地下鉄の駅ホームだと、ネズミが見つかることがあるので、
線路に目を凝らしていたりするが―――電車の車内となると。
通勤時間は読書時間や(忙しいときは)仕事時間となるのだが、
会社最寄り駅近くでは顔だけ知る程度の同僚と挨拶をしたりする。
昨日、少し遅くなったせいもあり、酔っ払い客が多くなった社内で、
社内で見かけたことがある外国人同僚と座席が隣りになった。
ベトナム系かな?(国籍は聞いていない)ひとまず所属と自己紹介。
ちょうどその時、横に立っていた中年男性が、
「?」
私だけでなく電車の中の人たちが中年男性を見る。
ただ、中年男性は私に向かっていったわけではなく、
酔っぱらって、何か嫌なことを思い出しているようだった。
電車の中の人たちの興味が、あっという間に薄れ、
それぞれのスマホや同席者との会話に戻っていく。
電車の人々は、もう、注意を払わない。
「酒を飲んで、unhappyなことを思い出したらしい。
可愛そうな人アピールをして、誰かに慰めて貰いたがっている」
我社には時々、桁外れに善良な奴がいる。
「……私、通訳するの嫌だ」
こういう時に、ついつい出る本音。
私は、酔っぱらって悪態つくのは、甘えだと思っている。
酔席での無礼を許されようとするのも、甘えだと思っている。
素面で交通事故を起こすより、酔っ払いの事故が重罪なのと同様、
酔って何かしでかしたら、より厳しく取り締まってもらわないと。
酔って本音が出たのなら、本音からダメな奴、悪い奴なんじゃないの?
「嫌なことがあると酔って騒ぐ人がいるけど、声を掛けない方が、
自分で解決するようになるからいいんだよ」
若い外国人同僚の優しさ善良さは失わないで欲しいと思うが、
下手に手を差し伸べて巻き込まれないでよね、とも思う。
日本語学習と同じタイミングで、他人との距離感も学んでくれるといいな。
これだけだとなんなので、楽しい電車の中の話も載せておく。