伝統工芸の展示・実演にお花見まで | がいちのぶろぐ

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今日は午前中に、「京都伝統産業ミュージアム」へ出掛けていた。平安神宮がある岡崎公園の一角に、「京都市勧業館みやこメッセ」という展示施設がある。その地下に、このミュージアムがある。

 

 

 

「みやこメッセ」と二条通を挟んだお向かいは「ロームシアター京都」。これらの施設の西側を「琵琶湖疏水」が流れている。その両岸は桜並木になっていて、この時期は遊覧船も行き交う。

 

 

(琵琶湖疏水とロームシアター)

 

 

という場所にある「京都伝統産業ミュージアム」では、現在、「職人たちのマーチ(MARCH of CRAFTSMEN)」という展示・実演が、4月11日まで開催されている。

 

 

 

また同じフロアーの「MOCADギャラリー」というコーナーでは、第3回「京仏ソムリエ」プロデュース仏壇・仏具作品展というイベントも、30日まで開催されている。

 

 

 

さらに「京都伝統産業ミュージアム」自体も、通常の展示が行われているので、本当にじっくりとこれらすべてを観賞しようと思えば、1時間ではまったく足りないだろうと思う。

 

私は、通常展示は何度も足を運んでいるので、「職人たちのマーチ」と「京仏ソムリエ」という2つの特別展示会だけを見ようと思っていた。

 

こうしたデザインを主体とした展示会なので、もちろん内部の細かい部分や作品などの写真撮影は、控えるのが礼儀だと思うし、今日も内部は遠望のような写真だけに留めた。

 

ところで、最初に見た「京仏ソムリエ」の展示は、京都府仏具協同組合の新作発表会と、京都芸術大学とのコラボによる、大学生たちが制作した作品の展示になっていた。

 

 

 

そこでは、漆塗りの小さな仏壇が何点か展示されていた。その一つに、キリスト教系の礼拝堂を思わせるようなフォルムの漆塗りの、高さ・幅が各40cm程度の仏壇があった。

 

私はこの作品のフォルムの斬新さが、小さいながらも、仏教という一つの宗教の枠を超えた「祈りの空間」という感じがして、とても好もしく思えた。

 

また、仏具から〝癒し〟という方向へ派生して行くと、つい〝癒し=お香〟となるのだろうか、大学生の作品に〝お香立て〟が何点か見受けられたのが、やや残念な気がした。

 

これだと余りにもありきたりの発想になってしまうから、大学生らしくそこから一歩突き抜けて、仏具というくくりの中であえて冒険をする発想を持ってほしいと思った。

 

そんな中で、〝お鈴(おりん)〟という仏壇の前に置かれて、チーンと鳴る鐘を用いて、これを逆さに吊るして照明器具のようにしている作品もあった。これもやはり〝違う〟と思う。

 

 

次に、「職人たちのマーチ」の方へ足を向けた。こちらは、かなり広いスペースを使っていて、伝統工芸に携わる若い作家・職人たちの実演の場が、数多く設定されていた。

 

 

 

日替わりで23人の作家や職人が会場に来て、このブースで実演をしているらしい。今日は人形の「髪結い」を担当する「髪付師」の木股博人さんと、「七宝職人」の室井麻衣子さんが実演をしていた。

 

 

 

なかなか面白い企画なのだが、平日の午前中とあって、この展示・実演スペースにいたお客は、私を含めて2人だけ。また、木股さんが撮影とインタビューを受けておられた。

 

 

平日だからしかたがないのかもしれないけれど、こんな風に、職人さんなどの真ん前に立って伝統工芸の仕事ぶりを見学する体験は滅多にない。何とももったいないことだと思う。

 

 

 

それでも、なんだかんだで小1時間が経っていた。体調とも相談の上で出掛けて来ているので、そろそろ引き上げることにした。

 

 

 

帰り道に通りかかった、東山二条交差点の角っこにある日蓮宗本山の「妙傳寺」では、お寺が経営する駐車場の横にある〝枝垂れ桜〟が満開になっていた。

 

 

 

 

また交差点に向かって立つ、日蓮上人の銅像の前の桜も美しく花咲いていた。とりあえず、今年の1回目のお花見もできたことになった。