ランダム・ウォーク 25 取引分析 08 「島津製作所」

2018 10 03 (Wed)
 
 今週は、「島津製作所 7701」。 会社四季報を見る。
 
【市場テーマ】 計測・計器類/研究室設備販売/検査機器・装置/医療機器
【特色】 クロマトグラフ(混合物の化学分離分析)やたんぱく質解析用質量分析計など分析・計測機器が主力。デジタ
 デジタルX線システムなどの医用画像診断機器、液晶TFTアレイ検査装置や太陽電池製造用成膜装置など 産業機器、ヘッドアップディスプレーなどの航空機器も。
 2002年に社員研究者の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞するなど研究開発体制に定評。
【増 額】柱の計測機器は液体クロマトグラフが中国で競争激化も、欧米拡大し伸長。医用機器は好採算のX線装置貢献。 ターボ分子ポンプも半導体需要拡大取り込む。1ドル105円前提の会社計画慎重。連続増配。
【中国深耕】分析計測機器で高価格消耗品の需要増受け、中国の販売統括会社を完全子会社化。中国で競争激化の液体 クロマトグラフは、下期以降に低価格品投入を検討。
【EPS: 一株利益】  62 (2015/12) 81 (2016/12) 90 (2017/12) 101 (2018/12) 113 (2019/12) 116(2020/12)
 
 紅楽さんの取引履歴
 

 

取引番号  01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
買い価格  1888*2  2027  2660  2875  2979  3045  3090  3280*2  3275  3595
売り価格                    


 今現在、 3,470 円。
 
【紅楽さんの基本戦略】 
 長期 buy and hold (買い増し・保有)戦略。一株利益が着実の伸びている会社。
 かつ、基本的には「順張り」。週足・月足が長期右肩上がりの銘柄を選ぶ。 
 なにしろ、ノーベル賞受賞者、田中耕一さんの会社。
 
【取引履歴】 
 典型的な買い持ち戦略。取引番号09の前で下げる。戻したところを買う。
 3,275 で買い増し(取引番号09)。その後の上昇で買い(取引番号10)。
 ちなみに本日は、移動平均(13週、26週、52週)に対して、乖離率はそれぞれ(9、12、22)。またモメンタムは(11、17、39)。
 
【取引戦略】 
 紅楽さんの取引戦略:
 ① 監視銘柄は、「知っている会社」。知らない会社には手をださない。
 ② ファンダメンタルは、「会社四季報」や各種レポートの「EPS(一株利益)の予想」が業界平均以上の銘柄を選択。
 ③ 売買判断は、「トレンド」+「モメンタム」。
 トレンドは、「日足」「週足」「月足」を見る。基本は「月足」。
 モメンタムは、6週、13週、26週。
 ④ 「他業種スワップ戦略」。実は紅楽さん、これだけ買い上げる収入はない。
 そこで業種間のスワップをする。たとえば、モメンタムが弱まっている「ポーラ:4927」や「ユニチャーム 8113」を売って「島津製作所 : 7701」を買う。
 ほんとうは「ポーラ」や「ユニチャーム」も長期持続したいのだが。米中貿易戦争の影響は悩ましい。
 

【紅楽さんの独白】 
 若いことは、期間2-6け月ぐらいのスイング取引をした。上がり始めると乗って、下げ始めると売る。
 結果は、高値で買い、もっと上がると買い、結果は高値つかみ。下げるとそのうち反発するだろうと売りそびれ、結局、底値で売る。
 今は、上昇相場で買いあがり、ボックス相場になると目をつむってすべて売る。下降相場では買い下がらない。
 日本に3、000銘柄がある。(日足)「週足」「月足」が右肩上がりの株しか相手にしない。
 上昇で買いあがり、ボックスになるとすべて売る。下降では「お休み」。休むも相場。
 
 2018 07 18 (Wed) up の「ランダム・ウォーク 15 方式設計(アーキテクチャ・デザイン)」に、
 ⑦ ファンダメンタル・データーベース:監視銘柄のファンダメンタル・データ
 ⑧ テクニカル・データーベース:監視銘柄のテクニカル・データ 
の必要性に触れている。 
 紅楽さんは、⑦は、取引証券会社の推薦銘柄を、⑧のトレンド分析には、取引証券会社のローソク足チャートを使っている。
 また、監視対象銘柄⑦の週足データのモメンタムをJava で計算、ソート(昇順)して、スワップ(乗りかえ)銘柄の候補を得ている。
 
◇◇◇ 
 マルクスだったかレーニンだったか、「真理は常に具体的なり」といった。
 市場観察とともに、具体的取引を分析し、行動経済学の知見を入れつつ、そこからルールを仮説しよう。
 
① 紅楽さんの売買の基本は、トレンドとモメンタム系指標で判断。 トレンド系がメイン。
② 長期のモメンタムが下がると、目をつむって売る。「休むも相場」。
③ ときどき、モメンタムを利用した乗り換え戦術(異業種銘柄間のスワップ)に挑戦。
 長期上昇の複数の銘柄は、勢い(モメンタム)のいい方に乗りかえる。
 
 いろいろな銘柄特性、いろいろな売買戦略がある。自分の性格に合ったものを探すことだろうが、市場は気まぐれ(ランダム)だし、 行動経済学の諸原理(とマーフィー)が意地悪をする。

 
 つづく