学習の時間、こちらで準備する教材もありますが、市販のドリル(またはそれに代わるもの)を保護者に準備してもらっていました。

 その際、ひとつお願いをしていて、その子が一人で取り組もうと思えるような難易度のドリルを準備して欲しいというものです。


 すると、保護者(養育者)が準備くださるドリルには、いくつかのパターンがあるのですが、そのなかから、例年春先に知らんぷりウーンと思うことがありました。



1年生は

 足し算1年生で習う漢字

2年生は

 かけ算・2年生で習う漢字

    のドリル持ってきがち。


 ようするに、先取り学習のドリルを準備するご家庭が多くあります。



 長年、子どもの学習を見ていて、春休みにさせる教材として、一般的には上記のドリルはふさわしくないと思っていますダッシュ



 学習をよほど進めていて、もうそこは飛ばしていいわって感じなら先取りは良いと思います。例えば、1年生に上がる頃に中学数学をやろうっていう進度くらい先取り学習をしていた場合とか。


 国語の場合、大抵の子は小学校に上がる頃には「ひらがな」が書けるようになっていると多くのご家庭では思っているみたいです。

 だから漢字ドリルを持ってくるのですが、ほとんどの子はひらがなカタカナがきちんと書けません。
 
 ひらがなカタカナで単語を繰り返して、反復して学んでいないため、ことばのかたまりを覚えておらず、
例えば、こちらが言った一定短い文を聞き取って書けるかというと、「っ」や「ゅ」といった音や、「お」と「う」の使い分けなどが出来なかったり、2年生に上がろうかと言う頃に「ね」と「れ」や、「ね」と「ぬ」を間違えたり、カタカナの「ぬ」が分かりませんと言ってきたりする子が、毎年必ず一定数いました。

 言葉の塊として単語を覚えていないのは後々ずっと後を引いて、2年生からの主語・述語をはじめとした文を分節に区切る文法の学習や、句読点の付ける位置が無茶苦茶やないか滝汗ということにつなかったりします。




 算数はもっと大変滝汗滝汗

 算数って、積み上げの学習なので、実は低学年の学習ってめちゃくちゃ大事。

 低学年の算数は確実に理解しておいて欲しい。大げさに言い換えると、低学年の算数は100%理解しておいて欲しい。
 そうじゃないと、高学年や中高で算数や数学が分からなくなった時にそこまで戻らないといけないから滝汗

 
 めちゃある子どものパターンとして、数の計算は出来るのだけれど、1年生の後半に出てくる文章題になると出来ない。

 5+9=14 は出来るけど

 子どもが5人いました。9人増えて14人になりました。式を書きなさい。
 と言われると、どうやって書けばよいのか分からない子。

 全部の数が問題に出てきているから、どうしたら良いか分からない。
 足し算は増える計算なんだということが、感覚で身についていないからわかんない。

 これは、国語力が弱いから文章が読み取れないというよりも、
 足し算引き算の増える減るが、イメージとして頭のなかで定着してないんだと私は思っています。

 かけ算になるとより顕著化して、かけ算は同じ数ずつ増える計算なんだ、だから増える数がその時ごとに変わる足し算とは違うんだというのが分からない子がとても多くなります。

 九九は言えるけど、
 7✕8=7✕7+□ の□が何なのか、分からない子が多い。

 100マス計算をしたらタイムもそこそこで計算ミスも少ないのに、数字の計算じゃなければ分からん

 という子が増えとる滝汗

 
 将来、お子さんはロボットか計算機になるんですか? AIに絶対負けますよ?
 と毎年、お伝えすることになるのです。
 もちろん保護者様にお伝えする時は、もっとオブラートに包んで話します。ブログは思っていることをストレートに書きたい。自分の忘備録にもなるから。

 計算だけが出来ても、普段生きていく上では必要な時に立式できた方が良い。また、言葉を駆使して相手に気持ちを伝えたり、相手の気持ちをくんだりしないと、上手く社会に適応して、より良く生きていくことが難しいと思う。



 学校をおろそかにするご家庭が多いですが、学校教育のカリキュラムは、とても理にかなった積み上げで考えられています。

 まず学校カリキュラムを大事にする。
 その後、プラスの教育を施さないと後々大変です。
 子どもは学年を戻って勉強するのは、必ず嫌がるのでチーン
 これ教える方も地獄やて。
 だって、子どもは必ず傷つくもの。


 公教育はとても考えられて作られていると私は思っています。商業的ではありません。

 家庭学習ができるタブレットや紙面の商業的な学習機関は、世間受けする要素を強めガチだと私は思います。

 民間企業は利益が出ないとダメなんです。そのためには多くの人に選んでもらわないといけません。
公教育とは、どうしても根本的に違う部分があります。


 最近では、そういったそもそも教育って、学習って何のためにすんねやとストレートに問いかける学習補助をしてくれるところも多く見られるようになりました。
 大手ではないけど、SNSとかでアピール出来るから、前より見えるようになったよね。


 そもそもの話に戻りますが、
 ご家庭で自習教材として市販のドリル等を準備してもらうと、そのご家庭がどれほど子どもの教育について知っているか、どう考えているかがとても良く分かります。

 子どもと一緒に本屋へ行って教材を選び、一見、良いご家庭と思えるエピソードを子どもが語るお家がとんでもない教材を持ってくること、正直多いです。

 はじめからバーンと子どもの理解に関わらず塾のテキストを持ってくるご家庭の方が、教育方針が貫かれていてやりやすかったりすることもあります。

 一番頑張ろうと思えるご家庭は、やはり「どんな教材がオススメですか」と聞いてくるご家庭でしょう。

 こちらの力量を図られている場合もありますが、教材持って来いというのだから、持って来いという側にも意図があるのです。

 その意図を組まずして、子どもに対するご家庭と指導側のタッグが組めるわけがありません。


 私が尊敬する賢い素敵なお家だと思う保護者様は、保護者様の学歴や職歴や所得と関係性があったことはありません。

 いろんなデータがありますが、傾向であって真実ではないと思うことが多いです。