これを「虐待禁止条例」と言われても | がいちのぶろぐ

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埼玉県議会の自民党議員団が、県議会に提出した「子どもを自宅や車内に放置することを禁止する虐待禁止条例」改正案を、取り下げることを決めたというニュースが流れていた。

 

〝放置〟と一概にいっても、炎天下の自動車の中に赤ちゃんを放置したままで、長時間パチンコをしていた結果、赤ちゃんが亡くなったなどと言う話は時おり目にする。

 

しかし今回の「虐待」には、「子どもだけでの登下校や短時間の留守番」も該当する、という説明だったからびっくりしたし、あまりにもあほらしくなってしまった。

 

どれほどの無神経さであれば、こんなことを条例化してまで〝禁止〟しようと考えるのだろう。確かに、放置による虐待という事件も起きてはいるが、それにしてもこれはもう…。

 

〝女性活躍〟と称して、働き手不足の穴埋めに、家庭にいる女性を無理やりにでも駆り出そうという発想もある。その上で、収入限度を越えれば扶養から外すとも言っている。

 

このように、前からも後からも女性を追い詰めるやり方で、私たち庶民の生活をぶっ潰して行く〝政治の在り方〟とは、いったいどういうことなんだろうと思ってしまった。

 

そもそも、県会議員や市会議員などは、ご自分の給与を議会本会議や委員会などの公務単位で、出勤日ごとの日払い計算にしてから、生活に関する何ごとかを論じてもらいたい。

 

ただ、以前に新聞に掲載されていた小規模自治体(町村が主体だが)での、議員の成り手不足という問題もある。定員に満たない状態が起きたり、無投票が長く続いたりしている。

 

こんな場合は、議員給与などが低すぎて、新たな若い立候補者が現れないことも、成り手不足の一因とされていた。しかし、今回は埼玉県という大きな自治体での出来事だ。

 

自民党議員団などという組織まであって、そこで中味を取り決めた上で、県議会の委員会で自民・公明の賛成で可決し、間もなく本会議に上程という段取りだった。

 

しかし、埼玉県内のPTA協議会などが反対の署名集めに乗り出したり、いろいろな方法で反対意見が届けられたりしたそうだ。真っ当な感覚を持った人が、たくさんおられた。

 

今日は、午前中に散歩に出掛けたので、その話を書こうと思っていたのだが、こんなあまりにもバカバカし過ぎる話を目にしてしまったので、そちらの件を書き始めてしまった。

 

幼稚園の送迎バスで、チェック不十分による子どもの置き去り事故があったり、アホな親が自動車の中に置き去りにしたり、乳児を放置したまま出掛けて死亡させた事件もあった。

 

それと今回の、小学校低学年の児童の登下校に、親が付き添わないこととは次元が異なる。さらに、短時間の買い物の際など、小学生の子に留守番をさせることも有り得る話だ。

 

これを〝虐待〟と称して禁止する、というのでは、たまったものではない。さすがに〝罰則規定〟までは設けていなかったようだが、県会議員の生活者としての感覚を疑ってしまう。

 

これでは、なんだか「私、良いことやってます」感覚というか、生活感覚の麻痺というか、政治センスがゼロという思いに囚われてしまった。

 

子どもを放置する親がいること自体は、〝いやなご時世だなぁ〟という気もするが、それにしても、〝目の付け所を、極端に間違っている〟としか言いようがない話だった。

 

取り下げることにした、という当たり前の話がニュースになるのって、どうなんだろう。とりわけ、議案に賛成した公明党の意見を、是非聞かせてもらいたいと思う。