一日早い節分のお参りに | がいちのぶろぐ

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明日は節分だが、私は午前と午後に予定が詰まっているので、1日早く今日、節分のお参りに出掛けていた。それもせっかくだから、ちょっと変わった先へお参りに。

 

 

 

千本通り寺之内の交差点を少し北へ行ったところに「千本えんま堂 引接寺」がある。殺風景な境内の奥にある本堂には、身の丈8尺というご本尊の「閻魔大王」が鎮座している。

 

 

 

 

ここは、京の都の葬送の地「蓮台野」へと続く場所にあるお寺だから。お寺の前にある駒札にも、「開基は小野篁で、(中略)昼は宮中に、夜は閻魔之庁に仕えた」と書かれている。

 

 

 

そもそも平安京のメインストリートだった「朱雀大路」は、この千本通りに当たっていた。しかし今出川通のあたりまでが都の中で、そこから北は「洛外」に当たる。

 

 

 

この場所は、死者を送る卒塔婆が立ち並ぶ様子から、駒札にあるように「千本卒塔婆」に由来して千本通り。この世とあの世の境界の場所にあるので、「えんま堂」ということになる。

 

 

 

まずはここへお参りに。お線香をあげてお参りをし、「えんま様」の形のお神籤を引いて、出た結果が「吉」。良いのだか、いまいちなんだか、やや中途半端な結果だった。

 

 

 

ここの境内には「茶筅塚」があり、その縁なのか本堂には表千家と裏千家のお提灯も。また、駒札にあるように「圓阿上人が紫式部供養のために」建てた十層の多重石塔もある。

 

 

 

 

 

その横には紫式部の可愛い銅像や、「普賢象桜」にちなむ普賢菩薩の可愛い銅像もある。また本堂の前には、こちらも可愛い普賢菩薩風の石像も。

 

 

 

 

 

ということで、殺風景な境内のわりには、その奥になかなか面白いものが潜んでいたりもする。しかもここの「えんま堂大狂言」は、壬生寺などと並ぶ京の三大念仏狂言の一つ。

 

 

 

月に本公演があるが、節分の明日の夜も公演が行われる。他の壬生大念仏狂言と嵯峨大念仏狂言はいずれも無言劇だが、ここの念仏狂言だけはせりふの入る有言劇になっている。

 

千本えんま堂・引接寺を出てから、少し南に下がったところにある「釘抜地蔵 石像寺」にもお参りに。こちらは、「苦抜地蔵」がなまって「釘抜地蔵」になったということだ。

 

 

 

こちらも、今日は日ごろとは異なって狭い境内に人出が多く、小さな本堂の周りには人が集まっていた。本堂の壁には、「釘抜きと釘」を並べた絵馬がずらっと並んでいる。

 

 

 

 

今年の節分は、この千本通りにある2つのお寺にお参りをした。有名どころの吉田神社や壬生寺、〝懸想文売り〟で知られる須賀神社などは、今日、明日とも大変な人出だろう。

 

だけど町中にあって、ホントに近隣の人たちのお参り先といった風情を残す、この「千本えんま堂 引接寺」と「釘抜地蔵 石像寺」なんかは、お参りをしていても何だか楽しい。

 

 

 

帰路には、我が家近くのバス停を通り越して、繁華街の四条河原町まで出て、高島屋のデパ地下で恵方巻などを買い求めて帰ったが、その前に近くの永楽屋さんにも立ち寄りを。

 

 

 

永楽屋さんは干菓子などを扱う和菓子店で、店内も可愛いお菓子が溢れているが、今日はショーウィンドウで見かけた「節分の豆」を買い求めに店内へ。

 

 

 

鬼のミニ面が着いた豆を買い求めた。今さら我が家で、「鬼は~外」でもないだろうが、やはり「福は内」であった方が良いに決まっているので。

 

今日は、そんな1日早い「節分」のお参りの日になった。