キング原作の『ドクター・スリープ』。

あの名作、『シャイニング』の続編にあたる。

個人的にはシャイニングの小説は(キング作品の中では)大したことないと

思っているのだが、1980年のキューブリックの映画は

キングの小説の世界観を見事に、象徴的に表現していて感動したものだった。

小説版の切なさ、温かさのトレースと、そして複雑すぎる部分の切り落とし方が

それはそれは秀逸だった……と、思う。(とはいえラストは原作と違うのだが)

 

どんないい監督が作ってもキューブリック以上ということは無いだろうし、

ちゃんと作ってくれるかどうかも不安すぎて、結局、観ていなかった。

でも、今日はWowowだから、多少気に入らなくても「金返せ」ということには

ならないだろう、と思って観てみることにした。

 

スタンリー・キューブリック監督がスティーブン・キングの小説を原作に描いた

傑作ホラー「シャイニング」の40年後を描いた続編。

雪山のホテルでの惨劇を生き残り、成長したダニーを主人公に新たな恐怖を描く。

40年前、狂った父親に殺されかけるという壮絶な体験を生き延びたダニーは、

トラウマを抱え、大人になったいまも人を避けるように孤独に生きていた。

そんな彼の周囲で児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が発生し、

あわせて不思議な力をもった謎の少女アブラが現れる。

事件を目撃してしまったというアブラとともに、ダニーは事件を追うが、

その中で40年前の惨劇が起きたホテルへとたどり着く。

(映画comよりあらすじ)

 

去年の暮れの作品だから、実際に40年たってるんだな。

私がキングファンになったのは1980年代後半で、

だからシャイニングの映画を観たのも、実際には1990年近くだったから、

私的には40年はたっていないのだが。

 

前半はごく普通の超能力物で(悪くはないんだけど)別の映画みたいで、

後半になって、そうそう、これはシャイニングの続編だったんだねえ、と

いう感じになる。

雪に閉ざされたホテルとボイラー室、狭い廊下、三輪車、

ワンピースの双子、やっぱシャイニングの映像は鉄板だねw

 

ダニー、あんた、毒を持って毒を制したのはいいけど

自分もその毒にやられる、ってちょっと考えればわかるだろーに。

頭の中で悪霊を閉じ込めていた箱が開いていくシーンは、象徴的でよかった。

 

 

綺麗にまとめてあるものの、外れではないけど大アタリではない、

だけどもちろん観て損はないという映画だったと思う。

 

大人になったダニーのドクタースリープとしての柔らかさとか善良さを、

もう少し出してくれても良かったかな。 

シーンとしては十分なんだけど、時間が短い。

キューブリック映画がリスペクトされていて、

その割には大味かもしれない。

 

高2の抹茶坊主が、それぞれのシーンを知っているというのが、

元映画がどれだけヒットして、

どれだけ印象的な映像ばかりだったかわかるというものだ。