貴船の川床で同窓会 | がいちのぶろぐ

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今日の午後は、中学時代の同窓会だった。そもそも、この会の幹事をしてくれていた同級生が2年前に急逝した。その時はコロナ禍でもあり、集まりなどは開けそうもなかったが。

 

それが、今年はようやく集まって飲み食いができる状態になった。だけど、今度は幹事役の友人が鬼籍に入ってしまっている。

 

そんな時に、同級生の仲良しメンバーの女性たちが、幹事役を買って出てくれて、今日の開催となった。しかも場所は、京都の奥座敷「貴船」にある料亭「ひろや」。

 

 

 

実は、今から60数年前、今日集まった私たちの学年が、遠足に出掛けた京都・北山の山間で、道に迷って〝プチ遭難〟したことがあった。

 

日が暮れたころに、お腹を空かせ、疲れ切った一行が、ようやくたどり着いたのが貴船の「ひろや」の前だった。その時、このお店で急きょ人数分のおにぎりを作ってくださった。

 

 

 

学年150人ほどの生徒と、引率の先生の人数分と言えば、急な話にしては大変な作業である。それを作っていただけたという思い出を、私たちの学年は共有している。

 

それで幹事役を買って出た女性陣が、ならばここは「ひろや」で同期会をやろうではないか。それなら貴船らしく「川床」の季節でないと、ということで今日が設定された。

 

困ったことに、昨日までと明日からはお天気が安定しているけれど、選りによって今日だけは、午後から雨模様という予報。

 

とにかく、私も叡電で「貴船口」駅に向かう。我が家から叡電の始発駅の「出町柳」駅までは、徒歩5分余りという至近距離。

 

 

(朝、出掛ける時には晴れていたのだが)

 

今日の参加者の中でも、かなり近くに住んでいる方だろう。あと一人、二人は、叡電の沿線に住んでいる人がいたかも。

 

そんなことで、予定より1時間ばかり早く、11時半には「貴船口」駅に着くように家を出た。「貴船口」駅から、貴船の料理屋街と貴船神社までは、2km余り離れている。

 

 

 

なので、「ひろや」から迎えの小型バスを出してもらえる。このバスに乗って、12時前にはお店の前というか、貴船神社の参道まで到着。

 

宴会の開始は1時ということなので、すでに「ひろや」に着いていた連中も合わせて、貴船神社までまずはお参りに行く。

 

 

 

行くと言っても、ほんの50mほどのところに参道がある。そこから階段を上れば、もう本殿に到着という次第。さすがに日曜日だから、貴船神社もなかなかの混み具合。

 

 

 

お参りするまで、10分近く行列待ちをすることに。お参りを済ませて、ぞろぞろと「ひろや」に戻ったが、それでも開宴まで30分近く時間待ち。

 

(貴船神社は水の神様。なので「水みくじ」が付き物)

 

同窓会というには、会費がいささかお値段が張ったけれど、とにかく支払いを済ませて名札を受け取り(もうお互いにわからなくなっているから)、「川床」に着席した。

 

 

 

川の流れる音で、ほぼ聞き取れなかった幹事の挨拶も終わり、カンパーイということになり、八寸を食べながら歓談を始めたところへ、サーっという感じで雨粒が落ちだした。

 

 

 

お店のお姉さんのご指示で、各自が自分のグラスと、まだ途中なら八寸の器だけを持って、50名近くの集団が、お姉さんに導かれて大広間へ案内された。

 

大広間に落ち着いて、あらためて幹事から、この60年の間に没したことが分かっている同級生と先生方の名前が読み上げられて、しばし黙祷。

 

 

(唯お一人になられた先生から挨拶を)

 

考えれば、先生は今日来られていたお一人だけが残っておられる。しかも御年90歳。そりゃそうだよなぁ、今日の会は「喜寿を祝う同窓会」なんだもの。

 

 

 

後はわいわいがやがやと歓談したり、一人ずつ短い近況報告をしたりして、3時半にはお開きとなった。帰路は叡電「貴船口」駅まで送ってもらい、電車に揺られて帰った。

 

「出町柳」駅と「貴船口」駅の間は30分弱なんだけど、「貴船口」駅の近くの線路の傾きは、登山電車かと言いたくなるほど。駅前には「クマ出没注意」の看板も出ていた。

 

 

(オイ、オイ、勘弁してよ)

 

私は、病気の後、お酒はドクターストップがかかっているので、今日もウーロン茶だけという状態だった。「出町柳」駅で解散後は、夕方から二次会を設定しているという。

 

つまり、これを書いている時点では、希望者は(ほぼ半数ほどらしいが)まだ、二次会の真っ最中ということになる。私も昔は絶対に二次会参加メンバーだったが。

 

そんな一日になった。オモシロいことに、帰りに「ひろや」を出た時には、雨はすっかりどこかに行ってしまっていた。無理すれば、最後まで「川床」で頑張れたかも。

 

 

(手土産にいただいたお店の京団扇)

 

それにしても、床のすぐ下を川が流れるから、「川床」の席はエアコンなど無しでも、ひんやりとして気持ち良かった。逆に広間に移ってからは、エアコンが効きすぎて寒いほど。

 

家に帰って最初に出た言葉は、「下界は暑い」だった。やはり貴船は、同じ京都市内、同じ左京区内と言っても、全くの別天地だった。