ランダム・ウォーク 161   資源再利用銘柄ポートフォリオ 03


2021 12 06 (Mon) up
 
 
 
 座礁資産 (Stranded Asset)   
 
 原油価格が上がっている。70-80ドル/バーレル。
 かつて「シェール革命」で自給していた米国が、OPEC などに原油の増産を提案する。OPECは拒否する。
 
 シェール石油の損益分離価格は 40 ドルであるといわれる。なぜ、米国はシェール石油の 増産をしないのだろう。
 
 ウォール街では「シェールにやさしくない」そうだ。EGS(環境・社会・企業統治)投資が 盛んになり、投資家にとってシェール産業の長期的な成長性への期待や魅力は薄れつつある。
 原油や天然ガスは投資した資本が回収できない「座礁資産 (Stranded Asset)」になる リスクを恐れており、シェールへの投資が押さえられている。
 
 来年あたりに、石油は過剰生産になるとの予測がある。
 
 
 EV電池の再利用  
 
 
 住友金属鉱山がEV電池に含まれるレアメタル(希少金属)の再利用を始める。コバルトとリチウムで、 鉱石からの抽出と同等の品質、コストを実現する。
 
 中国が高いシェアを持つ品目もあり、経済安全保障の観点でも重要になる。EV電池の安定生産にむけて、 希少資源が国内で循環する流れを確保する。 
 
 
 資源・再利用銘柄・ポートフォリオ
 
 

 銘柄  コード  基準日  A: 基準日
 株価 
B: 本日
 株価
上昇率 
 B/A 
前回比   PER 
 エンビプロ  5698  2021 01 04   700   1900  2.71  -0.86  14 
 大紀アルミ  5702  2021 01 04   780   1440  1.84  -0.23  4 
 松田産業  7456  2021 01 04   1820   2670  1.46   -0.04  7 
 UACJ  5741  2021 01 04   1900   2340  1.23   -0.17  6 
 TRE  9247  2021 10 01*   1520   1710  1.12  0.05  27 
 日経平均    2021 01 04   27300   27800   1.02   -0.06   
 要興業  6566  2021 01 04   910   880  0.96   -0.04  18 
 三菱マテ  5711   2021 01 04  2180   2030  0.93   -0.08  7 
 住友金属鉱山  5713  2021 01 04    5150  4320  0.83  -0.05  6 
 黒谷  3168  2021 01 04   720   600  0.83   -0.08  16 
 アサカ理研  5724  2021 01 04   1700   1140  0.67   -0.25  30 


* 2021 10 01 新規上場 
 
 
 四季報による市場テーマ 
 

 銘柄  コード  市場テーマ・業績予想
 住友金属鉱山  5713  非鉄/銅/リチウムイオン電池/ニッケル/電池材料 (正極材);新設備は2023年に稼働。7千トンの電池粉の処理能力。
 JX 金属  5020  電池に使う硫酸ニッケルを生産中。硫酸コバルトを 2022 年度中に生産開始。ENEOSの100% 子会社。
 三菱マテ  5711  シリコン/セメント/銅/超硬工具/自動車
 EV電池を含むレアメタル回収を実証中。
 黒谷  3168  貴金属/電子部品/リサイクル/レアアース (希土類)
 今期予想経常利益は▲30.3%減益の見込み


 
 
◇◇◇ 
 
 日経平均は一週間で約 1,000円 と続落。新型コロナウイルスの新たな変異株オミクロン株への 警戒感や米金融政策を巡る不透明感から荒れ模様となった。
 
 「希少資源や回収・再利用」という魅力的な、時流に沿った市場テーマに惑わされてはいけない
 
 日経平均が下げると、これらの銘柄も、ほぼ全面安になる。日経平均にたいして6勝5負。
 
 さらに銘柄間で大きなばらつきがみられる。もっと長期で観察すべき。