毘沙門堂の紅葉はそろそろ見頃になった | がいちのぶろぐ

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今日は午前中に、山科区にある「毘沙門堂」まで〝紅葉狩り〟に出掛けた。よし、使えた〝紅葉狩り〟という単語。先日インタビューをした留学生に、この単語を使われてびっくりしたから。

 

 

 

ということで、山科と言えばJR「山科」駅と市営地下鉄東西線「山科」駅、それに京阪電鉄京津線「山科」駅が立ち並んでいる。我が家からであれば地下鉄になる。

 

JR「山科」駅の前からスタートして、細い道をしばらく東へ歩き、三叉路を北に向かったら、後は毘沙門堂まで一本道。毘沙門堂へ向かうらしき人も、この道をそれなりに歩いておられた。

 

山科駅前からおよそ1kmの、だらだらとした上り坂が行き着いた先が「毘沙門堂」。正式なお寺的な呼び名だと「出雲寺」というそうだが、こちらはあまり知られていない。

 

 

 

 

比叡山延暦寺を創建した最澄が開いた天台宗でも、大原の三千院などと並んで格式を誇る〝五箇室門跡〟の一つ。後西天皇の皇子・公弁法親王が入寺されて以来、門跡寺院となった。

 

途中のだらだらとした上り坂は、最後の最後に来てやはり急な石段が待っていた。ここを上がり切れば仁王門というところで、最後の〝ヒー、ハー〟になるという具合だった。

 

 

 

仁王門では、阿形と吽形の仁王像が出迎えていてくれた。境内には、毘沙門天を祀る毘沙門堂もあるが今日のメインはやはり紅葉。境内のあちこちが、徐々に朱く染まり始めていた。

 

 

 

 

 

 

また宸殿の前には枝垂れ桜の立派な古木もあるが、こちらは現在葉を落として休業中。逆に、宸殿の前の勅使門から下を見下ろすと、〝色づいたもみじ〟と〝青もみじ〟が入り混じって美しい。

 

 

 

 

その隣にある医薬門から、仁王門の前の石段とは異なって緩やかな石段を下る。この勅使門や医薬門の前の石段に、びっしりと紅葉が散り敷くさまが、いろいろなPR写真に使われる。

 

 

 

今はまだ〝散紅葉〟にはなっていない。これから色付いて散り敷いてゆくのだから、あと半月ほどは先になるだろう。それでも、上から見下しても下から見上げても、石段にかぶさる紅葉は美しい。

 

 

 

医薬門を下り切った辺りにある、もみじの古木はいずれも立派だった。この周辺の光景を写真に撮ろうということで、平日の午前中とはいえ、やはりけっこうの人出になっていた。

 

 

 

毘沙門堂からの帰路、来るときに上って来た〝だらだら坂〟を下って、琵琶湖疎水にかかる橋まで来た。ここからは、疎水の流れに沿った遊歩道のような道を西へ向かう。

 

 

 

 

しばらく行くと、上を琵琶湖疎水が東から西へ流れ、下を自然の川が北から南へ流れてクロスするという場所と出会う。これもなかなか見られない光景だろう。

 

 

 

 その先には洛東高校がある。私の旧友も、半世紀以上前に何人もこの高校に通っていた。私が卒業した清水小学校の校区は、公立高校であればここへ通うルールだった。

 

 

 

私たちの時代、京都府の公立高校は厳密な小学区制を採っていた。ただ私は中学生の終わり近くに、偶然に現在の住居に引っ越したから、この洛東高校に通うことにはならなかった。

 

洛東高校のすぐ西隣には、「安祥寺」という古刹がある。かつては毘沙門堂のある辺りまで、この安祥寺の寺域だったらしい。それが一時期、安祥寺が荒廃していたということだ。

 

 

 

 

現在、ぴったりと金網で塞いで拝観できないけれど、先日の京都新聞では、できれば拝観できるように整備したいという記事になっていた。やはり、そこは歴史のあるお寺だから。

 

 

 

(安祥寺の前で偶然に出会った疎水を行く観光船)

 

今度は安祥寺の前から琵琶湖疎水の流れを離れて、南に向かってだらだらとした下り坂を下る。JR東海道線の線路の下をくぐって三叉路に出会う。これが〝三条通〟とも称される「旧東海道」。

 

 

 

かつて東海道を京の都を目指して来た旅人は、この道を通って最後の日ノ岡峠を越えると、いよいよ京の町に入ることになった。もう三条大橋は目と鼻の先、という気分だっただろう。

 

 

 

もし今、このJR「山科」駅前から、東海道を歩いて三条大橋を目指せと言われたら、私は即刻お断りする。地下鉄なら10分ほどの距離だが、歩けばやはり半日の距離だ。

 

ということで、今日はかなり暖かくて、しかもそれほど混み合うということもなく、毘沙門堂まで〝紅葉狩り〟に出掛けられた。とは言え、これでも歩数にすれば1万歩近い散歩になった。