入院・手術となると病院から入院の注意事項を説明される。ただ、私の経験上、その説明には限界があると感じる。ここでは私が説明を受けなかったけれども、入院院前にやっておくと良かったと思う点をまとめる。


まず、前提として理解しておいて欲しいことがある。手術後、すぐに元通りの身体に戻れば儲けものだと思った方が良い。咳き込み、手術痕の痛みや肋間神経痛に苦しむ人が多いのだ。そのため、杞憂に終わったとしても、退院後の生活の準備も入院前にしておいた方が良いと私は考える。


また、家庭面でのささやかなアクシデントによって、患者が家族の助けを借りられなくなる状況にも、最低限、備えておいた方が良いと思うのだ。


ポイントはざっと以下の通りである。

・散髪

・マスク購入の準備

・空調器具の購入

・腹巻、貼るカイロ購入(真夏以外)

・楽に寝起き出来る寝床

・下着の準備


以下に解説を加える。


・散髪

咳や術後の痛みで、しばらく、床屋・美容室で散髪可能な姿勢を保つこと、洗髪用に姿勢を変えることは困難となる可能性がある。そのために入院前の散髪しておくと良い。


特に短髪の人にはおすすめする。入院・手術からの体調回復で1ヶ月はあっという間に過ぎ、髪がボーボーになるのだ。手術の後で多少やつれるからこそ、小綺麗であれと私は思う。


脱毛副作用のある抗がん剤をする可能性がある方は、短すぎるとコロコロで取れなくてなるらしいので要注意である。


※2018.3.1追記

長髪なら結べば大丈夫。中途半端は苦労すると言うコメントを頂きました。詳細は当記事のコメント覧をご覧ください。


・マスクの準備

私もそうだったが、術後しばらくは気流の変化によりすぐに咳込んでしまう人も多いようだ。マスクを買って置くと良い。ただし、機密性が高いものだと手術後で弱った肺には空気を吸うことが難しくなるようだ。薬局で50枚程度数百円で箱売りしている「息苦しくないもの」が良いと思う。


・空調器具の準備

エアコンは気流を生むので、咳き込みを産みやすい。冬であれば電気ストーブ、オイルヒーター、遠赤外線ヒーターなど、空気を吹き付けないタイプの空調器具を用意すると良い。部屋の広さ、暖房効率、器具費、光熱費のバランスで考えて欲しい。


夏の場合は悩ましい。エアコンのない生活は考えにくいと思うのだ。それでも、出来ることはある。エアコンからの直風は避けるよう通風口の角度を調節することは大切だ。そして日差しを遮るシェードや身体を冷やすマットなどを使い、なるべくエアコンの風を控えめにする工夫が必要だと思う。


・腹巻、貼るカイロ購入(真夏以外)

私は今でも手術の後遺症として肋間神経痛に悩まされている。特に手術の直後はキツイものがあった。そんな痛みを和らげてくれたのが、腹巻と貼るカイロだ。寒い季節に手術をされる方は、是非入院前に準備されておくことをお勧めする。夏の間に手術をされる方は、、、どなたか、良い策をお持ちではないだろうか? 是非アドバイス頂きたい。

  

・楽に寝起き出来る寝床

退院直後の肋間神経痛はかなりきつく、一度寝てしまうと自力で起き上がることは出来なかった。そのため、起き上がる時はベッドから転がり落ちながら足で着地して立っていた。ベッド生活の方は転がって降りれるように布団落下防止の柵がついていれば取っておいた方が良い。また、敷き布団生活の方は立つのを補助出来るような掴まれるものが準備出来ると良いと思う。


・下着の準備

他のものほど強くおすすめはしないのだが一応書いておく。使い捨てのつもりで、100円ショップの安い下着を1週間分、ストックしておいた方が良い。


あえてこの項目を設けたのは私の体験による。当初、下着は数日置きに家内が洗濯に持ち帰ってくれる予定だった。


しかし、インフルエンザが我が家を襲った。発症はしていなかった家内の見舞いを私から断った。私の入院する呼吸器病棟にインフルエンザが蔓延するれば文字通り死者が出ると思ったのだ。


その結果、私の清潔な下着が枯渇した。病院にコインランドリーはあるが、洗って乾くのに数時間はかかる。それに手術後、咳き込み、痛みが激しい私には洗濯は重労働だった。病院の売店のパンツは目玉が飛び出るほど高かった。


結局、このときは看護師さんが医師の外出許可を強引に取り付けてくれて、100円ショップに下着を買いに行くことができた。


当時、咳き込みと肋間神経痛がピークにあった。健常体のときにはどうと言うことのない人の流れが速くて恐ろしく、二度とあんな思いはしたくない。だから、事前準備をお勧めする。


洗っていない服を直接身につけることに抵抗はあったが、下着は綺麗な方がスッキリする。風呂に入れない身には、有り難い清潔感だった。


※2019.4.21追記

上半身の下着は綿100%のストレッチ性がないシャツを1サイズ大きめで着ていた。特に前開きのシャツではない。ポリエステルや綿がザラザラしたものは傷口が擦れて痛くなりそうなので。私が愛用しているのはヘインズの赤ラベルだ。


※2019.4.23追記

私が受けたのは、腹腔鏡手術による右上葉の手術である。開胸手術となった場合は、切られる範囲も異なるため、もう少し他の考慮が必要かもしれない。どなたか経験がある方、アドバイスを頂きたい