自然界で起こる不思議な現象ほど私たちの心を奪うものはありません。それは、驚きと驚嘆、美と感動、希望と未知なることへの期待を私たちに抱かせます。そんな自然現象のうち、「虹」は太古の昔から私たちに異次元の体験をもたらしてきました。この太古にして最も新しい、虹、を再生させる装置を作り出したアメリカのアーティストがいます。
マイケル・ジョーンズ・マクキーンさんは、この虹の現象にこころを奪われ長年研究を重ねてきました。マクキーンさんは虹を人工的に発生させる装置を作り出し、昨年2012年6月から9月までの間、アメリカ・ネブラスカ州オマハにあるべミス・コンテンポラリーアート・センターの主催により、その人工的に作られる「虹」の展示が毎日行われました。普段、私たちの日常生活の中で虹が発生したりすると、みな口をぽかんと開けてその壮大さにこころを奪われる虹、そんな虹を人工的に発生させ同じ感動を、毎日・定時刻に、体験させるというのですから驚きです。
この芸術作品は、アーティストと様々な地元のエンジニアのコラボレーションのもと完成。2千平米もの屋根に、水を噴射させる9つのノズルを取り付け、水を回収・リサイクルするための排水溝システムを設置。水は雨水を収集して地上に設置された6つの35000リットルタンクに収容されます。そこから強力なポンプを使い屋上で水を噴射。噴射された水に太陽光線があたり虹が発生するというわけです。太陽光線の角度そして時間と天候状況による大気の変容により、その時々に様々な特徴・質のある虹がを作り出されます。作り出された虹は、何キロも先から見えるものもあれば、目の前で触れるようなものも発生するといいます。
どのように、どこで作られようとも、虹はユニバーサルな視覚体験を引き起こします。それは、特徴として短期的、不確定、そしてすばらしく美しい。虹は、現実と異次元、論理的実現性を持ちながら解釈の出来ない美の領域にまたがって存在します。
虹は、希望、憧れ、楽観的、亡霊的であり意味深い、そんな想いで私たちを満たします。この虹の作品は自然の壮大な静寂さを体現した現代的視覚体験。アートと科学、エコロジーとそして自然の神秘を体現させたすばらしい試みでした。
参照:michaeljonesmckean.com、JazJaz
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