迷子猫を無事保護して2年 今思う事 | greensonicの迷子猫探し・保護までのブログ  脱走防止柵の作り方 保護活動など

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猫を迷子にして、97日目に無事保護するまでの実体験やノウハウ。その他、脱走防止柵作りや保護活動、猫のこと。ときどき安全保障。

苦闘の3か月から2年経ちました

脱走猫のブラン(仮)を保護して2年。改めて自分の猫捜しのブログを読み返しました。とはいっても、ブログに書き起こしたのは5か月前ですが…

それでも、”迷子猫捜し”を読み返すと涙が出て来ます。そして、自分でも「よくここまでして、さがしたなぁ」というのが実感です。

睡眠時間を削り、引っ越しもしながら、よく諦めずに続けたものです。

仮眠を取って、早朝2時から6時まで捜索して出勤する、そんな事を何度もしました。執念で捜していたとしか言いようがありません。

その後、夫婦で猫の保護団体にも入って、活動も始めました。もともと、夫婦でやっていましたが、里親を探すのが本当に大変なんです。

それで、団体の譲渡会等も活用出来るようになりました。

いくつもの猫だまりの餌やりもして、そのうちの何匹かを保護して、里親様の飼い猫になりました。そして、感じた事があります。

                   猫しっぽ猫からだ猫あたま

よく、「お腹が空いてはかわいそうだから、餌だけあげて、あとは自由に走り回れる方が幸せだ」という人がいます。正直、殆どの餌やりさんはそういう意見です。「これだけ広い所にいるのに、狭い家に閉じ込める方がかわいそう」という人もいます。

そこで、2匹の保護した猫の例を書こうと思います。

一匹は”病気の猫の捕獲例”で書いたナミ(仮)です。まず、人には全くなつかないものの、保護して1か月で、きつい顔つきが、すごく穏やかな表情に変わりました。そして、重度の糖尿病持ちだった事が発覚しましたが、素晴らしいボランティアさんが引き取ったので、餌やりの工夫と一日2回のインスリン注射の治療(飼い主がやっています)で、数値はかなり改善して来ました。

もし、見た目の「自由」だけでは、今頃は生きてはいないでしょう。

そして、人好き過ぎるムサシ(仮)。元々、人好き過ぎて連れ去り未遂や数日の連れ去りもあったようで、”虐待の対象”になるので、ちゃんと飼ってくれる里親様に里子に出しました。

性格も含めて、とてもかわいかったのですが、家猫となって2週間が経ち、家内が確認のために里親宅に尋ねると、とても穏やかな表情に変わり、雰囲気も落ち着いていたそうです。

何が言いたいかと言うと、「自由に~」とか「~らしい」というのは、人間の勝手な主観ではないかと思うようなりました。

確かに、野良や地域猫は広い縄張りで自由に暮らしているように見えます。でも、設置した”猫ハウス”を見た事がないから、そんな事が言えるのです。

ハウスの中からは、ゲジゲジやムカデなど、刺す害虫の巣になっている物もあります。縄張り争いで、ハウスには入れない猫もいます。餌の取り合いで、いじめられる猫もいます。そこは、自由には見えるかも知れませんが、野生の弱肉強食の環境下にいます。

雨が降ればずぶぬれになり、怪我をしても治療されない。ハウスの中で死んで、ミイラになった猫も発見されました。おそらく、ケガか病気で弱り、ハウスに避難したものの、息絶えたのでしょう。

それが、人から見て、自由・猫らしいというイメージの実態です

僅か数週間で表情ががらりと変わる。それこそ、”猫のきもち”そのものを表しているのではないでしょうか?

ブラン(仮)を無事保護して感じたのは、猫は自由よりも安全を選びたい動物だという事です。

猫は変化が嫌いな動物です。家の中で飼えば、それは環境が変わりますから、多くの猫は少し怯えたり、ブランのように「元に返せ~」と鳴いたりもします。

一方、家の中から”自由な”外に逃げた場合はどうでしょう。いくつもの迷子猫を捜した経験からすると、しばらくは何処かに潜んでいます。だから、見つからないのです。

ブランもそうしていたようで、家を出てから見つかった場所までの約2か月間の目撃情報は全くありません。(発見直前に、おそらくブランと思われる1か月ほど前の目撃情報がありました)

もし”猫らしく”自由を謳歌したいのならば、「あ~、自由な世界に出られてせいせいした~」とばかりに、悠然と姿を見せるはずです。

猫は、慣れればその空間の中で生活する知恵を持っています。走り回れない分、遊んであげて下さい。撫でてあげて下さい。

今のブランは、2年3か月前の「元に返せ~」はどこえやら、3か月の放浪生活で、その苦労を知ったから、外に出たがりません。

逆に「外って寒かったりして、嫌だよね~」という反応です。こんなに甘ったれになる猫だとは思いませんでした。

だからと言って、脱走防止対策を怠る事は絶対ありませんけど。

でも、今の安心できる生活で十分満足しています。病気になれば、すぐに病院に連れて行かれます。(それは嫌ですが…)ちゃんと、管理していれば、20年前後は生きるはずです。

一方、餌をもらっている地域猫でさえ、寿命はおおよそ5年。10年も生きる猫はまずいません。環境が過酷過ぎるからです。

最近も捨てられたと思われる、去勢された猫を友人を通じて保護しました。いくら捜しても飼い主は見つかりません。

この猫は保護しなければ野良猫になります。それが、人間から見た「自由で猫らしい」のでしょうか?人間のわがままから生まれた野良猫の、どこが「自由」なのでしょうか。

貧しい国の子供達に置き換えたら、分かりやすいのではないかと思います。

やはり、犬や猫は人間に飼われた歴史が長いペットですから、ちゃんと飼う人間に愛されるのが幸せだと思います。

”脱走防止、避妊・去勢、室内飼い”これこそ猫の三種の神器です。長生きさせるには必須なのです。

保護活動に深く関わったからこその、私の考えです。

あなたも考えて下さい。本当の「自由」とは、「猫らしい」の裏側を。

ミイラになった猫を見て「自由で猫らしい」と言える人がいるでしょうか。