京都市長選挙の日だった | がいちのぶろぐ

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暖かな陽射しに誘われた立春の一日。「春が立つ」という言い回しは実に良い。昨日は、節分の見物に平安神宮へ出掛けて疲れてしまったから、今日はおとなしくしている。

 

 

 

午前中には、京都市長選挙の投票に出掛けていた。投票所となっている区域の小学校には、それなりに人が来ていたが、ほぼほぼ〝シルバー民主主義〟という状態。

 

昨日は平安神宮で、国会議員の前原誠司さんが〝豆まき〟をしておられたが、本来なら昨日は選挙運動の最終日で、どこかで最後のお願いをしていなければならなかった。

 

 

(豆まき中の前原誠司さん/押されてボケた写真に)

 

その前原さんは、国民民主党を割って出られて、滋賀県知事だった嘉田由紀子さんらと、新たに「教育無償化なんちゃら」という政党を立ち上げられた。

 

この政党が、日本維新の会や地域政党・京都党と一緒になって、非自民・非共産の第三極を目指し、村山祥栄さんを推していたのだが、その構図が一気に瓦解してしまった。

 

それというのも、村山さんが有名無実のようなパーティ券を売り捌いていたことが発覚し、支援していた3つの政党が、選挙告示の直前に支援から手を引いたから。

 

村山さんは、それでも立候補は取り止めず、選挙戦には打って出ることにしたが、さすがに告示前の勢いはまったく見られなくなっている。

 

京都市長選挙は政党の組み方が複雑で、自民・公明と立憲民主が推す民主党・鳩山政権時に官房副長官だった松井孝治さんと、共産党が支援する弁護士の福山和人さんが出ている。

 

前原さんが割って出た国民民主の党本部は、松井さんを推しているが、京都府連は前原さんが会長だったこともあり、態度が微妙になっている。

 

さらに前・京都府会議員の二之湯真士さんが、自民党を離党(その後除名された)して立候補している。今回は、ほぼこの4人の新人同士の戦いとなっている。

 

過去には、共産対非共産という構図での市長選挙が行われることが多かった。普通はこうなれば、非共産側が圧勝するのだが、京都市に限ってはこれが接戦になる。

 

つまり共産党支持者が不思議なほど(?)多くて、全国でも珍しいケースになっている。風向きが変われば、共産党だけが支持する市長が誕生してもおかしくない。

 

そんな京都市で、非自民・非共産という「第三極」の結集を目指したのが、今回の前原さんたちの動きだったということになる。

 

だから本来であれば、前原さんは昨日、能天気に〝豆まき〟などしていられないし、目が血走っていなければならない立場だったのである。

 

「第三極」というけれど、京都市内の選挙区には、日本維新の会や京都党の国会議員はいないし、前原さんが言わば一枚看板だったのだから。

 

一方で、立憲民主は党首の泉健太さん、前幹事長の福山哲郎さん、さらに今やベテランの山井和則さんなど、党の幹部がずらっと並んでいる。自民党も国会議員はいる。

 

自民党はえらく簡単に書いてしまっているが、これまでは京都1区から元・衆議院議長の伊吹文明さんが出ておられたが、前回引退されたので、いまは当選1回の方になる。

 

これを見てもわかるのだが、京都は元々から革新系と言われてきた政党から、多くが当選して来たという歴史がある。その中には、当然だが共産党の国会議員も。

 

それというのも、市内に京都大学・同志社大学・立命館大学といった大きな大学をはじめ、合計22大学もあって、日本で一番、大学生比率の高い町でもある。

 

 

(京都大学の時計台)

 

だから、学生が革新系候補の後押しをしてきた、という歴史がある。私の学生時代は、まさに70年安保のど真ん中だったから、革新系どころか新左翼がウヨウヨいた時代だった。

 

もっと歴史を遡れば、私が子どものころは、延々と蜷川府政が継続しており、7期28年も革新系知事を務めていた。元は学者だが、蜷虎さんの愛称で庶民から親しまれていた。

 

こんな歴史を背景に、さらに大学の町という特性もあって、京都市というのは選挙において不思議な様相を呈する町である。だから、共産対非共産という構図もできて来るのだ。

 

 

(同志社大学今出川キャンパス)

 

ということで、昨日、前原誠司さんは能天気に〝豆まき〟に参加していたけれど、私からすれば〝それってどうなの〟という気もしないではなかった。

 

とりあえず、今夜遅くには次の市長が決まる。京都市は財政再建で、この間、あれこれ値上げラッシュだったから、有権者がそれをどう判断したのか、ということになるだろう。