秋のお彼岸の最終日だから | がいちのぶろぐ

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秋のお彼岸も今日が最終日。私自身に予定が入っていたり、雨模様という予報だったりで、墓参りが結局、今日までずれ込んでしまった。

 

昨日までは3連休だったから、あえて混み合う日に墓参りに行くこともない、などと言いながら、昨日はなぜか建仁寺へ見物に出掛けていたという、このひどい自己矛盾。

 

 

(昨日は建仁寺へ私が観光に)

 

私という人間が、いかにいい加減な人間か、この一事を持ってわかろうというものだ。ホントに情けない、親に合わせる顔もない。いや、だから今日、会いに行ったんだけど。

 

我が家の墓があるお寺は、東山の中腹に位置する浄土宗の総本山・知恩院の御影堂から、さらに長い石段を上がった先にある。年末によくテレビ中継される、大鐘楼の山側になる。

 

 

 

実は、大鐘楼のすぐ横まで自動車が上がれる道があるので、お盆と秋のお彼岸の墓参りには、必ずタクシーにここまで上がってもらう。上り坂は大変だし、大汗をかいてしまうから。

 

そんなわけで、今日もそこまでタクシーに乗って行き、鐘楼の脇を通ってお寺に入る。お参りそのものは、あまりにもあっけないというか、ホントに一瞬で終わってしまう。

 

 

 

親に墓の中から、〝これでは、あまりにもいい加減だ〟と怒られそうだが、〝来ただけ、ましではないか〟などと思ってしまう私は、なんとも親不孝者である。

 

そんなわけで、さっさと墓参りを済ませて歩いて山を下る。ところで、我が家のお寺のお隣さんは、安養寺というお寺。このお寺は、「吉水草庵」といった方が良いのかも知れない。

 

 

 

時代は平安末期のころ。それこそ源平の合戦など、戦乱が打ち続く「末法の世」になって、人々は先行きが見えない不安な毎日を送っていた。

 

その時に、法然上人が「比叡山」を降りて、この「吉水草庵」の地で説法をされた。「南無阿弥陀仏」と唱えれば誰もが救われるという、専修念仏による他力本願の話をされた。

 

 

 

こうして、東山の中腹の地で毎日説法をされていることが都で評判になり、当時の感覚では、〝都を出て〟鴨川を渡り、東山の中腹まで説法を聞くために多くの人が上って来る。

 

その場所が、この安養寺だったというには、〝安養寺そのもの〟は境内もとても狭い。急な石段を上った先に本堂が建っているだけで、人が集まれるような広場などはない。

 

 

 

私がいつもタクシーを降りる場所は、安養寺に上るこの石段の下になる。そこは多少の広場になっているし、さらにもう一段下は知恩院の巨大な御影堂が建っている広場だ。

 

 

(大鐘楼の脇から知恩院の諸堂を見下ろす)

 

だから、もし百人あまりの人が集まって説法を聞くのなら、この石段の下の広場で十分だろうし、さらに大勢の人が集まれば、知恩院の御影堂の辺りなら可能だっただろう。

 

もちろんその頃は、現在の知恩院もなければ、御影堂も建っているわけではない。だから、今のように大きな広場だったとは思えないが、それなりには平坦地だったと思う。

 

だからこの安養寺は、おそらく法然上人やそのお弟子たちの住房だったかもしれない。それも、1カ所だけとは限らないだろう。当時は、幾棟かの建物があったかもしれない。

 

 

 

いずれにしても、この安養寺を中心とした周辺一帯が、法然上人たちのグループの〝活動の場〟だったと思う。ここには、後に親鸞上人も足を運ぶようになっている。

 

そんな場所のお隣に、我が家の墓があるお寺もある。だから当然、宗派的には知恩院系列ということになる。というようなことだけれど、私はいずれにしても不信心な人間だ。

 

今日も墓参りを終えてから、ほんのちょっとした気まぐれで、安養寺の石段を上って行った。こちらの本堂にも、簡単に手を合わせた。振り返れば、京都の町が見下ろせる。

 

 

 

そこから坂道を下って円山公園を通り抜け、八坂神社に入って行った。3年前は、それこそ毎日が、〝今日は祭りの縁日の人出か!〟と突っ込みたくなるほどの人出だった。

 

だがこの2年間は、ガラガラだった。だけど今日は、修学旅行の中学生や、観光客に地元の人間など、海外からの観光客こそ見当たらないけれど、それなりに人出が増えていた。

 

 

(ややわかり難いけれど、今日は鈴ごとにそれなりの行列が)

 

月のお盆のころよりも、明らかに人出が多くなっていた。連休明けの今日でこれだから、昨日までの3連休はきっとけっこうな人出だったと思われる。

 

 

(8月のお盆の墓参りの日はこのくらいの人出で、行列はなかった)

 

今日の新聞には、斎藤国土交通大臣が「国内旅行割引」の実施を予定している、と発表したという記事が掲載されていた。観光産業を中心に、人に動いてもらおうという話だ。

 

これからは、徐々にではあっても、かつての日常の暮らしへ戻って行ってほしいものだ。