昨日夫カンタロウとめでたく結婚2周年をむかえた。

ランチデートだったのだけど、待ち合わせ場所にはいつものように先にカンちゃんが待ってくれていた。


そして

「はい、これどうぞ」

と小さなオレンジ色のブーケをもらった。


むむむ

しまった

忘れてた


様々な思いが去来した。2人の結婚記念日なのに俺は手ぶらだったからだ。

ちょっとしたプレゼントを用意して渡そうと昨日までは考えていたのにすっかり忘れていた。



ランチはカンタロウと付き合い始めた初期に連れて行ってもらった店で相変わらずとても美味しかった(2人の記念日なのでもちろん割り勘、けっこうお高いのね…)。


街ぶらしてウインドーショッピングしてお茶をして…

目新しいことはなかったけど目を細めて優しく微笑むカンちゃんは3年間ずっと同じ。


この笑顔が好きなんだよなあ

その思いが全然変わらないことに自分でも笑えてくる。



うちに帰ってエチして夕飯を作って2人で食べた。

そしてカンちゃんに提案した。


「せっかく七夕だから散歩して星を見に行かない?きっと蒸し暑いからその後、夜カフェしよう。ご馳走するからさ」

すごく嬉しそうに同意してくれた。



うちから数分も歩けば薄暗い遊歩道がある。

そこからは星は見えるだろうか。


老眼2人、目をこらした。

薄暗い遊歩道とはいえ、街灯や住宅の灯り、電車の光などもあり、全然見えなかった。


でも真上に1つだけ星が光っていたので2人で眺めていた。



「カンちゃん」

彼がこっちを向いた瞬間にキスしようと思って待ち構えていた。

「なあに?」

と返事をしたカンタロウに口を近づけると、薄暗さと老眼と近眼と乱視のせいで、彼の口ではないところに俺の唇が辿り着いてしまった。

きっとカンちゃんの顎だった。


これまで屋外でそんなことしたことはないので嫌がるかなと思ったけど、優しく笑ってカンちゃんからそっと唇を寄せてくれた。



その後は黙って手をつないで2人で歩いた。


沈黙がやだなと感じたので、

「カンちゃんは俺のこと好き?2年前より好き?」

と聞いてみた。


「まあまあ、なんじゃない」

案の定の返事がきた。

「ショウタは?」


結婚記念日だから照れずに答えた。

「もちろん好き❗️ずっと好き。前より今の方が大好き」


「そっか」

そう言われても薄暗いので彼の表情はうかがえない。


「愛されてんのかな俺…」

少しだけ心配になってきた。


「昔よりも『愛してる』というか愛着がわいてきたよ。ショウタが毎回うるさくても変な歌や踊りをしてても『それでもいっか』みたいな感じ」

微妙な返事ではあった。



「カンちゃん❗️今日は結婚記念日なんだから恥ずかしがらずに答えなさいっ。夫を愛していますか?」



「はいはい、愛してますって」

結局はいつもみたいに無理やり言わせてしまった。



「ショウタ」

「何?」

「もう心配しなくて大丈夫だから」


その後に言われた言葉はすごく嬉しかった。

ありがとう。



安堵したので夜カフェに向かった。

七夕を記念して彦星ドリンクと織姫ドリンクがあった。

一つずつオーダー。


少しずつ交換してからカンタロウはごく自然に彦星ドリンク、俺は織姫ドリンクを手に取った。



ぐびぐび飲みながらこの先もずっと一緒にいられますようにと願った。

カンタロウもそう願ってくれればいいなと思う。


「前々から夜カフェしたいって言ってたのを覚えてくれてたんだ?ありがとうショウタ」


単にプレゼントを渡すのと、カンタロウが夜カフェに行きたがっていたことなどを全く忘れていたけどここは黙って微笑んでおくことにした。






今夜は何だかすごく恥ずかしい内容になってしまいました。お目汚しですみません。


全部書き直そうかとも思ったのですが他の方々も、たとえ恥ずかしいようなことでも少しでも書きやすくなれれば幸いと思ったので、このままアップしてしまいます。