特許法第2条第2項
こんにちは。知財経営プロデューサーの新井信昭です。
今日は、特許法第2条第2項について解説します。
【特許法第2条第2項】
この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
知的財産のマネジメントを行うためには、用語の意味を正確に知っておく必要があります。
特許を受けている発明が「特許発明」なのですから、特許を受けていない発明や特許を受けたが切れてしまった発明は、「特許発明」ではありません。
特許発明でないものを「特許発明」というとウソをついていることになります。
これを特許法では「虚偽表示」として扱います(特許法第188条)。
「虚偽表示」に対する罰則は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処される場合さえあります(特許法198条)。
特許権のような強い権利についてウソをつくと、社会的な影響が大きいからそのように処されるのです。
「知らなかった」といっても後の祭りです。
本日もお読みいただき、有難うございました。
特許法第2条第1項(発明の定義)
知財経営プロデューサーの新井信昭です。
今日は、特許法第2条第1項について解説します。
【特許法第2条第1項】
この法律この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
なんだか分かったような分からないような条文ですね。
自然法則は自然界の法則のこと。たとえば、丸太が水に浮くということ(経験則)は誰もが知っています。
これが、「自然法則」の典型例です。
発明は自然法則そのものではなく、それを「利用」したもの。
丸太を何本も束ねれば「筏(いかだ)」ができます。
丸太が水に浮くという自然法則を利用して「筏」を作った。これで「発明」の完成です。
特許をもらうためには「発明」であること、いくつかのハードル(特許要件)をクリアすること、が必要となります。
「高度」かどうかは一概に言えませんので、気にしないでください。
これまでの私のコンサルティング経験によれば、相談者から寄せられるアイデアのほとんどは、特許法上の「発明」に当たります。
知財マネジメントの上で大切なのは、「発明」かどうか迷ったなら弁理士や知財コンサルタントなどの専門家に相談することです。
専門家としたのは、「秘密を守る義務のある人」という意味です。
今日もお読みいただき有難うございました。
【新井モデル】特許法第1条
【新井モデル】知財マネジメント・コンメンタール
知財経営プロデューサーの新井信昭です。
今日は、特許法第1条をテーマとします。
【特許法第1条】
この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする
発明の「保護」は特許権をもらうことです。特許権は、特許出願しなければもらえません。
発明の「利用」は、発明を実際に使う(発明の実施)ことと、出願内容をホームページで見られるようにする(特許出願公開)ことです。
特許出願するということは「発明を教える」ということなのです。
特許出願公開により他人は出願発明を知ることになります。
出願はしたが特許にならなかった場合、特許にはなったが特許発明から回避されてしまった場合は、「保護」されたことになりません。
これでは発明の教え損です。
知財マネジメントの上で大切なのは、特許出願することとしないことのメリットとデメリットをしっかりと見極めることです。
今日もお読みいただき有難うございました。
【新井モデル】知を使う知を身につけよう
【新井モデル】知を使う知を身につけよう
知財経営プロデューサーの新井信昭です。
従来の知財マネジメントは、とにかく特許を取ることでした。そのために日本企業は競って特許出願を行い、その数の多さを競争力の代理変数とみてきました。
しかし、特許出願数が多いからといって、そのことが我が国の産業の国際競争力に必ずしも結びついていないことは、昨今の経済状況に照らせば一目瞭然です。
今、必要とされるのは、我が国の優れた技術を画期的なビジネスモデルや、戦略的な国際標準化を含む、総合的な知的財産マネジメントなのです。
すなわち「知を使う知」の構築が今こそ求められているのです。
そこで、知的財産・知的財産経営について2千数百件のコンサルティングの経験から私なりの条文解釈を試みました。
これが、【新井モデル】知財マネジメント・コンメンタール(仮称)です。
このコンメンタールが、我が国産業の復活の一助となることを願ってやみません。
【新井モデル】知財マネジメント・コンメンタールの構成
知的財産権(法律で権利が与えられる知的財産)について規定する特許法、意匠法、商標法、著作権法などの法律の主要条文について、知財マネジメント的解説を加えています。
ただし、この解説は、あくまでも新井信昭の個人的な見解であって学術的なものではありません。
「条文」と「その解釈」によって構成されています。重要な条文については、複数回に分けて解説します。
【1日1分でわかる知財マネジメントブログ】を毎朝更新しています。
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