浮体式洋上風力発電。日本は数年後に世界をリードできるか!? | GreenPost しなやかな技術研究会

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福島県沖2MW浮体式洋上風力発電機、10月稼動に向けて準備が進んでいます-----ソフトエネルギー、2013/06/26

 海の上にプカプカ浮かぶ浮体式洋上風力発電。福島沖での本格実証実験がスタートしています。着床式の洋上風力発電の開発、技術では欧州勢に一回り以上の経験と技術の差を空けられた感じがあります。たとえば、世界最大規模のイギリスのロンドンアレイ洋上風力発電所の規模は、第一段階の工事が終わった時点で、シーメンスの3.6MW風力発電機が175基という構成で、合計の設備容量は630MWに達します。

世界最大の洋上風力発電所 ロンドンアレイ洋上風力発電所、本格稼動開始!-----ソフトエネルギー、2013/04/16

 そして、こうした大型の洋上風力発電所は、世界中で作られています。(*1) こうした巨大な風力発電所を建設し、商用電線網に収容していく技術は、日本にはまだありません。
 日本でも着床式の風力発電施設が建設されていくようになります。欧州を中心とした技術を学んでいく行程がようやくはじまろうとしています。

 一方、浮体式の場合は、世界的にも歴史が浅く、大型のものも作られているものの、本格的な普及と開発はこれからです。実際の海で最初に浮体式の風力発電システムがテストされたのは、2007年。南イタリアの海岸から21.3km沖合いの水深113mの場所ところで、オランダのBlue H Group Technologies社が実施(*2)したものです。その後各国で研究開発が続けられています。(*3)

 国内では、2012年6月、五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストが開始されました。(*4)
 福島沖でこれから始まる浮体式洋上風力発電は、今回の2MWに続き、7MW機も建設されることが決まっています。この段階で、日本は浮体式のプロジェクトとしては世界をリードできる体制が整ったことになります。
 強力なライバルは、まずは着床式で多大な経験を積んできた欧州勢。そして、ほぼ同時期に開発を進める、アメリカかです。アメリカでは、2017年に6MW機2機の浮体式風力発電機の稼動を目指しているニューイングランドのAqua Ventus I 計画の前段階のテストとして八分の一スケールの実験機のテストが開始されました。(*5)

 経験とコスト的な問題を考えると洋上風車の量産技術をもつ欧州の力を借りて、海洋国日本の技術の水を集めて、この新しい事業に取り組むことを、世界の開発のスピード感をもって進めることができれば、日本が生きる道がありそうです。


関連情報
*1 Wikipedia : List of offshore wind farms

*2 オランダのBlue H Group Technologies 、2008年に世界初のフローティング(浮体式)風力発電機を洋上実験-----ソフトエネルギー、2011/08/30

*3 浮体式洋上風力発電 Floating Wind Turbine 再生可能エネルギーまめ知識(Naverまとめ利用)

*4 京大、戸田建設ら、環境省の五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを開始-----ソフトエネルギー、2012/06/14

*5 メイン大学 University of Maine、アメリカ初の1/8スケールの浮体式洋上風力発電機 VolturnUS 1:8 を実証稼動-----ソフトエネルギー、2013/06/14