家猫と地域猫の環境に合わせた接し方をしないと命取りに
以前も書きました。ある猫だまりに1年程前に突然現れた、若い猫です。
名前はムサシ(仮)。最初は今は亡きボス猫と喧嘩をしたり、スプレーをしまくったり…。人間なら”♫~ 盗んだバイクで走りだす、行先も解らぬまま~”という感じで暴れまくっていました。本名は違いますが、その特徴からムサシという名前が付きました。
そして、初めから人懐っこかったのですが、その地域では猫好き以外でも知らない人がいない位、毎日、それも何度も餌やりに来る、”伝説の餌やりさん”ことUさんが溺愛し始めたのです。
正直、わが子以上です。その溺愛ぶりは止まる事はなく、ずっと膝にのせて撫でまわし、ムサシもそれを喜ぶ。
ある意味、理想的な地域猫の姿だったかも知れません。
でも、私たちはすでにある危機感を持っていました。それ、”この猫を人に慣らしすぎてしまった”事です。
ムサシはとにかく人が大好き。餌やりさんはもちろんですが、ちょっと立ち寄った人にも、愛想を振りまくようになっていました。
私たちは「これはまずい。このエリアで最初に連れ去られるならムサシだろう」と話していました。
家に室内犬がいて、猫は飼えないと言っていたSさんが、自宅で飼う事を決意、いとも簡単に捕獲し、私が病院に搬送、去勢手術をしました。
そして、自宅に入れると心配していたスプレーは止まらず、家犬は一晩中吠えまくりで眠れず。やむなく元の場所に戻しました。
そして、心配していたそれが起こったのです。
日本人で1回、アジア系外国人と思われる女性二人組で1回、今回ともっと以前にも連れ去り未遂があったそうです。分かっているだけで合計4回の連れ去り未遂になった原因は、ムサシが人馴れしていてカワイイ、そして家猫ならむしろ、望まれる魅力の、元々人が好き・人馴れしている性格を伸ばしすぎたのも原因の一つです。
私たちは、餌やりをして回る時に、近寄って来てスリスリしてくれると、正直うれしく思います。何度も餌やりをしていて、少しずつ慣れて来て、しっぽをピーンと立てながら歓迎してくれるようになってもうれしいです。
近寄って来て、ゴロンをしたら、触ったり撫でたりするともあります。
本当はもっと、なついて欲しいのが本心です。でも、”何度も面倒を見る人にはある程度懐いても、たまに餌やりをしに来る人には警戒する”位が,地域猫として安全だという信念を持っています。だから、「もっと触って欲しい」という態度でも、感情を抑えて少しだけで立ち去ります。
餌やりは誰のためにするのでしょう。もちろん、猫のためですよね
少しは自分の満足感・貢献感というのもあっていいと思います。でも、比率で言えば、8:2とか7:3位が、外で暮らす猫達には安全なのではないでしょうかもちろん、数が多い方が猫、少ない方が餌やりさんの気持ちです。
もちろん、家猫になれば、その比率は大きく変わっていくでしょう。
でも、外の猫は様々な危険と背中合わせで暮らしています。
事故、虐待、連れ去り、他の野生動物、虫、病気等など。それを考えるなら、餌やりさんにも自制が絶対必要です。自己満足のために餌やりしていませんか猫の危険度を増す行動はしていませんか
世の中、猫が好きな人だけではありません。餌やりしている人を、良く思わない人もたくさんいます。
タバコを吸う人と吸わない人に当てはめてみて下さい。吸い殻を道端に捨てて行けば、吸わない人はどう思うでしょう。タバコを吸わない人の目の前で、吸われたらどう感じるでしょう。
餌やりさんの各自が、胸に手を当てて、自分の行動を顧みる必要があると思います。