ブログを始める時、せっかくたまたま高貴な人と付き合うことになったんだから今まで経験したことないような出来事を書ければ楽しそうだなと思っていた。
相変わらずびっくりすることもあるけど、だけど本ブログタイトル「彼氏は貴族」とは名ばかりで、単なる仕事の愚痴や2人のドタバタ生活をお届けすることが大半になっている。
これは夫カンタロウの素性を明かせないのが一番の理由なのだけど(なお俺自身は隠すようなことはあまりない)、彼が元貴族であり、元高貴であり、元裕福であるので現在は俺と同じく一般人で普段の暮らしぶりは意外に普通だからでもある。
さてそんな中、今夜は久しぶりに驚いたことを書かせてもらう。
カンタロウの家に富裕層向けのオークションのカタログが届いた。
美術品や骨董品、宝飾品など贅沢なものばかり。
周年イベントらしく、もう十数年お付き合いがないカンちゃんの所にも久しぶりに案内が来たらしい。
そんな話を聞き、すかさず
「わぁ、カタログ見たい。見せて❗️」
と頼んで持ってきてもらった。
シャガールやルノアール、葛飾北斎など有名な画家の作品もオークションに出品されていた。
(なお俺はシャガールのことをジャガールと先週まで思い込んでいたくらい芸術分野は無知である…)
どれもうっとりするような美しさ。
ルノアールは喫茶店名でしか知らなくて、俺にとってはルノアールもシャノアールも実は大して変わらない。
それでもこんな素晴らしい絵画が手に入るのならオークションに参加するのもいいかもしれない。
「カンちゃん、俺らも入札しましょ、入札」
「すれば~?」
入札価格は8000万円~1億3000万円だった。
夢のまた夢。
どうせ買えるわけないし。
とカタログをポイと机上に戻したら目に入ったのが…
「飲み物や寿司なども会場でご用意してお待ちしています」
のお知らせ。
たとえ入札しなくても会場に行けば飲み物や寿司にありつけるということ?
「ぎゃあカンちゃんカンちゃん❗️お飲み物やお寿司もただでもらえるんでしょ?もう絶対に行きたい❗️」
飲み物や寿司が会場で振る舞われるのは確かなことらしい。
だけど富裕層向けオークションなので「寿司や飲み物欲しさで会場は行く人なんていない」とキッパリ言われた。
ただ、たまに雑誌や広告などの懸賞の景品としてオークション参加権が付与されることもあるらしく、俺のように寿司や飲み物にがっつくようなタイプの人は富裕層ではなく場違い参加者だと他の参加者や主催者にすぐにバレるそうだ。
まあそれでも富裕層のふりをして参加するのも経験としてはありかもしれない。
「カンちゃん、一応見に行かない?」
と誘った。
にっこり微笑んで
「もうずいぶんに前に終了してるよ、このオークション」
んもぉ。富裕層オークションの感想をブログで紹介したかったのに…
カタログを見てうっとりしておしまい。