ローズマリーの精油の香りが嗅覚神経や海馬周辺の神経細胞によい刺激となり認知症予防への活用に期待が高まっている。一方でヒト試験ではないがローズマリーに含まれるロスマリン酸(非精油成分)はアミロイドβタンパクのオリゴマー形成や繊維形成を抑制し、オリゴマーのシナプス毒性を軽減することが明らかになり、金沢大学神経内科が中心となって国内臨床試験がすでにスタートしている(ロスマリン酸認知症予防プロジェクト)。ローズマリーは食経験があるハーブだから生活レベルでは料理に使ったりローズマリーバターやローズマリークッキーなどで「丸ごと」食べれば良い。クナイプ神父が勧めたローズマリーワインもいいだろう。植物療法や自然療法ではヒトにしろ植物にしろ「丸ごと」が最重要なキーワードだ。例えば認知症予防には脳だけに着目するのではなくこころや体、スピリチュアリティーまで含めた眼差しが必要になる。そしてハーブにはそれらすべてに働きかける力が備わっている。