朝からふと思い立てって、先日発表になった「新語・流行語大賞」にノミネートされた言葉を見返していたのだが、なんといってもコロナ禍に関わる言葉が多くを占めていた。
今年は、もうこの話題に尽きるだろう。それ以外には、何を言ってみても始まらないような1年だった。ちなみに、今年ノミネートされている言葉は以下の通りだった。
<新語・流行語大賞 第37回2020年ノミネート語>
No.01愛の不時着/第4次韓流ブーム No.02新しい生活様式/ニューノーマル
No.03あつ森 No.04アベノマスク No.05アマビエ
No.06ウーバーイーツ No.07AI超え No.08エッセンシャルワーカー
No.09おうち時間/ステイホーム No.10オンライン◯◯ No.11顔芸/恩返し
No.12カゴパク No.13鬼滅の刃 No.14クラスター
No.15香水 No.16GoToキャンペーン No.17三密(三つの密)
No.18自粛警察 No.19Zoom映え No.20総合的、俯瞰的
No.21ソーシャルディスタンス No.22ソロキャンプ
No.23テレワーク/ワーケーション No.24時を戻そう(ぺこぱ)
No.25NiziU(ニジュー) No.26濃厚接触者
No.27BLM(Black Lives Matter)運動 No.28PCR検査
No.29フワちゃん No.30まぁねぇ~(ぼる塾)
芸能関係や社会関連でノミネートされた言葉もないではないが、そのどれもがコロナ関連の言葉群に比べると随分インパクトが弱い。
その中では唯一、No.13の「鬼滅の刃」という作品の大ヒットが、コロナ関連の言葉と肩を並べることができたのではないだろうか。
No.06の「ウーバーイーツ」だって、コロナ禍がなければこれほどヒットしたかどうか。そう考えれば、言葉はノミネートされていないけれど、「新型コロナウィルス」という言葉が今年の大賞でも良いくらいのものだ。
ただ、この言葉がノミネートされなかったのもわかるような気がする。この言葉をノミネートしてしまえば、もう他のどんな言葉を持ってきても勝てっこないのだから。
それでは、今年の〝世相〟をうまく伝えられない。ここから派生して世間で通るようになった新語・流行語でなければ、今年という〝世相〟を表現していないということだと思う。
それとともに、世相そのものが暗い状況であればあるほど、私たちに明るいイメージを与えてくる言葉のほうが、大賞としてふさわしいという意向も働くだろう。
そういう考え方をベースにして、ノミネートされた30の候補の言葉を読み返してみれば、けっこう良い言葉がノミネートされていた。No.09の「おうち時間/ステイホーム」という言葉である。
世間的な流行の度合いとしてはNo.17の「三密」の方が上かもしれない。だがこの「おうち時間/ステイホーム」という言葉は、今年の〝世相〟の中でもまだ温かさが感じられる言葉だと思う。
もちろん冷静に流行の度合いを尺度として考えれば、「三密」という言葉は〝新語〟であるという視点も含めてトップに来るべきかも知れない。
現状でもなお、No.21の「ソーシャルディスタンス」をとって暮らすことが求められている状況から考えれば、「三密」こそが世相を表していると言える。
だがやはり、そこはせめてもの明るい要素を持った言葉として「おうち時間/ステイホーム」という言葉の持つ〝温もり〟が重要なのではないかと思う。
いずれ発表の日になれば、今年の「新語・流行語大賞」として審査員が選んだ大賞となる言葉は明らかになる。
だけどせめてそれまでの間だけでも、自分なりにこの一年を振り返る道具として、ノミネートされた言葉を読み返したいと思った。