先日、長野県と富山県の境にある鹿島槍ヶ岳(2889m)に登ってきた
初日、種池山荘、爺ヶ岳を経て宿泊地の冷池山荘まで
とにかくしんどかった
体力落ちてるのかなぁ…
爺ヶ岳南峰からの稜線歩きは、のんびりで良かったけど
北峰下からの小屋までの登り返しが意外と辛かった
小屋に着いてからすぐ本降りになり、雨は翌朝まで続き
「あー、合羽着て出発かぁ」と少々憂鬱になりかけてたところ
出発時間前になってぴたりと止んだ
とは言え、布引岳を過ぎたあたりから霧と風が強くなり
尾根道がおっかないこと
山頂に達するも、下から吹き上げる風と霧で、見晴らしなんて望めない
ま、無事に登れたので、これはこれで
ガイドブックには載らない景色を見られたことをヨシとしよう
それに、霧のおかげで雷鳥の親子にも出会えたしね
ところで、いつも山に行って思うことがあるんだけれども
それは、山道に咲く花たちのことで
自分の番が来たらちゃんと咲いて、ちゃんと枯れるの、健気で泣ける
タイミングによっては
せっかくかわいく咲いたところを誰にも見られないまま終わるかもしれないのに
そもそもイワカガミってそういうひっそり系なんだけど
お花屋さんに並ぶお花だって、そりゃ美しい
育てた人の丹精と努力、その前段階には時間をかけた研究もあるだろうしね
そこにあるだけで癒されるって、やっぱすごい
でもなぁ、ワタシは
「見て見て!ほら!私、咲いてます!こんなにキレイなの!ほらほら!見て!」
なんて思ってもなさそうな、山の花の方に強く心を動かされる
健気で可憐で美しいと思う
SNSでなんでもかんでもポストする人をよく「承認欲求強い」とか言うじゃん
たしかに美しい人もいる
素晴らしい技術や才能を披露する人もいる
どれも自分にはないものだから、それはそれですごいなぁとは思う
なんだけど、
あえて目の前に持ってこられて「見せられる」ものよりは
自分で見いだすもののほうを好ましく思えるんだよなぁ
承認欲求強めの人たちには
ぜひとも山に登り、あまり人の通らない山道にひっそり咲く花の美しさを感じ取ってほしい
誰の目にも留まらないかもしれないところで
それでも自分の役割を誠実に果たす堅実さが生み出す美しさ、に気づいてほしいなぁ