

もっとも犯人から遠い存在だからさ。と答えた。

 

金田一「この誘拐事件は、”身代金目当て”と考えるには、

     不自然な点が多すぎる。

     その一つが、

     身代金を””ではなく”警察”に求めてきたことだ。

     単純に金が欲しいなら、

     『警察には言うな』と言って、

     大金を用意できそうな””を脅迫するだろ?

     まぁ『金』目的というより『愉快犯』に近いのかな?」

と言い、さらに明智警視

 

「確かに大胆不敵な警察への挑発行為、

 緻密な計画で大勢の人間を翻弄する辺りは、

 まさに『愉快犯』なのでしょうが、

 それにしてもやはり、ちぐはぐ感は否めませんね。

 人質を客人のように丁寧にもてなすかと思えば、

 身代金受け渡し人はあっさり殺してしまう・・・

 犯罪心理プロファイリングの観点から見ても、

 この犯人の行動には明らかに矛盾があります。」

 

これについて金田一は、「逆から見ればスッキリする。」と言った。

 

金田一「犯人が全くの『外部の人間』なら、

     こんなまどろっこしい手を使い必要はないが、

     もし『内部の人間』が犯人だとすれば…?

     この、一見『愉快犯』のように見える

     奇妙な身代金引渡し作戦は、

     自身も共に行動することで、

     確かなアリバイを確保しつつ、

     確実にターゲットの山南敬助を殺す

     『殺人劇の舞台』だったとしたら・・・

     そう考えたら、ばらばらだったパズルのピースが、

     ぴたりと一つの形になったんだ。」

 

今までの金田一の話を聞いた斉藤は、

「だとしたら、俺達を見張ってるかのように来てたメールは・・・」

と聞くと、明智警視

「それは、技術的には決して難しい事では、ありませんよ。

 簡単なパソコンのプログラムで、

 時間が来ると自動送信されるように

 仕込んでおけばいいんです。

 あらかじめ考えた通りに行動させるには、

 最初に立てたプラン通りにメールを送信するだけで済む。

 何しろ日本では、

 電車の発着は極めて正確な時間に行われますからね。」

と答え、金田一

 

「たとえトラブルで多少ずれが発生したとしても、

 各々が人質の安全を考えて、

 必死に帳尻を合わせてくるだろうことも、

 犯人の計画には織り込み済みだっただろう。

 どのみち『誘拐事件』そのものは失敗に終わるんだからね。

 最終的に吉祥寺駅の井の頭線改札前の広場に

 全員が揃えば、御の字くらいに考えてたんだろうな。

 そうだろう?」

 

と、金田一真犯人『沖田総司』であろう人物に聞いた。

 

<真犯人『沖田総司』の正体>

 

金田一永倉新八!」

 

金田一が聞いたのは、永倉新八

 

金田一「あんたこそが誘拐事件に見せかけた巧妙なトリックで、

     山南敬助を殺害した真犯人!『沖田総司』だ!」

 

と言い、関係者達は驚きを隠せなかった。

しかし永倉は、

 

「ちょっと待ってくれよ。

 何を言い出すのかと思ったら、俺は善意で手伝ったんだぞ?

 君の従姉妹を助けるために、

 それを犯人呼ばわりとは、あんまりじゃないか!?」

 

しかし金田一

「お芝居はそのぐらいにしたらどうだい?永倉さん。」

と食い下がる。

 

永倉

「だから、何を根拠に人を殺人犯呼ばわりしてるのか、

 話してくれないか、話せるもんなら!」

と、反論。

 

金田一は、事件発生当日に永倉の行動を推理した。

 

1.犯行の準備を整えたあんたは新撰組祭りへ行き、

  同性同名コンテストに参加を申し込む。

 

2.会場内で手ごろな子供を探し、

 かりそめの誘拐事件の被害者としてフミを拉致。

 

3.スーツケースに薬で眠ってるフミを隠し、

 自分は『沖田総司』のお面とカツラをつけて、

 フミの保護者である金田一の横を

 ゆうゆうとすり抜け、駐車場へ向かう。

 

4.立ちはだかる金田一を避けて、猛スピードで立ち去る。

 

5.一度車を乗り換え、

 今度は別の車で祭り会場近くのアジトに行き、

 そこに一時的にフミと車を隠す。

 

6.警察にダックボイスを用いて

 「新撰組隊士と同姓同名の6人を全てを選ばせろ。」と、

 脅迫電話を掛ける。

金田一は、永倉が執念深く山南の命を狙うだけあったことから、

山南敬助という男は、結構性格悪そうな奴」と考えた。

「あのタイプの男は、普通の状態ならば、

 絶対進んで『人助け』なんてしないだろう。」とも考えた。

しかし、

山南が身代金の受け渡しを剣持警部にお願いされた時は、

普通と違って、

”小さな子供の命を助ける”という『武勇伝』と、

新撰組の『義侠心』が相まって、

引き受けざるを得ない心境にさせた。

新撰組の服装山南の心理に影響を及ぼしたのだろう。

 

さらに金田一は、

「犯行を翌日に設定したのにはいくつか理由があった。

 まず当日だと、

 人質のフミを用意してあった監禁場所に運ぶ時間がない。」

 

「このトリックには、ある理由からどうしても必要な条件があった。

 それを待つ為には、

 人質にも多少長くいても

 不自由ない場所にいてもらいたかったんだ。」

と言った。

 

美雪”必要な条件”について聞くと、金田一

だよ!この犯行を行うには、

 『雨』が最も重要かつ必要な条件だったんだよ・・・!」

と、答えた。

 

翌日、運の強さも味方したのか、東京の京王線沿いは、

今にも雨が降り出しそうな天気となった。

ここで約束通り、京王稲田堤駅に集められた隊士達は、

『沖田総司』の指示通り、刑事達をどんどん巻いていった。

 

だいぶ見張り役が減るだろうことが予測できた新宿駅のトイレで、

全員に複雑な方法でカバンの交換をさせる。

これで尾行者どころか、カバンを持つ隊士達自身も

身代金の入ったバッグを誰が持っているのか、わからなくなってしまった。

 

だが、この時身代金の入ったカバンは、

本当の意味でのターゲットである山南敬助の手に渡っていた。

それから都営線に乗り換えたり、また戻ったりしているうちに

隊士達は少しずつバラけていき、

最終的には当初の狙い通り、

永倉山南と二人で井の頭線に乗り、

大胆不敵な殺人の舞台となる渋谷駅に到着。

 

金田一は、

「必死で尾行してなんとか渋谷駅までついていったつもりだったが、今にして思えば、

それも『犯人の計画通り』だった」のではないかと推理。

「隊士達の行動を利用し、尾行者を特定し、

 次第に数を減らしっていって

 最小限の尾行を渋谷まで残すのが、『振り回し』の狙いだった。

 そして最後は、その尾行者に『正体がバレている』ことを伝え、

 自分のアリバイの『証言者』としてホームに留まらせる。」

と言った。

 

しかし永倉は、

「あの時、君は見てたじゃないか。

 俺が乗った折り返しの各停がそのまま吉祥寺に向かうとこ・・・

 降りずにずっとあの電車に乗ってた俺が、

 どうして渋谷で外に出ちまった山南さんを殺せたわけ?」

と、反論。

しかし金田一にはわかっていた。

 

金田一「普通は無理だけど、ここではできるんだ。

     京王井の頭線渋谷駅という

     『都会の迷宮(ラビリンス)』

     特殊な構造を利用すればね・・・・」

 

     「井の頭線渋谷駅は、

      降車専用ホームというのがあって、

      その為の専用階段もあるんだ。」

 

     「山南降車専用ドアが開いても降りずに、

      反対側のドアが開いてから電車を降りた。

     という所に注目した。

     そんなさりげない行動も

      『犯人からの指示通りの行動だった』と推理。

 

ここで剣持警部

山南のスマホには、そんなメッセージはなかった」と証言。

 

金田一は、

「それは、そのスマホが、

 本当は山南がずっと持ち歩いていたものじゃなかったからさ。」

と、答え、

 

金田一「俺達は、6人の隊士達が持っていたのは、

     沖田総司がロッカーに残した『6つの連絡用携帯』

     だけだと思っていた。

     だが実は、この犯行には手品のタネのように、

     いくつもの『隠し携帯』が存在していたんだ。」

とも答えた。

 

金田一が言う『隠し携帯』というのは、

(携帯X

山南を操る為のメッセージを届ける為に犯人が持たせた。

 

(携帯Y

警察に回収されることを見越して用意した山南の偽連絡用。

コレは犯人にとって、

都合の良いメッセージだけが記録されている。

 

(携帯Z

金田一に尾行がバレてることを伝えた。

これも死体となった山南から警察が回収し、

そのメールの送信記録で、”山南共犯説”の根拠となった。

金田一は、永倉に対し

「犯人は、

 ・三つの『隠し携帯』

 ・井の頭線渋谷駅の特殊性

 ・計画通り降り出した雨

を利用し、綱渡りのような芸当を演じて、

山南敬助を”誘拐犯の片割れ”という汚名を着せたうえで、

殺害してみせた。

そうだろう?永倉さん・・・いや!沖田総司!」

と言った。

 

<感想>

ついに沖田総司の正体が判明されましたね。

永倉さんが沖田総司でしたか。

携帯3つも持ってたって事を全く考えてなかったな・・・

そこを考えてなかったのが悔しい。

犯人が天候を味方につけたのは「雷祭殺人事件」以来か?

多分その辺りぐらいだったかと思う。

で、次の話で”驚愕のトリック”って書いてあったけど、

一体どんなトリックなんでしょうね。

次が楽しみだな~。

 

(あらすじ)

 

新撰組祭りの最中、フミが誘拐される。

新撰組隊士の格好をさせられた隊士と同姓同名の6人が、

身代金を持って東京中を振り回される中、

運び役の一人、山南敬助が殺害された。

フミ誘拐はそもそもカモフラージュで、

犯人は残りの運び役の5人の中にいると、

ハジメは言うが・・・!?

 

<犯人の正体に気付いた金田一>

 

剣持警部「なんだって!?」

 

美雪「真犯人がわかった!?」

 

金田一「ああ。『沖田総司』は、やっぱりあの5人の中にいた。

     同じ隊士として、指示通り動いてるふりして、

     ターゲットの山南を殺害したんだ。」

 

剣持警部「しかし、だとしたら

       あのどこかで見張ってたようなタイミングで、

       来たメールは?

       皆と行動しながらそんなに打ってたら、

       さすがに怪しまれる。」

 

そう話す剣持警部金田一は、

「でも自分にもメールが届いたのをチェックするふりをして、

 そのタイミングで送ることも出来るし・・・」

 

と言ったところで、明智警視

「タイマーによる自動送信と言う方法もありますよ。」

 

「どこか、アジトのような場所に隠したパソコンに、

 あらかじめ設定した時間通りにメールを送信させることは、

 技術的には簡単だ。

 身元の分からない形態などを使って

 インターネットに接続して送れば、

 送信場所を探知することも実質上不可能に近い。」

 

と答えた。

金田一明智警視の言葉で、

なぜ犯人運び役の隊士達に電車を利用させた理由

理解した。

 

金田一「都内の電車の発着時間はかなり正確だ。

     時刻表通りに送信時間を設定しておけば、

     まるで見張っているかのようなタイミングで

     メールが届く。」

 

明智警視「タイミングよく届くメールが、

       あたかも見張りがいるかのように錯覚させ、

       金を運ぶ隊士達や備考の警察官たちの行動を

       制限させた。

       ”妙なことをすれば人質の命が危ない”と

       思わせることに成功したんです。

       実に完璧なトリックだ・・・」

 

明智警視は答えた。

しかし金田一は、

 

「いや・・・そうとばかりも言えないぜ・・」と言った。

 

金田一「犯人にとって想定外の事が一つだけ起きたんだよ。

     実はそれも『ヤツ』が真犯人だという事を示す

     状況証拠になった。」

 

明智警視は、金田一の意見に

「君がそこまで犯人の正体に確信を持っているなら、

 それを前提にアリバイ崩しを始めた方がよさそうですね。」

と言った。

 

金田一

「まずやるべきことはポイントとなる現場・・・

 殺された山南が最後に降りた京王井の頭線

  渋谷駅の再検証だ!

 

<現場検証&酔っ払いオジサンの忘れ物>

 

渋谷駅にやってきた金田一美雪は、

京王井の頭線 渋谷駅の構内図を見ていた。

金田一は渋谷駅の構内図を見て

「こうしてみると井の頭線渋谷駅って変わった作りだよな。」

言い、美雪

「渋谷って、

 狭い所に色んな路線があっちこっちから乗り入れてるから、

 すっごく複雑な構造になってるのよねえ。」と言った。

 

2人は、16時47分着の吉祥寺寄りの電車を確認した。

金田一は事件当時、吉祥寺寄りの電車に乗っており、

ここで山南敬助だけが降り、

永倉新八は、そのまま確定の電車に残っていた。

山南を追って電車を降りると、

山南が近づいてきて、金田一『沖田総司』のメールを見せ、

そのまま階段で渋谷駅西口に降りて行ったらしい。

 

美雪「ハジメちゃんは『沖田総司』からの指令で、

    この中央改札前に立って、

    各停が出るまで動かないでいたのよね?」

 

金田一に聞き、

金田一「ああ。

     各停が折り返して吉祥寺に向かって発車したのが

     16時53分だったから、その間 6分間。

     スゲー長く感じた『6分』だったよ。

と言った。

 

16時53分発の各駅停車 吉祥寺行きの電車が発車したのを見届けた金田一は、隣のホームに到着してた17時丁度発の

急行吉祥寺行きに乗り込んだとのこと。

 

ここで金田一は、西口の階段を見つけ、

金田一は急いで階段を降りた。

階段を下りると、そこには降車専用階段で

山南が三千万を隠したコインロッカーもあった

ここで金田一「なるほど・・・そういうことか・・・!」と、

何かに気付いた。

 

そして金田一は、急いで美雪と共に、

17時丁度発の急行吉祥寺行きの電車にに乗った。

永福町駅の駅で降り、

向かい側のホームの各停吉祥寺行きに乗り換えた。

 

電車に乗っている時、雨が本降りになっているがわかった。

美雪はこんな時の為に、

金田一の分のレインコートを持ってきていた。

電車の中でレインコートを着た金田一は、

 

「・・・変じゃないか?」と思っていた。

しかし美雪は、

「雨降りの予報は皆知ってるから、

 コート来てる人もいるし、変じゃないとは思うよ。」と言った。

 

金田一には、謎があと一つ残っていた。

謎となっているのは携帯

 

金田一「警察がいくら調べてもそこに矛盾は見つからなかった。

     犯人は分かっていたはずだ。

     警察は必ず携帯の履歴を調べる。

     そして全員の行動をつぶさに追跡する。

     矛盾が見つからなかったのは、

     犯人がそれを承知で、

     むしろ逆に利用しようと考えたからに違いないんだ。

     一体どうやって・・・」

 

と考える金田一

と、ここで金田一は、

久我山駅で( ゚д゚)ハッ!と目を覚まして、

急いで電車を降りていく酔っ払いのオジサンの姿を見た。

「なーんだ、あのオッサン。昼間っから酒くせー」と思っていたが、

これを見ていた若いカップルが酔っ払いオジサンが忘れ物をしている事に気付く。

彼女「ねーねーあれ。忘れ物じゃない?」

彼氏「ほんとだ!さっきの酒くせーおっさんの!」

彼女「どーする~~~~~~~っ」

彼氏「ほっとけよ!あんなキタナイ荷物。

    誰も手を出しゃしねーよ。」

この若いカップルの会話を聞いていた金田一は、

「そっか・・・・そういうことか?」と、何かに気付いた。

 

金田一「ようやくわかったぜ、美雪

     このトリックの全貌が!」

 

美雪「それじゃ、ハジメちゃん。」

 

金田一「ああ、謎はすべて解けた

 

<ついに始まる金田一による謎解き>

 

京王井の頭線渋谷駅に事件の関係者達剣持警部明智警視

そしていとこのフミも立ち会うことになった。

 

美雪ハジメちゃん

    謎を解くことについては凄くしっかりしてるから、

    安心して聞いててね!」

 

フミに言うが、フミには既にわかっていた。

 

フミ「あいつ、いつもはバカやってるノーテンキなやつだけど、

   いざとなった時の頭の回転の良さと閃きは凄まじいもん。

   それはイトコのあたしがよく知ってるって。」

 

事件の関係者達を集めた金田一は、

「ではみなさん、そろそろ始めたいと思います。」

と言った。

 

集められた関係者は、

近藤勇土方歳三永倉新八新見錦斉藤一の5人。

5人は私服姿で現れ、

土方新見は普段は仕事をしており、斉藤は大学生だった。

 

金田一「この誘拐事件の真相と、

     山南敬助殺害の犯人を明らかにするためです!」

と言うと、事件関係者である近藤達は驚いた。

 

金田一「そもそも今回の事件は、

     身代金目当ての誘拐事件ではなかった。

     山南敬助強い憎しみを抱いたある人物が、

     身代金狙いの誘拐を隠れ蓑に綿密に計画した、

     ”山南敬助殺害計画”だったんだよ。

     

     フミはその『隠れ蓑』に、

     たまたま選ばれたにすぎなかった。

     フミを誘拐し、

     身代金を6人の一見無関係な人間に運ばせる中で、

     最初からターゲットだった山南に、

     誘拐犯の罪まで着せて殺害した真犯人

     『沖田総司』は、この中にいる!」

 

<感想>

第9話で、ついに金田一君の「謎はすべて解けた」が出て、

そして次回からは、謎解きがスタートするんですね。

それにしても、金田一の分のレインコートを用意する美雪ちゃんが

完全に金田一君の良き妻になってきてると感じてるのは僕だけですか?

あと駅の構内図ってあんなに複雑な構造になってるんですね。

そういえば、最後に電車に乗ってから結構年月経ったなぁ・・・

2年以上電車に乗ってないかも・・・( ̄_ ̄ i)

まぁ私情はここまでにしておいて、次回から謎解き。

金田一君がどういう風に謎解きをしてくれるのか、楽しみだな~。