2011年10月末。楓ちゃんが我が家に来る数日前のことだ。朝起きると少しのどが痛い日が続いた。季節がら少し涼しくなっていた。それに、下の息子もママも「少し喉が痛いね」と言っていた。空気の乾燥とイビキが原因だと思っていた。
 でも、それだけでは済まなかったのは私だけだった。楓ちゃんが来た日から、朝以外も喉が痛くなりだした。夕方、ママに少し軽い咳が始まったのを指摘された。
 その翌日の朝、体に違和感を感じた私は体温を測った。35.8度。家族の失笑を浴び、念のためにマスクをし、会社に行った。しかし、気のせいでは無かった。
 鼻水、咳、喉痛が、徐々にヒドくなりだした。でも、まだ症状は軽い。この日は私が話す会議も多かった。この日だけは、何とか頑張ろうと思ったが、気管が少しヒューと鳴って断念した。ここでこじらせると恒例の数ヶ月コースだ。「事情」を知る部長に症状と無理したくない旨を伝えた。部長は「早く治してください」と言って、この日の打ち合わせの代行を受けてくださった。
 帰宅後、病院に向かった。前回、大量の薬を出され「うっ」と思ったものの、見事に悪化せず治ったあの病院だ。病院は空いていた。体温を測り直すと36.8度。今朝より1度上がっている。症状を伝え、前回の処方がよく効いたと伝えると同じ処方をしてくれた。 
 医師にもう一つ相談した。楓ちゃんが来た日から悪化した。犬アレルギーを疑ったのだ。犬アレルギーとなれば、楓ちゃんは飼えない。血液検査の結果が分かるまでに1週間かかるという。1週間後には楓ちゃんに対する我が家の気持ちも固まっておろう。そのタイミングでドクターストップという悲しい結末は避けたかった。
 しかし、前回6月にアレルギー検査のため採血をしていた。「その結果がここで生きた。当時、犬のアレルギーは無い。犬のアレルギーは飼って半年ぐらいで出るもの。今回は、ただの風邪だろう」と医師はにっこりと言われた。
 幸い風邪は軽く済み、早退と1日の休みで回復した。