ちょっと変わった「町歩き」イベントに | がいちのぶろぐ

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昨日の午後に、京都市上京区にある〝西陣〟地域を中心とする「町歩き」に参加した。このイベントが長引いたので、昨日はブログを書く時間がなかったという言い訳から。

 

さて、この「町歩き」はちょっと変わった趣向だった。いったん集合場所の上京区役所に集まり、イベントの説明を受けた後は、参加者が思い思いに街に出て、自分で歩いて何かを〝発見〟をする。

 

 

 

そして〝発見〟した内容を持ち寄って集まり、話し合うという「町歩き」だった。その町に詳しい誰かが案内する、というのが一般的な「町歩き」だが、これは自分が町を歩いて発見したことを持ち寄り報告しあう。

 

つまり〝詳しい人から教えられる〟のではなく、自分が〝新鮮〟だと思ったことを伝えるイベントで、「歩いて読み解く地域デザイン」という著書もある山納 洋さんという方をリーダーに20名余りが参加して開催された。

 

私は、集合場所の上京区役所から北西へ歩いて20分ほど離れた、「堀川寺之内」の一帯に注目した。「堀川寺之内」とは、「堀川通り」と「寺之内通り」が交わる交差点を意味する。

 

 

 

この地域には、「表千家」と「裏千家」という茶道の家元の本拠がある。そして「寺之内通り」という名前が示すように、一帯にはお寺が多く存在する場所でもある。

 

この地域の寺々は、いわゆる観光寺院というほどではないけれど、例えば〝日蓮上人入滅の場所〟といった由緒を持ったお寺もある。それに、お寺の境内には桜が植えられているところもあり、「隠れた桜の名所」でもある。

 

そこで、一昨日にインターネットで検索してみたところ、世の中には凄い人がいるもので、この地域にあるお寺を紹介したブログや観光案内がいくつもヒットしてきた。

 

こうして入手した情報を上京区の地図に印を付けて、昨日はそこへ行ってみることにした。以下に私が回った順に、簡単に紹介してみたい。まずは上京区役所から同志社大学新町校舎の横を通って北へ向かった。

 

▽妙顕寺(寺之内通を堀川通から東へ200m)

 山門には「勅願寺」と書かれている立派なお寺で、「光琳曲水の庭」などの名庭がある。また境内には桜の老木もある。

 

 

 

 

 

▽妙覚寺(妙顕寺から一筋北側)

 広い境内で、門内には立派な「根上り松」がある。この寺の山門は秀吉が築いた「聚楽第」の裏門を移築したと言われており、城門特有の作りになっている。

 

 

 

 

▽水火天満宮(堀川寺之内から一つ北の信号の前 妙覚寺から西へ200m)

 扇町児童公園の片隅にある小さなお宮だが、境内には立派な枝垂れ桜がある。

 

 

 

 

 

▽妙蓮寺(堀川寺之内交差点を西へ150m)

 日蓮上人入滅の地とされている由緒あるお寺で、本堂の前にある「御会式桜」は上人が入滅した10月13日頃から4月8日頃まで花をつけるという。昨日も開花していた。

 

 

 

 

 

▽雨宝院(西陣聖天)(上立売通知恵光院西入る 細い通り沿いにある)

 ここは歓喜天(聖天さん)をお祀りしているので、西陣聖天堂とも呼ばれる小さなお寺。門の前には、南側の大寺・本隆寺の土塀が続く。狭い境内には歓喜桜や御衣黄(花が薄い緑色)などの桜が植えられている。

 

 

 

 

▽岩上神社と織成館(浄福寺通上立売上る 雨宝院を西へすぐ)

 西陣織の会社が作っている西陣織の展示と実演の施設で、その前は石畳になっている。また斜め向かいには岩上神社という小さな祠があり、その前には「染殿

 井」という、昔から染物に使われてきたという井戸が残されている。

 

 

 

 

 

▽本隆寺(知恵光院通上立売下る)

 雨宝院の南側で、土塀が雨宝院の門の前になる。この土塀は60年ほど前のものだが、瓦塀になっていて、職人の遊び心が楽しい。お寺は現在大改修中で、残念だがしばらく見ることはできない。

 

 

 

 

▽首途(かどで)八幡宮(知恵光院通今出川北へすぐ)

 源義経が金売吉次に伴われて、奥州へ旅立つときにお参りしたと言われているので、「首途(かどで)」である。ここの本堂は、なぜか5mあまりの塚のような高台にあり、本堂まで20段足らずの石段を上る。

 

 

 

 

▽京都リサーチパーク町家スタジオ(堀川中立売を西へ1筋目を北にすぐ)

 ここが最終の集合場所だった。まさに京町家そのものを、そっくり利用した施設になっていて、畳敷きの部屋で報告会が行われた。

 

 

こんな「町歩き」のイベントだった。私が歩いた距離は4kmあまりで、2時10分に上京区役所を出発して、京町家スタジオには3時55分に到着した。

 

 

4時に再集合だったので、まさに駆け足という感じで回ったことになる。他にも行きたい場所はあったけれど、集合時間のことも気になるので昨日はこういうことになった。

 

 

途中で、楽しいスポットもいっぱい見つけた。「町家将棋サロン」があったり、明治時代から続く「たんきり(痰切り)飴」を売るお店もあった。

 

 

立派な町家のお家があったり、妙蓮寺の鐘楼の工事現場では「金剛組」(大阪市)が請け負っているらしく、金剛組のシートには「世界最古の企業」の文字が書かれていた。

 

 

 

こんなイベントも良いものだと思う。今回行ったお寺は、それぞれに〝謂われ〟のあるような桜が植えられていた。いわゆる〝一本桜〟だろうけれど、花が咲いた頃に散歩を兼ねてこれらを訪ねてみたい。