緑の灯火 135 海辺のカフカ 

up 2024 03 16 (Sat)
 
 海辺のカフカ
up 2024 03 15 (Fri)
 
 翻訳学校で、「What I Talk About When I Talk About Running:Haruki Nurakami」から 数ページが翻訳課題として出される。
 少々自信満々で訳して提出した作品は、タイトルで大きくつまずいた。
 
 『私のランニングについての話:村上春樹』
 
 まず、日本語のタイトルが既についている場合には、訳者が勝手にタイトルをつけてはいけません、 と講師の赤ペン。
 プロの翻訳家を目指す人なら、村上春樹ほどの有名な作家の作品は、ネットでちょっと調べると わかります。いろいろ調べるのは翻訳の基本です。
と、現役翻訳家の講師から厳しい注意
 
 なるほど、ネットで調べると、『走ることについて語るときに僕の語ること』 のタイトルで、2007年10月15日に出版されている。
 
 それにしても『走ることについて語るときに僕の語ること』とは高校の英文和訳のような直訳だなあ。プロの 作家がこんなタイトルを実際につけるのだろうか!? 実際に文春文庫の本にはそうなっている。
 
 村上作品には、たとえば『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ネジ巻き時計クロニエル』 『海辺のカフカ』『1Q84』『不確かな街とその不思議な壁』など、タイトルだけで作品の内容が 想像できないものが少なくない。さらに、作品を読んだ後にもなぜそんなタイトルなのか今でもわからないものが多い。
 その点、『走ることについて語るときに僕の語ること』は、走ることが話題になったときに話す内容だろうなあ、 と想像しやすい。だが、I が「私」なのか、「僕」なのかはタイトルからでは判断できない。
 
 ところで、最近 up し始めた『海辺のカフカ』も何回も読み直したがいまだにタイトルの意味が わからない。海辺のカフカってだれなんだろう。そもそもカフカっていったいなんだ!?
 
 
 春闘満額回答→来週の日銀金融緩和の観測→材料出尽くし→銀行株下落→買いどき
up 2024 03 11 (Mon)
 
 春闘で満額回答が続出している。人件費を費用ではなく、人材獲得の投資と考えているようだ。
 ここで、風がふけば桶屋が儲かる風理論。
① 賃金上昇をみて、日銀が来週の金融政策会合で「金融緩和」政策へ舵をきる観測→金利上昇→一般的に株価は下落。
 金利上昇は、銀行にとって追い風だが
② 賃金上昇をみて、日銀が来週の金融政策会合で「金融緩和」政策へ舵をきる観測→金利上昇→銀行には追い風→材料出尽くし→銀行株下落→銀行株買いのチャンス。
 
 そう、いずれの場合も短期的には、株価は下落する可能性がある。しかし、金融緩和は、本来の「金利のある世界」への復帰であり、長期的には 望ましい。まあ、慌てふためかないことだ。
 コリン・パウエルのことばを信じよう。
 「なにごとも思うほどに悪くはない。翌朝には状況が改善している」
 ただし、このことば、心構え(こころのもちかた)をいったものであり、予測ではない。
 心構えと予測を峻別しているところが、さすがパウエルさん、すごいなあ。
 
 太極拳の講師と演舞仲間。
up 2024 03 10 (Sun)
 
 私は退職後に数年、某私立大学で学生に情報処理技術の講義や演習をした。同時期に、企業の技術者にもソフトウェアの設計技術を教えた。
 その当時、教育には二種類の専門家が必要だと教えられた。「SME」と「PME」だ。
 SME(Subject Matter Expert:サブジェクト・マター・エクスパート)は 教える対象の専門家で、私の場合は、情報処理技術、コンピュータ言語やソフトウェア設計技術だ。
 いっぽう、PME(Process Matter Expert:プロセス・マター・エクスパート)は、教え方の技術の専門家で、教材の作成方法、教えるプロセス、学習効果の測定や評価など、 いわゆる学習理論や学習心理学が含まれる。
 
 われらの太極拳教室の講師は、太極拳の内容はわかっている、つまり、SMEではあるが、教え方には無頓着、むしろ、無知、無関心である。 とてもPMEとは言えない。
 
 太極拳48式のクラスでは、4月から3月まで一年間で、1式から48式を学ぶが、一年間で生徒の数は半減する。講師は、辞めていく生徒の 理由に無関心である。個人情報だという理由で、クラス名簿もないし、飲み会などの教室外の行事はない。
 今年のクラスで、二人は膝を痛め、三人は腰痛にになり、教室に顔を見せなくなる。
 
 高齢者はいつのまにか消えている。高齢者が体力を維持する運動や生活習慣の指導をする講師はいない。つまり、サブジェクト・マターの 専門家であっても、プロセス・マター・エクパートは一人もいない。講師自身や学習効果の「評価システムがない」ことが根本原因である。
 
 最近読んでいる本。
up 2024 03 09 (Sat)
 
 一冊の本を読んでいると、その本の中で言及してある本も読みたくなる。そしてその本を読みさしのまま、 言及された本を読んでいるとさらにその中で言及してある本も読みたくなる。
 
 こうして、幾何級数的に本を買うことになるが、本屋で手に取ってみるのではなくネットで買っているので、 言及された本が必ずしもお気に入りとはガぎらない。数ページを読んで「積ん読く」になることがおおい。
 しかし、案外、読んでみると面白い本もある。
 
 最近、並行して読んでいる本:
・ 中学生までに読んでおきたい哲学:「うその楽しみ」 あすなろ書房
・ 中学生までに読んでおきたい哲学:「愛のうらおもて」 あすなろ書房
・ 「青春のわすれもの」: 池波正太郎 
・ 「散歩のときなにか食べたくなって」:  池波正太郎 
 
 最初の二冊は、サブプライムタイトル「中学生までに読んでおきたい・・」に惹かれて買った。
 著者は一人ではなく、さまざまな分野のさまざまな作家の短編から構成されたている。
 たとえば「うその楽しみ」におさめられている作品の作家:星新一、幸田文(ふみ)、柳田国男、井伏鱒二、井上しさし、穂村末弘、河合隼男、串田係一、米原真理、 池田晶子、遠藤周作、太宰治、伊藤聖、佐野洋子、内田百聞、吉田健一、桂三木助、小松左京。
 「愛のうらおもて」ににおさめられている作品の作家:向田邦子、円地文子、杉浦日向子、森瑤子、寺山修司、坂口安吾、吉行淳之介、中野好夫、佐野洋子、倉橋由美子、 幸田文、中島らも、太宰治、桂文楽、大庭みな子、森鴎外、岡本かの子、小泉八雲、宅島徳光、
 半分くらいは、名前は知っているが作品は読んだことはない。半分は名前も知らない。 
 
 せいらい貧乏性なので、せっかくお金をだして買ったのだから読んでみよう。ああ、寺山修司、坂口安吾は、こんな文体だったのか。 佐野洋子、倉橋由美子はこんな作風だったのか。中島らもの作品は初めて読むなあ。 
 「あとがき」、「解説」には、作家の代表作、ここに収められている小作品の鑑賞の仕方などがあり、またそこに紹介されている作品を 読んでみたくなる。
 
 これらの本は、「中学生までに読んでおくべき本」なんだよ。きみはまったくこういう方面は無知だなあ。いまからでも遅くない、読んでご覧、 問い言っているようだ。 
 もちろんこれは「あすなろ書房の」のマーケティング戦略なんだ。わかっていても、それにのっかってみるのも悪くない。 
 
 池波正太郎も、名前は知っていたが、流石の大衆作家。魅力的な文体だなあ。
 「青春忘れもの」と「散歩のときなにか食べたくなって」。 
 
 「散歩のときなにか食べたくなって」な中から、名古屋のたい家の描写の抜粋
 「カウンターに座って、まず、鯛のお椀と刺身で酒を二本ほどのみ、それからまた、あたらに刺身を注文し、ご飯を食べたものだ。
 そのころの私は三十から三十四、五歳にかけて、それはもう自分でもおどろくほどに何でもよく食べたものだが、いくら食べても 肥らなかった。
 おもえば、当時は、自分の脚本の上にも小説の上にも、もっとも大切な吸収期であって、脚本が舞台にかかるのは年に二、三本だが、 小説の習作を書き、読書をし、芝居や映画を観てまわり、音楽を聴き、絵の勉強もするといったわけで、毎日、四、五時間しか眠らなかった。
 もっと、その時期に自分への肥料を与えておけばよかったと、いまにして後悔しているけれども、怠け者の私にしたら、それでも精一杯 やたのだろう」
 このように「たい家」での食事の途中に、「おもえば」とか「もっとも」などを挟んで、その当時の修行の様子や感想を 簡潔な文体で述べている。さまざまな店で食べ歩きながら、脚本を書き、小説の習作をし、読書、芝居・映画鑑賞、音楽、さらに絵の勉強をしているのだななあ。
 
 コリン・パウエルの13か条のルール。
up 2024 03 05 (Tue)
 
 わたし(コリン・パウエル)は、気に入った名言や格言のメモを机と透明のマットカバーの間に 挟んで、座右の銘にしている。13か条のルールと名づけている。
 
《ルール01》 なにごとも思うほどに悪くはない。翌朝には状況が改善している。
《ルール02》 まず怒れ。その上で怒りを乗り越えろ。
《ルール03》 自分の人格と意見を混同してはならない。さもないいと、意見が却下されたとき自分も 地に落ちてしまう。
《ルール04》 やればできる。
《ルール05》 選択には細心の注意を払え。思わぬ結果になることもあるので注意すべし。
《ルール06》 優れた決断を問題で曇らせてはならない。
《ルール07》 他人の道を選ぶことはできない。他人に自分の道を選ばせてもいけない・。
《ルール08》 小さいことをチェックすべし。
《ルール09》 功績は分け合う。
《ルール10》 冷静であれ。親切であれ。
《ルール11》 ビジョンを持て。一歩先を要求せよ。
《ルール12》 恐怖にかられるな。悲観論に耳を傾けるな
《ルール13》 楽観的でありつづければ力が倍増する。
  
 出展: Collin Powell: It worked for me in Life and Leadership. 飛鳥新社 \778