果物は全般的に大好物で子どもの頃からほぼ毎日食べてきた。


名家の生まれの夫カンタロウ比べると、僕は極々普通の家庭に生まれ育った。
その中で毎日、果物が食卓に上がるというのは日々の暮らしで両親にとってはちょっとした贅沢だったのかもしれない。ありがたい話だ。


だけどそれを実感するようになったのは1人暮らしを始めてからだ。

まずスーパーマーケットに行っても果物を滅多に買わなくなった。
コメや野菜、肉・魚とは違い、果物は健康保持に必須というわけではないので節約したいなと思う時は真っ先に買い出しリストから外れる。
果物って贅沢品だよなあとつくづく思う。


それがカンちゃんと付き合うようになってまた果物を買うようになった。
俺は料理下手でレパートリーも少ないのでせめて季節の果物を用意して喜んでもらいたいなと思うからだ。


だけど以前にもお伝えしたのだがカンタロウが真っ先にイメージする果物は「パパイヤ」なので「そんなものは近所のスーパーで売ってないやいプンプンと買ったことはない。
もちろん見つけたしても買わないと思う。


まだまだ毎日暑いのだけどスーパーの果物売り場のラインナップはいつの間にか秋らしくなっていて、真っ先に目につく場所にシャインマスカットが置かれるようになった。


シャインマスカットのことを勝手にシャインマと略して呼んでいるのだけど、初めて食べた時の美味しさの衝撃はかなりのものだった。

・皮ごと食べられる
・甘くてみずみずしい
・見た目が美しい

それ以来、給料日や何かのご褒美などでシャインマを買うようになった。


僕が子どもの頃の昭和時代にはこんな画期的な果物はなかったはず。

カンタロウとも、
「昔はシャインマなんてなかったよね?」
「そうそう、せいぜいデラウェアか巨峰くらいだった」
と話している。
調べてみるとシャインマスカットは30年以上かけて開発された苦労の結晶らしく、開発に携わった人々にはとにかく感謝の気持ちでいっばいだ照れ


そしてもちろん2人ともデラウェアや巨峰も大好きだ。
2人でいろいろな種類のブドウを食べながら日本の果物の上質さと美味しさを語り合い、味わっている。


店頭のシャインマは先週は1580円と高値だったけど、今週は1200円くらいまで下がってきた。
それでも他の果物よりは相当お高い…😅


毎回はとても無理だけどカンタロウとの食後にシャインマを皿に入れて食卓に出すと、おしゃべりをしているうちにあっという間になくなる。


だけどラスト1粒になると2人とも手を伸ばさなくなり、
「カンちゃん、食べていいよ」
「ううん、せっかくだからショウタが食べな」
と謎の譲り合いが始まる。


優しさと愛情が故の譲り合いであれば美談なのだけど実際はそうではないので、
「ほらカンちゃん早く食べて。お皿洗って片付けたいんだからさ」
とラスト1粒をむしり、無理矢理カンタロウの口を手で開けて中に突っ込んでいる。


俺の手垢がついたシャインマは嫌なのだろう、相当迷惑そうな顔をしているのだが、もはや見つめ合ってはにかむ新婚でもないので、気にせず口に突っ込んでいる。
食べよカンタロウ❗️


新婚ではないけどまださすがに倦怠期でもないのでお皿を洗った後はカンタロウの真横にちょこんと座り、
「うーん、好きぃ♥️」
と無理矢理抱きついて微かにシャインマの香りが残る唇をいただいている。


カンちゃんは全否定するけど、俺ってば愛に溢れた良夫だなと自負しているてへぺろ