今日配信されていたダイヤモンド・オンライン誌では、先日の「都道府県魅力度調査」の結果に続いて、「市区町村魅力度調査」の結果が掲載されていた。
その結果では、3年ぶりに京都市が1位に返り咲いたが、トップ10にランクインしたのは昨年とまったく同じ顔ぶれだったということだ。
とりわけ同率2位だった札幌市と函館市に、小樽市(5位)、富良野市(9位)と相変わらず北海道のこの4つの市が上位になっていた。
また、横浜市、神戸市、仙台市といった観光都市であり大都市でもある町や、金沢市という北陸きっての都市であり観光地でもある町も入っている。また首都圏屈指の観光地の鎌倉市も、前年と同様の7位だった。
こうしてみると、観光地としての知名度があり、魅力ある都市としても情報発信されることが多い町が上位になるのは当然であり、この結果は止むを得ないことだろう。
ただ「都道府県魅力度調査」では3位だった沖縄県は、市区町村別の魅力度ということになると、那覇市が14位、石垣市が16位ということでベスト10の圏外になっている。
(石垣島の川平湾)
つまり沖縄は県全体がトータルでThe沖縄なのであり、この市や町が良いからということではない。〝沖縄〟というイメージは、特定の市や町が担っているのではないということだろう。
逆に11、12位になっていた熱海市と箱根町は有名な温泉地、13位の日光市は日光東照宮という観光ポイントを抱えているから、〝その町でなければ〟という町になる。
(芦ノ湖から見る富士山/箱根町)
こうしてみると、上位にならんだ市や町はそれぞれに〝売り物〟というか、際立ったセールスポイントを抱えていることがわかる。
一方で東京の新宿区は、昨年の24位から42位へ大きく順位を落とした。これはコロナ騒動の中で、〝夜の街〟として悪者扱いされたことが大きく影響したことは明らかだ。
(新宿の町)
むしろ三重県の伊勢市が昨年の22位から15位へ、名古屋市も昨年の25位から19位へと順位を上げた。
伊勢市の場合は、伊勢神宮(お伊勢さん)など観光地としての注目度が上がった結果だし、名古屋市は〝情報と接触する度合い〟が上昇したから、と説明されていた。
(伊勢神宮/三重県伊勢市)
こうした魅力度という場合、外部者から見る目線は観光地や有名な都市などといった、わかりやすい指標によるだろう。
これは当然だが、内部者が〝住みよい町〟と感じる場合の魅力とは異なっている。本当は、そこに〝住んで良かった〟と思える町が魅力的な町なのだと思う。
市区町村ごとに、子育てがしやすい町とか、高齢者にも温かい町だとか、それぞれに特色があって当然だろう。
都道府県という広い〝くくり〟とは異なって、市区町村の魅力とは、本来はこうした住民の内部者目線で見た「住みよさ」こそが魅力なのだと思う。
外部者から見て〝観光や癒し〟のために訪れたい町というのも、たしかにその町の魅力には違いないけれど、それは少し違うような気もする。
わが町である京都がトップになったとはいえ、だから〝住みよい町〟かと聞かれたら、物価はかなり高い方だし、高齢化は進んでいるし、それほどでもない町だと答えるだろう。
(錦市場/京都市)
それで良いのだと思う。都道府県ランキングの場合は〝いじれる〟面白さがあるけれど、市区町村になると、そうはいかない切実さが出て来てしまう。
だからこうした調査結果も、一つの結果だと見ておけばいいのだろう。実際は知名度では測れない、もっと多面的で多様性を持つのが、市区町村の本当の〝魅力度〟なのだと思う。