ケリー・マクゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」(The Willpower Instinct) 訳 神崎朗子 大和文庫
 


15 はじめに 意志を磨けば、人生が変わる 
 「意志力の科学」 心理学、経済学、神経学、医学
 「自分がどう失敗するか」を知る
 「科学者」として自分を観察する
 三つのチャレンジ 「やる力」のチャレンジ 「やらない力」のチャレンジ 「望む力」のチャレンジ
① 「やる力」のチャレンジ
② 「やらない力」のチャレンジ
③ 「望む力」のチャレンジ
 
29 第一章 ①やる力、②やらない力、③望む力 潜在能力を引き出す三つの力 
 本能に流されずに生きる
 10数万年前 ①食べものを見つける。②繁殖する(いとこはやめておきましょう。一つの病気で部族全体が死に絶えない ようにするために、遺伝子の多様性を強化しておかなければなりません)、③人食いワニとの遭遇を避ける、 ④他人を激怒させないようにすること
 前頭前皮質があなたをコントロールする
  ①やる力:上部左側、②やらない力(上部右側)、③望む力(中央の少し下) 

37 脳は一つでも「自分」は2人いる
 進化はすでに存在するものにつけ加える。かつて役立っていた本能は、人類が進化した今も残っている。
 遠い先祖は脂肪と糖分を求めてやまない。現代人の脳にも、太古からのその本能がいまだに備わっている。
○ 衝動自体はなくならないが、衝動を抑える能力が備わっている。
 私たちの心のなかには2つの自己が存在する。一方の自己が衝動のままの行動しようとする。もう一方の自己が衝動を 抑えて、長期的な目標に従って行動する。
 衝動と本能のシステム(太古からの本能)+自己コントロールシステム(衝動抑制機能)

 しかし、原始的な自己を完全になくそうと考えるのは間違え。脳障害の女性、手術の失敗。 「恐怖」「嫌悪」を感じなくなった。つまり、「自制」にとって重要な本能を失う。 気分が悪くなるまでドカ食いし、父親や兄弟に性的誘いをかけるようになる。
 人間の持つ原始的な恐れや欲望が、健康うあ幸福、自己コントロールにも重要。
 欲望を失えば憂鬱になり、恐怖を感じなくなれば危険から身を守れなくなる。原始的本能に抗(あらが)うのではなく、 むしろ利用する。

43 第一のルール「汝を知れ」
 人は気が散っているときは誘惑にまけやすい。
 選択した瞬間を振り返る。
 失敗した瞬間に気づく。
 脳の灰白質を増強する。

○ 瞑想。注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールスキルが向上する。 
 3時間で注意力と自制心が向上、11時間で集中力が向上。8週間で自己認識を行う灰白質の量が増えた。

○ 呼吸で脳の力を最大限に引き出す。 
 ①動かずにじっと座る 途中でかゆくなってもかかない。意志力の強化。  
 ②呼吸に意識を集中する。「吸って」「吐いて」
 ③呼吸をしているときの感覚をつかみ、気が散り始めたら意識する。
 一日に10分から15分やる。短くてもいいから毎日瞑想する。
 自分をなんども目標に引き戻す。
 
58 第二章 意志の本能 あなたの体はチーズケーキを拒むようにできている
 なぜ「やりたくないこと」をしてしまうのか
 一呼吸おいて考える本能
 意志の強さは「心拍変動」でわかる
 ストレス 交感神経 活発 心拍数 増加 心拍変動 低下
 自制心 副交感神経 活発 心拍数 減少 心拍変動 上昇 
 瞑想で心拍変動が上昇 一日5分
○ 呼吸をおくらせれば自制心を発揮できる 心拍変動 上昇  一分間に4-6回に抑える すこし辛抱つよく練習すれば可能
 すこし辛抱つよく練習すれば可能。毎日20分練習。
 運動 15分*週三回
 睡眠 6時間以上
 
93 第3章 疲れていると抵抗できない 自制心が筋肉と似ている理由
 自制心は筋肉のように鍛えられる
 「大事なこと」をやる時間帯を変える
 腹が減っているときに危険を冒してしまう
 お腹がすいているいるとリスクの高い投資をする。ダイエットした後は”パートナー拡大戦略” (浮気のことを進化心理学が呼ぶとこうなります)に積極的になる。
 「望む力」をつくりだす
 ①このチャレンジに成功したら、あなたにはどんないいことがありかすか?
 ②このチャレンジに成功したら、あなたの外に誰の利益になりますか?
 ③このチャレンジは、たとえ今は大変でも、がんばって続けていくうちにだんだん楽になっていくと想像しましょう。
 
126 第4章 罪のライセンス  よいことをすると悪いことをしたくなる
130 人は何かよいことをすると、いい気分になります。そのせいで、自分の衝動を信用しがちになります。多くの場合、 悪いことをしたってかまわないと思ってしまうのです。
 以前に寄付したことをがある人は、他の人よりも低い金額を寄付するのだそうです。
 自分がよいことを行っていると思っていると、だからその分少しぐらいって思ってしまう作用が人間の心理にはあるのだと。
 自分へのごほうびもそんな感覚ですかね。
 これは、「モラルライセンシング」と呼ばれるそう。
131 妻帯者でありながら秘書と関係をもってしまうテレビ伝道師、自分の金は惜しみながら公費を自宅改装に浸かってしまう公務員、無抵抗の犯人にひどい暴力をふるってしまう警察官も、みな同じことです。
 
147 私たちは、明日は今日と違う選択ができるにちがいないと思いますが、そうはいかないのです。今日はやっぱり 煙草を吸うけど明日からは吸わない、今日はジムをサボるけど明日は絶対行こう、・・・ 
 「あとで取り返せる」と思っていませんか?
○ 人には「明日はもっとできる」と考える習性がある。
 「明日も同じ行動をする」と考える
152 「このチョコバー、たべちゃおうかな?」ではなく「これから一年、毎日毎日、午後になったらチョコバーを 食べることになるけど、それでいいわけ?」と確認する。 
 「やっぱりこれは今日やったほうがいいかな、それともあすでいいかなあ」ではなく、「ずっとこうやって先延ばしに して、あとでつけが回ってきてもいいの?」と自分に問いかけてみましょう。
○ 後光効果が「罪」を「美徳」に見せかける: ライセンシングの罠 
 自分が欲しいものは悪いものに違いないと思いたがる。
 ティーンエイジャーが夢想するブロンドの天使じゃなくて、清らかな天使のほうです。トレーにのった試食用のサンプル を差し出します。女の子のきらきらした後光を浴びて、ミニサイズのホットドッグまでが輝いて見えます。美しいハープの調べ がいまにも聞こえてきそうです。一口なら・・・ 後光効果にはまる。
 人は誘惑に対して「イエス」という理由を無理やりに探す。
 例:メインディッシュにヘルシーなものを選ぶ。いい気分になる。副食に太りやすいデザートを注文する。
 例:チーズバーガーに、グリーンサラダを追加注文すれば、総カロリーが魔法のように減ると勘違いする。
 
164 第5章 脳が大きなウソをつく: 欲求と幸せを勘違いする理由
171 ドーバミンは「幸福感」をもたらさない
 ① 脳は報酬が手に入りそうだと認識すると、ドーバミンという神経伝達物質を放出する。
 ② ドーバミンが脳全体に指令を出して、注意力を集中して、欲しいものを手に入れようとする。
   ドーバミンがいっきに放出されたときに感じるのは幸福感ではなく、むしろ「興奮」にちかいもの。
 ③ 人はこれによって、神経が研ぎ澄まされ、敏感になり、欲望で頭がいっぱいになる。
   快感がえられそうな予感がして、そのためなら何でもしようという気になる。
 実際はドーバミン放出効果によって、好ましさや満足や喜びは得られない。
 脳のドーバミン系を破壊されたラットは、ご褒美ほしさに行動するすることはなくなる。しかし砂糖を与えられると喜ぶ。
 
172 ドーバミンには報酬を期待させるさようがあるが、報酬を得たという実感はもたらさない。
 快感がえられそうなもの―食べ物の匂い、コーヒーの香り、50%オフのセール表示、魅惑的な人の微笑み、儲かりそうな 広告―は報酬システムを作動させる。ドーバミンが大量放出される。なんとしても手に入れよう。注意が向く。
 これは生まれつき備わっているサバイバル本能。木の実に飛びつく、パートナーの誘惑に乗る。人類の滅亡を防ぐ。
○ 進化にとっては人間の幸福感など関係ありませんが、人間を生き延びる努力をさせるため、幸福の予感が利用される。
 つまり幸福の「予感」は人間が
 
 
 
253 逃げ道をなくす  
 ①決められたことを実行するために手をうっておく。事前に手をうつ。電話予約、ジムの費用前払い、弁当持参
 ②望んでいることの逆をやりにくい状況をつくる。近くに、見えるとことに、誘惑するものを置かない。
 ③自分のモチベーションをキープする。
 stickk.com イェール大学の経済学者イアン・エアーズ 決心を貫くのに役立つ
 password stick7777 中止。申し込んでいない。
 screen-name スクリーンネーム◆ディスプレー上のURL・別称・愛称など
255 「あなた2・0」に会う 
 つねに「将来の自分」を過大評価している
 「万能の自分」をもっていませんか? もう少し後でならできると考え、先延ばしする。
 自己コントロールについては、私たちは将来の自分に過大の期待を置かないように注意する必要あある。

266 未来に行って「将来の自分」にあう 
 ①未来の記憶をつくる
 ②将来の自分にメッセージを送る
 FutureMe.org
 「将来の自分は何をしているのだろう」「自分がいまやっていることを将来の自分はどうおもうだろう」
 「将来の自分がいまの自分を振り返る」
 ③将来の自分を想像してみる。
 
 
  第8章 感染した  意志力はうつる 
 
 不健康な生活習慣→他人にうつる
 自己コントロール→他人に移る。 風邪が移る。 移る=病気やモノの勢い・傾向などが他に及ぶ 

 私たち個人の選択は、他人が考えていることや、欲しがっていりもの、やっていること、さらには他人が自分に期待していることなどに、強い影響を受けている。
 社会的な影響が意志力の目標達成に役立つこともある。意志力の問題における失敗が感染する一方で、自己コントロールが感染することもある。

 肥満の感染 

p272 [他人の欲求]が自分の欲求のように感じる。 

 これまで見てきたように、心の中ではたった一人の自己がいるわけではなく、相反する

p276 ミラーニュウロン 
 他人の考えていること、感じていること、行っていることを把握するためにのみ存在する細胞。
 他人のさまざまな行動を理解できる。

p280
 「目標感染」: いつの間にか相手と同じ目標を抱く。
 誰かの目標に感染したせいで、自分の行動が変わる。
 目標感染がおきるのは、自分もある程度経験のあることの場合のみ。
 経験のないことは、なかなか感染しない。
 意志力に関しては、つねに相反する二つの欲求がせめぎ合っている。 そんなときにはバランスがくずれやすい。

P283 意志力の「免疫システム」を強化する

P293
 努力することを「ふつう」にする

 あなたができるようになりたいと思っていることを習慣にしている人に出会うこと。
 あなたが見習いたくなるような新しい「仲間」を見つけましょう。

 支援グループや教室への参加、地元のクラブ活動、あなたの目標に役立つ雑誌の購入。おなじ目標を目指す仲間に囲まれていれば、努力するのが普通に思えてくる。

 「プライド」や「恥」などの社会的効果を利用する
 「非理性的な自己コントロール」
 「プライド」や「恥」・・・感情をつかさどる脳の領域。


第9章 この章は読まないで  「やらない力」の限界

 「これから5分間、シロクマのことは考えないで」・・・皮肉なリバウンド効果

P304 トルストイ

 このジレンマから抜け出すには、あきらめること。
 「考えてもいい」といわれると、考えなくなる。

p320
 「思考」を押さえつけず 「行動」だけを自制する。

 実験  キスチョコを48時間持ち歩く
 グループ01 たべたくなったら我慢しなさい
・ このチョコを食べたくなったら、気を紛らわしなさい。
・ 食べてはいけない決まりだし、食べる必要なんかない。

グループ02 → チョコレートのつまみ食いをしなかった。
・ シロクマ実験の話。
・ 「皮肉なリバウンド効果」のはなし
・ チョコが食べたい気持ちをムリに打ち消そうとしない。
・ チョコが食べたい気持ちを素直に認める、チョコについて思ったことや感じたことをすべて受け入れる。
・ ただし、思った通り、感じた通り振る舞う必要はない。
  思考はコントロールしなくても、行動はコントロールしなければならない。

p322
 要求を受け入れる―ただし、従わないで。 4段階の方法。
① 誘惑や欲求を感じていることに気づく。
② すぐに気を紛らわそうとしたり、否定したりしないで、自分の欲求や気持ちを素直に受け入れる。 シロクマのリバウンド効果を思い出す。
③ 落ち着いて考える。
 思考や感情は自分でコントロールできなくとも、それに対する行動は自分で選択できる。
④ 大事な目標を思い起こす。
 大事な目標を達成するために、自分で決め、自分で守っていることおw思い出す。


「禁止」を「実行」に変えればうまくいく。
 「やらない力」のチャレンジを「やる力」のチャレンジに変える。
 食欲に戦いを挑むのではなく、健康を追求することをミッションにする。

・同じ目的を達成するにしても、何かを「やらない」ようにする以外に、そんな方法があるでしょうか。

 リアリティ番組(リアリティ番組、Reality television)
 素人出演者たちが直面する困難や体験を物語のように楽しめると謳ったテレビ番組のジャンル。視聴者が参加する双方向番組の一種で、1990年代末以降、世界各地のテレビを席巻する人気を博している。多くは「演技や台本ややらせのない出演者の行動をカメラが追う形式のテレビ番組」であるとしている。 90年代末の大ヒット以降、従来型の視聴参加型クイズ番組やバラエティ番組もリアリティ番組を名乗るようになったため、現在は非常に意味が拡散した言葉となっている。先述の視聴者参加型のクイズ番組を始め、トーク番組・恋愛バラエティ番組から、視聴者から選ばれた代表を孤島や旅先に隔離してカメラで監視したり、毎週課題を与え最後の一人になるまで勝ち抜きさせるものまでさまざまな種類のものがある。これらの番組の多くは、固定カメラや隠しカメラ、手持ちカメラなどといったドキュメンタリー番組の撮影手法を用いて出演者に密着し、独特の臨場感を視聴者に与え、撮影対象となる出演者のドラマを「本物らしく」見せる事を売りとしている。 番組の焦点は、参加している素人同士のメロドラマ的人間関係や恋愛・苦闘であり、視聴者はこれを楽しむだけでなく電話投票などで彼らに対し審判を下すこともある。

 ワシントン大学 嗜癖(しへき)行動研究センターの研究科学者 セアラ・ボーウェン

 「衝動というものは、こちらがそれに負けようと負けまいといずれ去ってゆく。
 だから、強い衝動を感じたときには、頭の中で大きな波を思い浮かべる。
 波はうねってものすごい高さになるが、やがて砕け散って消えてしまう。
 波に対して抵抗もせず、かといって呑み込まれることもない」

 P330
 「要求の波」を乗り越える
 どんな誘惑であれ、欲求の波を乗り越えることができれば、誘惑をやりすごすことができる。
 衝動に襲われたら、まず落ち着いて、自分の体がどのように反応しているかに注意しましょう。
 衝動はどんな感覚をもたらすか。熱い感じですか。ひやりとしていますか。体のどこかに緊張を感じる部分がありますか。心拍数、呼吸数、お腹の調子に偏かはありますか。少なくとも一分はそうやってからだの様子を観察しましょう。