今日はシルバー民主主義を実感できた | がいちのぶろぐ

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10月31日がやってきた。あと数時間で総選挙の投票が締め切られる。それから開票が始められると、数時間が経てば否応なく勝敗の帰趨が決まってしまう。

 

自分に都合が悪くなると甲高い声で叫びながら、とにかく嘘をつき通してその場をしのぎ、保身を図ってきた元・総理が、今回はキングメーカーなどという得体のしれない怪物となったようだ。

 

今度の選挙戦では、各地に応援演説に出掛ければ、大勢の聴衆が集まり人気も絶頂だったようだ。昨夜のテレビニュースでは、この元・総理の演説を聞いて涙を流している人までいた。

 

私は画面に映し出されたその光景を見て、背筋がゾッとしたというか寒気を覚えた。気持ちが悪いという状態を通り越して、この国の一部の人の姿には暗澹たるものを感じてしまった。

 

今日は朝から雨模様だったが、午前10時前になってサーッと陽光が射してきた。今がチャンスとばかり、投票所になっている区域の小学校へ自転車で走って行った。

 

 

(今回は感染防止対策としてこの鉛筆/立会人に言ってもらってきた)

 

我が家は、小学校の学区域の中で最も遠い位置にある。というか、むしろ隣りの小学校の方が近い。防災という面では、万が一にも避難所へ行くなら、お隣りの小学校のご厄介になる。

 

そんな場所だから、自転車の出番となる。ということで投票所に着いたら、ここがまた〝シルバー民主主義〟の真っ最中だった。投票所の周辺に立ってさえいれば、とにかく私が若く見える。

 

むしろ、投票所に行くまでにすれ違った何人かの若い人たちは、どう見ても投票帰りという雰囲気ではなく、荷物を持ってバス停の方向に急いでいる感じがした。

 

もちろん私の先入観かも知れない。投票帰りだったり、すでに期日前投票を済ませたりしているかも知れない。でも投票所の雰囲気を見る限り、〝シルバー民主主義〟は健在だった。

 

確定投票率が出ればわかることだけれど、今回もまた、10~20代の投票率が30%そこそこで、70代以上の投票率は70%超えなどになるかもしれない。

 

私の世代は、今では〝戦後民主主義〟と呼ばれるような教育の中で育ってきた。その教育の中で、庶民の誰もが投票できる〝選挙権〟を獲得するまでの、戦いの歴史も教えられてきた。

 

だから〝選挙には行くものだ〟という、教訓というか思想が身体の中に染み着いていると思う。一方、今の若い世代は〝面倒くさい〟とか、〝誰がなっても変わらないから〟と棄権するという。

 

若い世代は〝政治嫌い〟なのではなくて、選挙を通じた間接民主主義・代議制度という政治システムのあり方を、学生の時代にきっとまともには教えられていないと思う。

 

そのことの方が、よほど不幸な状態だと思う。それもこれも、戦後民主主義という思想とともに、日教組を中心とした教育が許せないと考えた人たちが、教育現場を作り変えてきた結果だろう。

 

だから政治には興味を持たず、お家の仕事感覚むきだしの〝世襲政治家〟が跋扈しても、何も感じないように〝躾け〟をしてきた結果、現状のような若い世代の投票率なのだと思う。

 

〝だから何?〟と問われたら、私はそれに答える何ものも持っていない。ただ、あの元・総理がキングメーカーとして君臨する世界を、私は見たいと思わない。それだけだ。

 

それも今夜には結論が出る。そしてきっと、私のような〝ひねくれ者〟の高齢者は、今度も、これからも、世間の爪弾き者ということになって行くのだろう。

 

早晩、この国の形は76年余り前の姿に戻って行くことだろう。男系男子だけが天皇を継げるし、LGBTなどはこの国に無かったものだし、夫婦となれば亭主の姓を名乗るものだ。

 

こうして、まるで江戸時代末期の〝尊王攘夷〟さながらの世界が再現された時、人々はやっと安堵し、これこそが〝この国の形〟と納得しつつ、お代官様の悪政にもじっと耐えて行くのだろう。