ランダム・ウォーク 227 
 業種サイクル  バリュー株の復活 

up 2024 06 04 (Tue)
 
グロース株とバリュー株の並存
 
 東洋の古の聖人は、世の中は無常と教えた。無常: 常なるもの、恒なるもの、変わらないものはない。
 宇宙も生物も人も、経済も株価も無常である。
 
 宇宙も銀河も星も太陽も地球も常に変わりつづける。人も人の営為も経済も株も変わりつづける。
 いつ、どのように変わるか、そのあとでどうなるかは、古の聖人は語らなかった。煩悩で真実の光が見えなく なってしまった凡人には不可知である。
 
 そう、日経平均もTOPIXを構成する花形系柄も変わりつづける。かつて栄華を誇った鉄も家電も車もコンピュータもAIも 半導体関連銘柄も地に落ち、雌伏の銀行や保険や証券が息を吹き返す。
 
 わたしは最近は、ハワード・マークスの「サイクル理論」に嵌っている。「効率的市場仮説」よりも はるかに現実的であり、「ランダム・ウォーク理論」、「マーフィの法則」とともにわたしの三大行動理論 となっている。
 今回は、サイクル理論にしたがって最近の株価行動の動きを分類する。
 
【グロース銘柄】:ここ数か月は米国金利が下げ止まらず、グロース(ハイテク、半導体、精密、商社)銘柄は年末のFRBに利下げまでは冬眠。 
 
【日銀金利正常化期待銘柄】:日銀は早ければ来月にも利上げ。採算性向上と顧客の投資機会増大で、銀行、 保険、証券が上昇軌道に乗っている。 
 三菱UFJ、横浜銀行、静岡銀行、千葉銀行、野村は買いあがり。
 
【雌伏からの反転期待銘柄】:いわゆる電子部品銘柄。村田、ニデック、TDK,京セラ、日東電工、 ローム、太陽誘電。このうちやや村田、京セラ、ローム銘柄がなぜこんなに低迷しているのだろう。
 最近、村田、デンソーが反転の兆し。ローム、京セラはまだ冬眠中。グロースを売り下がり、電子部品銘柄を 買いあがろう。
 
【下落監視銘柄】:なぜだかしらないが長期下落銘柄。日揮、ウエルシア、相鉄、京急、NTT。
 
【長期横這い】:JAL,ANA、ヤマト。 
 
 金利、為替、訪日客、業種内サイクル、循環物色などの要因があるのか、単なるランダム・ウォーク なのかもしれない。そもそも株価の動きは不可知。唯一明快なのは世の中、株価も「無常」。

 


◇◇◇ 追加 2024 06 04 17:36 
 
 このブログをアップし終わった時点で、銀行株が大きく下げている。その理由を「ブルームバーグ」は次のように解説している。
・ 4日の日本市場では債券が上昇した。前日の米国市場で製造業指数が市場予想を下回り、長期金利が低下した流れを引き継いだ。日本銀行による政策修正観測が強い中、10年国債入札を無難に通過したことも買い安心感につながり、長期金利は1週間ぶりの水準に低下した。
・ 5月の米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数は活動の拡大と縮小の境目50を2カ月連続で下回り、3カ月ぶりの低水準となった。SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、米連邦準備制度理事会(FRB)の次のアクションは利下げという見方を補強したと指摘した。
・ 金利低下が銀行や保険など金融株の重しとなり、株式相場は反落。外国為替市場では実需の円売りが一巡した後は、次第に米景気減速などを手掛かりとしたドル売り・円買いが優勢になった。
 
 つまりブルームバーグは、米国の長期金利が低下したために、まわりまわって、三菱UFJ, 浜銀、静銀、千葉銀などが大きく下げた、と解説する。
 下げた要因がわかると安心する。まあ、日本の金利は中期的には上昇する。一時的な上げ下げに一喜一憂することはない。