鴨の流れと賽の目は | がいちのぶろぐ

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今日までも、さすがに台風が影響しているとは思われないけれど、午前中から曇り空になり、夕方には本格的に鬱陶しい鉛色の空になって来た。明日あたり、また雨なんだろうか。

 

そう言えば、昨日、大徳寺の塔頭「大仙院」へ行った帰り道に、バスを降りて鴨川に架かる加茂大橋を渡っていた時、下を流れる鴨川が面白い様相を見せていた。

 

 

(昨日はスッキリと晴れ渡っていたのだが/加茂大橋からの大文字)

 

一昨日の大雨の際には、鴨川の下流の三条大橋や四条大橋の辺りは、日ごろカップルが〝等間隔〟で座っていることで有名(?)な河原が、増水のために水をかぶりそうになっていた。

 

その影響が昨日もまだ残っていて、昨日、我が家の近くの賀茂川と高野川の合流点の「鴨川デルタ」付近では、「亀の飛び石」がすっかり水没していた。

 

 

 

日ごろは平日でも、ピョンピョンと飛び石を渡る親子連れなどが、少しくらいは見受けられたのだが、昨日はまだ飛び石が水没していて、その楽しみは奪われていた。

 

 

(日ごろはこうして飛び石を渡って楽しむ光景が)

 

それ以上に、加茂大橋の下を流れる、合流した直後の二つの河川が、まったく異なる様相を示していたのだ。

 

下流に向かって右側を流れる「賀茂川」からの水は、まだ茶色く濁って流れていた。一方、左側を流れる「高野川」からの水は、もうすでにかなり青緑色を取り戻していた。

 

 

 

さすがに、川底が見えるほどには、まだ透き通ってもいなかったし、水量が普段よりはるかに多かったから、底まで見通せないのも仕方はなかったが。

 

それが流れて行く数百m向こうでは、賀茂川側の水量が高野川を圧倒するために、川全体が茶色くなっている。その辺りで、高野川が敗北宣言を出しているようだった。

 

ただ、両岸の岸近くに生えている植物は、ほとんどがペッタリと寝かされていた。一昨日はきっと、水流に押されて植物群落が水の下になってしまっていたのだろう。

 

 

 

それがやっと水嵩が減って、水面に顔を出したものの、ペッタリと横倒しになったまま、という感じだった。年に何回かの大雨のたびに、こうして植物が水流に敗北してしまう。

 

さすがに一昨日の雨くらいであれば、上流から大量の流木が流れ下って来て、橋桁に引っ掛かって洪水を引き起こす、という悲惨な状態までには至らなかったけれど。

 

数年前の台風では、嵐山の渡月橋で、流木が流れをせき止めてしまったために、周囲へ河川水が溢れ出して、水害の被害を引き起こしてしまった。

 

 

(2018年台風の豪雨での渡月橋付近)

 

(同じ台風の時の鴨川の様子)

 

これが最も怖いケースだけれど、今回はそこまでの雨量でもなかった。それでも、流域面積の差というか、上流部に人里が少ない賀茂川の方が、水量が多く濁りもひどかった。

 

かつては暴れ川だった鴨川は、三条大橋の辺りに、江戸時代に築かれた石積みの堤防が今も残されている。

 

かつて権勢を極めた白河上皇が、〝天下三不如意(我が意にならぬもの)〟として「賽の目、山法師(僧兵)」とともに挙げた「賀茂の水」。

 

今もやはり、大雨があれば洪水の恐れは十分にあるわけで、このところのように環境が激変して降雨強度が上がって来れば、洪水が起こる可能性も高くなっている。

 

まずは何よりも、鴨川から1,2分の距離で暮らす爺イは、「クワバラ、くわばら」と思いながら、天に祈りを捧げるしか方法はないのだろう。