およそ40年前、イタリアやフランスで修業して帰国したショフたちが六本木や西麻布で開業したとき、ぬぁんと日本では生ハーブの入手が困難でした。やがて生ハーブが生産されて築地市場経由でレストランに届けられました。その頃は日本産のハーブは香りが足りないとか味が違うとか批判されて日本産ハーブ=二流品と言われたんですよ。その後、生産者の方々の努力や西洋料理の普及によって今ではスーパーでも手軽に高品質の生ハーブを入手できるようになりました。ハーブにはいくつかのカテゴリーがありますが日本ではメディカルハーブ(ヘルスケア領域)よりもクッキングハーブが先行したんです。これからはこの2つの領域がコラボすることでさらにハーブが生活レベルで活用されると思います。例えばローズマリーに含まれるロスマノールなどは強力な抗酸化作用をもちますがハーブティーには溶け出しにくいし精油には含まれていません。だから生のローズマリーを料理で摂るのがよいわけです。高齢者の施設で利用者さんがローズマリーを育てれば園芸療法(療法的園芸)になりますし、それを食材に使えば食事療法になります。長寿で有名なイタリアのアッチャロリ村では魚(オメガ3系脂肪酸)やローズマリーの摂取が多いことがわかっています。医療費が減ってみんなが元気になるんだから早く始めてもらいたいですよね。