松たか子、岡田准一、黒木華、小松菜奈、妻夫木聡……他

有名俳優でホラーとは景気良いね、と、思って録画しておいた『来る』。

 

恋人の香奈との結婚式を終え、幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に謎の来訪者が現れ、

取り次いだ後輩に「知紗さんの件で」との伝言を残していく。

知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前で、

来訪者がその名を知っていたことに、秀樹は戦慄を覚える。

そして来訪者が誰かわからぬまま、取り次いだ後輩が謎の死を遂げる。

それから2年、秀樹の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、

不安になった秀樹は知人から強い霊感を持つ真琴を紹介してもらう。

得体の知れぬ強大な力を感じた真琴は、迫り来る謎の存在にカタをつけるため、

国内一の霊媒師で真琴の姉・琴子をはじめ、全国から猛者たちを次々と召集するが……。

(映画comよりあらすじっぽいところの抜粋)

 

 

前半は、KY旦那と育児ノイローゼ妻の組み合わせみたいで、だるっと思って観ていた。

それから、岡田准一が主演のはずなのに、いったいどこにいるんだ、と悩む。

ああ、この、斎藤工にちょっと似た感じ、と思って観ていたこいつか。

岡田准一というと、警察官とか侍とか殺し屋とか、自分を律している役が多くて、

V6で歌っているときまで、サムライ混じってるみたいになってるのに、

この映画のジャーナリストは、いい感じに自堕落な気配を出していた。

演技は安心して観ていられるので、投げ出しはしないのだが、

そういうわけで、前半は耐える映画だった。

 

その中で、唯一の見どころが、松たか子のぶっ飛んだ演技で、

政府にまで重用されている霊媒師という設定だったので、それが似合っていた。

見ているときは、何となく今野敏が描きそうなキャラクターだな、と思ったが、

別の既視感が……

(映画comではじめて「ぼぎわん」であることを知った。

 なるほどね。「ぼぎわん」は漫画化したものをはじめの方だけ読んでいる)

 

ところが~ 途中から流血沙汰がめっちゃ華々しくなって、

スプラッタ感、B級感が山盛りになって、サクサク人が死んで。

いいわ~w 丁寧に作られたB級感。

 

神道も仏教も霊能力者もテレビ局も、JKも、寄ってたかって協力して、悪霊を払う。

松たか子が政府の要人を動かせるからだろうね、いつも忙しそうだし。

水干を着た神主が倒れても、霊能力者が血を吐いても、生き残った者が悪霊払いを続ける。

生き返ったり、寝返ったり、日本のホラー映画としては、いろんな意味で新しい。

道の街路灯が端っこからバンバン破裂していくリーンはハリウッドもののようだし、

複数の組織が人類のために協力するのは、昔のSF映画風な気もする。

おお、松たか子、無敵www

 

終わってみればとても楽しい(?)映画でした。