2012年3月。梅の花も盛りを迎え、春一番の巻き起こす風に震えながらも、春の日差しを実感する。昼と夜の長さが同じ日も過ぎ、太陽の恵みを享受できる季節が始まりだ。河津桜が蕾を大きく膨らませていた。もうすぐ、満開を迎え、目を楽しませてくれる季節ニなってきた。
 そろそろ、良い時期と思うので報告する。2009年10月末。私は肺癌のため、右上葉の全摘出の手術を受けた。その手術の結果「根治と思ってもらって良いというお墨付き」と同時に「強烈な右脇への痛み」をいただいた。いわゆる肋間神経痛という奴である。
 手術前に明確な説明は無かった。しかし、いつまで経っても痛みは引かず、自分でネットで調べて「肋間神経痛」という言葉にたどり着いた。まあ、事前に聞いていようがいまいが、手術を止めるという選択肢は当時の私には無かった。ただ、痛みを訴えたとき「大丈夫」と言うだけだった主治医。不信感とは言わないけれども「自分の専門である呼吸器以外に興味はない人」と思った。医師とはそういう人種であるという人もいる。
 この肋間神経痛は、手術の後、私を苦しめ続けている。右脇の違和感は未だにある。恐らく一生消えることはないだろう。ずっと、続いていることなので、良くなっているのか自分の中で判断がつかなかった。
 それでも今年は大きな進歩があった。去年までは、寒くなると痛みに耐えられず患部に当てていた「貼るカイロ」を使わず済んだのだ。家族とて気がつかない些細な出来事であるけれども、私にはとても勇気づけられる出来事だ。
 私の右脇にもかなりゆっくりとではあるが春が来ようとしているのだろう。そのうち、子供たちやカエちゃんと思い切り遊べるときが来るだろうか。テニスでも体を思い切りひねったショットが打てるようになるだろうか。その日が来るのが待ち遠しい。。。