残暑のきびしさが続く日々
食欲と体力が低下気味の時にも、
元気づけてくれるメニューのひとつが、冷や汁。
氷をそえて、ご飯をいただけるという、
夏ならではの一品なのではないでしょうか。
冷や汁は、なんといっても
いろんな薬味を楽しめるところが魅力
シソ、ワケギ、わさび、山椒・・など。
すばらしい名脇役たちが、ご飯の美味しさを引きたててくれます。
薬味は、スーパーだけでなく、
意外なところでも、調達できるかも知れません。
どこにでも生える雑草シリーズ、
カタバミには、ハート形の葉っぱが3枚
彼らは、陽が陰ってくると、
光合成をお休みして、葉っぱを折りたたみます。
その姿がまるで、
何者かに片葉が「食まれた(はまれた)」かのようなので、
片・食み (カタ・バミ)
との名前がついたのでした。 おもしろいネーミングですね。
このカタバミは、ほんのり酸っぱくて、
暑さでだるくなった体を、シャキッと目覚めさせてくれます。
庭を散歩し、つまみ食いさせていただく時もありますが、
ひとくち食べると、目が覚めますね
可愛らしい黄色いお花にも、ハッと目が覚めます。
料理は
食材を洗ったり、切ったりするところから、
それをする人の波動が、料理の「かくし味」として、
かくれようもなく、あらわれます
野菜の美しい色を愛でながら、
きれいだな、楽しいな、うれしいな・・と、料理をしたのなら
それを食べた人にとっても、最低限、
「よくわからないけれども、とても幸せな何か」として
確実に伝わりますね
現代、「食材」と、「わたしたち」の間には、
たくさんの仲介者が入っています・・・
それは「皆で支え合う」という、社会の素晴らしさもあるけれど、
それぞれが、断片的な役割を分担し合うことで、
全体を感じにくくなってしまうという、盲目さもあります。
摘み草料理の楽しいところは、
土の上を歩き、草々に顔を近づけ、
思いめぐらせているところから、
すでに、料理が始まっている というところです。
美味しさや、栄養は、
食材の持つ栄養分や、料理する人の腕前だけに
かかっているのではありません。
食べる人が、
どのような姿勢で、
どのように受け入れるか?
完全に受け入れる姿勢を整えてこそ、
本当の美味しさと、本当の栄養が受け取れるのです。
茄子に、キュウリに、南瓜に、トマト・・
その実は・・
どんな土に、どんな根を張り、
どんな葉っぱを体験し、
体験から成長して、
どんな花を咲かせたのか
それらすべての集大成である「実」を受け取り、
さらにそれを、料理することが出来るという特権は、
人間に与えられた、この上ない喜びです。
そして
「意識」という宝物を授かった人間は、手に取った食材から
土を感じ、海を感じ、空気を感じることが、出来るのです
今すぐにでも出来る、今日から始められる、
そんな奥行きのある、料理と食べ方
特別な調味料が必要ない
特別な調味料にも出せない
意識の中で繋がり、生まれるエッセンスは、
壮大な隠し味
あれもこれも、食べなくても
たくさんたくさん、食べなくても
疲れた体も、バテた心も、
きっと元気になってゆきます