今日は京都市内のある地域の、児童館と学童クラブの先生方向けに、「やさしい日本語」についての解説と、ワークを行っていただいた。
学童クラブは、いわゆる〝鍵っ子〟で、放課後は家に帰っても居場所がない子どもとか、友だちともっと集まっていたい、といった子ども向けに開放されている。
ただし、子どもと言っても小学生がメインではあるけれど、中学生でも良いし、ことによれば高校生も受け入れてもらえる。(もちろん、それぞれに決められた利用料は必要になる)
児童館は、就学前の子どもたちが対象になるが、別途、保育所や幼稚園に行っている子どもの場合でも、その補完的な施設として利用が可能になっている。
つまり幅広い年齢層の子どもたちが、放課後を過ごすための施設であり、そこで子どもたちの指導に当たるとともに、世話係的なポジションでも活動している方々が対象だった。
こうした施設でも、最近は外国とつながりを持つ子どもたちが、施設を利用することが多くなってきている。さらに、その子どもたちの国籍も多様化している。
こうした児童館・学童クラブでは、保育・幼児教育施設のように、保護者と毎日のように連絡帳をやり取りするほどのことはないけれど、「お知らせ」や伝達事項などは生じて来る。
こうした際に、保護者の方に渡す「お知らせ」であったり、子どもたちに渡す伝達事項などの場合も、内容を外国人保護者に理解してもらうことが必要になるケースもある。
そんな時に、どのように伝えればいいか。もっと正確に言えば、どんな伝え方をすれば〝きちんと〟わかってもらえるか、という意思疎通のとり方が大事になる。
しかも外国人保護者と言っても、英語が通じる人の方がむしろ少数派だと思う必要がある。こんな場合に、「やさしい日本語」でコミュニケーションを取ることが必要になって来る。
「やさしい日本語」というけれど、そこに必ずしも正解や決まったルールがあるのではない。あくまで、「伝わる」ように伝える側が努力をする、ということになる。
ということで、今日もワーク形式で、一般的な日本語の〝お知らせ〟の文章を、「やさしい日本語」に書き換えてみる、という作業と取り組んでもらった。
そこは良くしたもので、日ごろから就学前の子どもや小学校低学年の子どもと接している方々だけに、「優しい心」で文章を作り直してみる、という気持ちになってもらえた。
だから実にスムーズに、「やさしい日本語」となるように文章を作ってもらえたし、必要に応じてイラストなどを利用することも理解してもらえた。
そうなのだ。単に文章化するだけでなく、時に応じて視覚としてのイラストや写真なども利用すれば、より一層わかりやすくなる。こんなことはお手のもの、といった感じだった。
ということで、2時間をみっちりと「やさしい日本語」漬けになってもらった。終わるころには、皆さん、しっかりと理解をしていただけたようだった。
やはり、日常的に子どもと接している方にしてみれば、子どもが理解できる話し方、書き方を心掛けておられるわけだから、それは「やさしい言葉」となって表れる。
ここで言う「やさしい」とは、「易しい=シンプルでプレイン」と、「優しい心」の双方の意味が含まれているけれど、これをすんなりと実践していただける。
こんな方々に見守られていれば、放課後を過ごす子どもたちも、きっとハッピーだろうなぁと思った。