病状、時間、状況、かなり難しい案件でした
一匹の病気の地域猫を救うために、餌やりさんと協力して無事捕獲、その結果は厳しい現実と治療、そして奇跡の回復の全記録です。
その猫との出会いは6年程前になります。家内の実家に向かう途中のある施設跡で、その親子猫を見つけました。
人から餌をもらいたくて、2匹並んで待っています。人が来ると、横並びのまま、頭をゴツンとぶつけ合います。それが面白いので「ゴッツン猫」と呼んで、たまに餌をあげる程度でした。
家内の実家への引っ越し途中に猫を逃がしてしまい、猫の捜索途中にそこを通ると私たちを覚えていて、「ごはんくれ~」というので、飼い猫がいない寂しさもあって、頻繁に餌やりをするようになりました。
いつの間にか、流れ猫が定住して合計3匹の地域猫が棲むようになりました。
そして、3年程前からそのうちの一匹が、口の病気になりました。
結構な痛みで口が曲がり、他の餌やりさんからの要望もあって、ボランティア仲間が自腹で抗生剤を与えて、口の曲がりも気にならなくなり、一時は回復したかに見えました。
それから5か月ほど経つと、また痛みが激しくなり、余りの痛みで頭を振り、まるで攻撃されているゴジラのようです。強い痛みでケンカをしているような大声で叫び、通る人が「ケンカしてるの」と驚いてのぞき込むほどでした。余りの痛さで転げまわり、道路に出てしまった事もあります。
このような場合は保護団体でさえ対応が難しい。何でもかんでも地域猫の治療費が出ればいいのですが、そうもいかないのです。
その場所で餌やりをしていて、素晴らしい餌やりさん(Dさん)と知り合ったのですが、何人もの餌やりさんがいて、その目に余る病状を目にしても、餌をあげるだけで、誰一人治療しようとはしませんでした。
抗生剤や”きえ~るの効果 それって!?実際どうなの課” その1~2で書いた通り、まず、与えやすいペット消臭剤きえ~る、そして、”笹エキスの効果 それって!?実際どうなの課”で紹介した笹の恵みで一定の効果はあったと思いますが、病状を止めるまではいかず、また食欲が落ちたので、再度、抗生剤を餌に混ぜて投与を再開。捕獲・治療する必要性はひっ迫していました。
猫を保護する場合、捕獲も大変ですが、、その後の預かりボランティアさんが常に不足しています。
ご自宅で余裕があるなら、是非手を挙げて欲しいのです。それで、一つの命が救えます。その実例を書きます。
もちろんウチで預かりたい気持ちはあります。ただ、ブランの心が広ければいいのですが、センシティブな性格でノイローゼになってしまい、受け入れられません。
そうしたら、連携して薬の投与に協力してくれていた、Dさんが「ナミちゃん(仮)のためなら、何でもします」と言ってくれました。
Dさんは、以前は腎疾患の猫を治療しながら飼った経験もあり、一時預かりと、更に先住さんと問題なければ、親子ともども2匹を引き取っても良いと言ってくれました。
「何でもします」とは、とても重い言葉です。そう簡単に言える言葉ではないでしょう。それまでの、といっても数か月ですが、Dさんの行動を見ていて、”動くしかない”と腹を決めました。
しかし、様々な状況を考えても、とても困難な状況でした。まさに、Mission In possible、毎日どうしたら良いかを考えていました。
どう困難で、それをどう乗り越えたのか、次に触れようと思います。
動物保護をされている方のヒントになれば幸いです。
口の左側が腫れているナミ(仮)
ひどい時はもっと丸く膨れあがり、余りの痛みで暴れたり、転げまわったりしていました。