前回、仕事関係の研修で見知らぬ人と自己紹介しつつ、それを自己開示につなげていくのは無理だという話をした。
だけどたまたま同じグループに超タイプイケメンがいたおかげで退屈な研修を乗り切れたこともお伝えした。
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このように端的に書けばもっとあっさりとまとまるのに僕の文章はいつも長々とまどろっこしくて申し訳ない…
唐突だがこちらをご覧いただきたい。先ほどさらさらと書いてみた。
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夫カンタロウと出会う20年以上の話だ。
まだ若手社員だった。その分、会社から行かされる外部研修に対して今のように疑念などはなかった。
確かどこか広い体育館だったように記憶している。100人以上の若手社員が集められた。
「今からここに集まった皆さんで仲間づくりをしましょう」
講師の声が響いた。
「皆さんは蟻です」
蟻?アリ?
「四つん這いになって蟻さん同士でじゃんけんしてください。勝ったらアヒルさんに進化します」
家鴨?アヒル?
蟻がアヒルに進化とは?
「もちろんアヒルさんはガアガア鳴きますからアヒルに進化した人はガアガア鳴きながらお尻を振って同じアヒルさん仲間を探してください」
その時点で既に泣きたい気持ちだった。
「アヒルさん同士でじゃんけんして勝ったら次はおサルさんに進化しますよ。負けた人はアヒルさんのまんまなので、ガアガア鳴きながらまた別のアヒルさんを探してください」
さすがにルールは分かってきた。
「おサルさんに進化したらウッキッキと身振りを添えながら同じおサルさんを探します。おサルさん同士でじゃんけんしてください」
やりたくねぇ。
「そしてじゃんけんに勝ったらおサルさんから人間に進化します。人間になったらまだ進化していない仲間を応援してください」
参加者からどよめきが上がったのだが、職務で研修に参加してるので拒否はできなかった。
「それではスタート❗️」
こんな恥ずかしい思いは一刻も早く終えたい。とにかく蟻から人間に超進化するしかない。
しかしその後、じゃんけんに連敗。
ガアガアアヒル時代が続く。
見渡せば素早く人間に進化していた同期の姿が見えた。
アヒルがほとんどいなくなりやっと猿に進化できた。
この頃になると、
「頑張れ~」
「ファイト❗️」
と人間からの声援が多くなっていた。
「ウッキッキ」
と猿真似姿を披露しながら猿仲間を懸命に探す。
顔見知りだけでなく全然知らない人からも声援を受けるのだが正に「この辱しめをどうしてくれるの?」状態だった。
笑顔いっぱいの講師が、
「はい、そこまで~。人間に進化できた皆さんおめでとうございます。そしてそこまで進化できなかった方もお疲れ様でした。拍手してあげましょう」
と言い、たくさんの辱しめの拍手をもらい研修は終わった。
それから20年以上の月日が流れ、今カンタロウと穏やかな日々を過ごしているのだが、そのカンタロウからは、
「ショウタっておサルさんみたいでかわいい」
などとからかわれることが多い。カンちゃんなりに一応「褒めている」らしい。
その都度、
「あぁん?」
と憤怒するのだが、よくよく考えればあの日猿から人間に進化せずに研修を終えてしまっているのでカンちゃんから「おサルさん」と呼ばれてしまうのは宿命なのかもしれない。
そして常にお尻を振りながら歩いている(自覚はないけど)のも長かったアヒル時代の名残なのかもしれない。
調べると「進化じゃんけん」などと呼ばれる幼稚園や保育園などでやることがあるゲーム(?)が基になっていたようだ。
だけどそれを会社の若手研修に取り入れるなんて今からでも企画者にクレームを入れたいくらい
ムッキィガアガア