鈴木俊隆 「禅マインド ビギナーズ・マインド」  35 「執着」は 思考や行動の痕跡  
 

 「Zen Mind, Beginner's Mind」  Shunryu Suzuki   SAMGHA  up 2018 12 16 (Sun)
 
 
 No Trace
 
 When you do something, you should burn yourself completely, like a good bonefire, leaving no trace of yourself.
 
 bonefire = 焚き木。
 
 痕跡をとどめず
 
 なにかをするときには、焚き火が燃え上がるように自分を完全に燃焼しつくし痕跡(トレース)をとどめないようにします。
 

 
これまでの復習。
 
◇  これまでの復習 (01-35)
 
その36 【この世の魔術】 あなたは、個人としてこの世界に生きています。しかし、人間の姿を取るまえに、すでに あなたは、ここにいます。
 ・・・ それが世界の魔術です。私たち自身は、世界に対していかなる魔術もかけることができません。世界が意図角 魔術なのです。もし私たちがなにかを見ようとすれば、それは視界から消えてしまいます。しかし、見ようとしなければ、 それは消えることができないのです。
 ・・・なにか特定のものを見ようとしないこと、なにか特別なものを達成しようと思わないことです。あなたはすでに、 その純粋性のなかにすべてを持っているのです。
 
その37 私たちの通常の心は、とても忙しく、複雑なので、 ひとつのことに集中できないのです。その理由は、行動する 前に考えるからで、その考えが何らかの痕跡をとどめるからです。私たちの行動は、あらかじめ 抱いている考え(先入観)影で 覆われているのです。こうした思考は、私たちの行動に、痕跡や影を落とすだけでなく、ほかの 活動やものごとにも、多くの 考えを与えてしまいます。このような痕跡が、私たちの心を非常に複雑なものにしています 。
 
その38 相対的な心とは、心をそれ自体とそれ以外のものに分ける見方です。そのため心自体に限界をつけてしまうのです。 なにかを 得ようとする考えをもつ小さな心(スモールマインド)から生まれるもので、それ自身の痕跡を残します。 自分の 行動に思考の痕跡をとどめてしまうと、その痕跡に対して執着が生まれます。  
 
93 自分のやっていることを自慢したら、その思いを話しているうちに、その人の人格はますます捻じ曲がっていきます。 これが思考の痕跡をとどめるということです。私たちは自分が行ったことを忘れるべきではありませんが、そこに余計な痕跡は とどめない方がよいのです。私たちが「執着」というのは、思考や行動における、こうした痕跡のことにすぎません。
 
 痕跡をとどめないためには、なにかを行うときに、心と身体の全部で行うこと、つまり自分の今行っていることに 完全に集中すべきです。完全に集中する。さながら、よく燃え上がっている焚き火のようにします。けぶってはいけません。自分を 完全に燃ややし尽くすのです。 完全に燃やし尽くさないと、あなた自身の痕跡が、あなたの行動の中に残ります。完全に 燃えきらないものが残るのです。
 
94 禅とは、常に完全に燃やし尽くして、灰しか残らないことを言います。これが修行の目的です。
 道元禅師はいいました。「灰は、焚き木に帰らない」。灰は灰です。灰は、完全に灰であるべきです。この詩の活動が 起こるとき、ひとつの行動がすべてを包含しています。
 
 
◇◇◇ 
 思考や行動に「痕跡を残さない」と、過去の思考や行動に「執着しない」ということだろうか。
 そのためには、今行っていることに完全に燃やし尽くす。よく燃え上がっている焚き火のように燃やす。けぶっては いけない。自分を完全に燃ややし尽く。
 完全に燃やし尽くさないと、あなた自身の痕跡があなたの行動の中に残る。完全に燃えきらないものが残る。
 
 火曜日の「意志力」で脳の構造、働き、意志力を、現在生理学、現代心理学、現在薬学の観点から学んでいる。この 鈴木さんの教えは、釈迦の教えなのか、道元たちが座禅や瞑想の中で経験的に学んだことなのか。
 
 過去の思考や行動を振り返るとき、「不完全燃焼に執着を感じる」のは実感するなあ。その痕跡が潜在意識だか阿頼耶識だかに 残っているのかもしれないなあ。
 今に生きる、今に集中する。Seize the Time!
 
 
 
 つづく