代替療法。言葉を少し補うと「西洋医療の代替となる療法」ということと思う。民間療法と置き換えても同じ意味だと思う。もう少し悪意を持って言うと「現代医学では支持されていない療法」ということになろう。
 この奇異な単語を私は自分が肺癌になるまで知らなかった。自分が肺癌の可能性があると聞いて、手あたり次第にいろいろな治療法を調べた。そのとき、この代替療法に数多く出くわした。裏返すと現代の医学にも、代替療法にも決定打がないということだ。だから、いろいろな流派が派生しているのだと思う。
 少し自分の知識が整備体系化されてくると、私はこの代替療法とは一線を引いた。再発したとしても、私は標準治療と先端治療の範囲で考えると思う。本当は素晴らしい療法もあるのかもしれないが、ただの犬馬鹿である私には識別がつかない。
 私が選ぶとすれば「相補代替療法」と思う。「相補」とは「相互に補う」の意味だろう。現代医学による治療も受けながら、「代替療法」もする治療方法だ。今回は、少し古いがハーバード大学の研究グループが「相補代替療法」の効果をまとめたものを見つけたので紹介する。
 この報告の中では、「食事療法」「サプリメントや健康食品」「鍼灸」「マッサージ療法」「運動療法」「心理療法と心身療法」のそれぞれの治療法について「有効性」と「安全性」をまとめている。その結果の詳細は、本記事後編、最後に示したURLを見ていただきたい。