先月18日、うちで5ヶ月半暮らしたイリが死んだ。

どんどん患部の状態が酷くなり、歩けなくなり、立てなくなり、食べられなくなり、これ以上、どう悪くなるのか、この状態がいつまで続くのか想像すると恐ろしくなるほど、イリは辛かったろうし、わたしも介護の大変さを痛感していた。

歩けなくなってからは、夜中に起こされて、勘弁してほしいと思いながら散歩に付き合わされたことが懐かしかった。
食べられなくなってからは、お腹が空いたとワンワン大音量で吠え続けたことが懐かしかった。

もっと側にいてあげようと思いながら、思うほどには側にいてあげなかったことを悔やんでも、何にもならない。イリに感謝したいことは、これで本当に最後だから側にいるようにとはっきりサインをくれたことだ。ヨガレッスンの予約をキャンセルして頭を撫で続けた。夜通し起きて撫でてあげようと思ったが、3時間で電気が消えるように命は消えていった。

ここには書きたくないくらい、病状は悲惨だったし、介護にかなりの時間とエネルギーが要求されたので、イリちゃんの魂は体から解放され、わたしも介護から解放されて自由になった。

最後までお世話をすることができたのは、奇跡講座やトーシャ・シルバーの本を毎日の心の拠り所にできたからだ。「イリちゃんのお世話を最後までできるようにわたしを強くしてください。」そう、毎日、祈った。恐れは幻想だと念じながら手当てした。ちゃんと必要なだけ強くなれたし、不安や心配は不必要で、ただ勇気だけが必要だったと確信した。

イリちゃんは回復こそしなかったけれど、わたしたちに悪いことは起きなかった。
イリちゃんはこれほどの思いをしてまで、わたしを強くし、学ばせ、幸せにしてくれた。
イリと出会えて深い深い体験をさせてもらった。
イリ自身が幸せだったかは、どんなに頑張って何をしようとも、わからない。
そんな自分勝手な妄想を膨らませるよりも、ただ心からの感謝がしたい。
わたしに死を恐ろしいものではなく解放であると見せてくれたイリちゃんは偉大な存在だった。
小さい犬の姿に身を変えた神さまだったと思えてならない。