観光関連業は「外国人客バブル」からの脱却を | がいちのぶろぐ

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とうとうウィルス騒動が、世界的な〝経済恐慌〟の様相を示すような状況になってきた。日本の株価は20%以上の値下がりになり、アメリカも連日ストップ安になっている。

 

人の移動についても厳しい制限が行われる状態になり、イタリアでは国内全土での移動制限を行うところまできた。アメリカとヨーロッパの間も、移動制限が始まるようだ。

 

この期に及んで、WHO(世界保健機関)もようやく重い腰を上げ、渋々「パンデミック(世界的流行)」という宣言を行った。いくら中国の顔色をうかがっていたと言っても、あまりの状況に宣言せざるを得なかったようだ。

 

とまあ、考えれば考えるほど暗くなってしまう話ばかりで、いささかうんざりする。といって、明るい話があるわけでもない。1ヵ月前には、これほどの状況になるとは思いもしなかったけれど。

 

スポーツ・イベントも音楽イベントも、軒並み中止や延期となってしまった。カナダで開催されることになっていたフィギュアスケートの世界選手権も、とりあえず中止になった。

 

家人は、もちろんカナダまで応援に行くわけではないけれど、応援している羽生結弦選手の雄姿がテレビで見られなくなって残念がっている。それもまた仕方のないことだろう。

 

東京では今日にも桜の開花宣言があるか、と言われていたけれど、どうやら明日に持ち越しとなったようだ。それでも今年の異常な暖冬で、東京の桜の開花宣言が史上で最も早くなるらしい。

 

 

 

ただ東京都の小池知事は、お花見に出かけるのはまだしも、今年は〝花見の宴〟は自粛してほしいと呼びかけている。世間がこの雰囲気では、花見の宴も盛り上がり難いだろう。

 

私は先週から今週にかけて、すでに2度、お花見に出かけている。先週は早咲きの河津桜が植樹されている「淀緑地公園」に行き、昨日は京都府立植物園に行った。

 

 

(淀緑地公園の河津桜)

 

今夜から明日にかけては、低気圧の通過に伴って天気が崩れるという予報になっている。その後、明日から3.4日は気温の低い日が続くらしい。

 

 

(京都府立植物園の早咲きの桜)

 

これではさすがに、明日にも開花宣言が出そうな東京を除いて、各地の桜の開花も来週後半になるだろう。とはいえ来週には〝彼岸の入り〟を迎える。20日の金曜日が春分の日だ。

 

本当なら、ここから学校の春休みとなるのだが、今年ばかりは2日から休校措置になったままのところも多い。だから、春休みのスケジュールもどうなるかわからない。

 

私の大学での後輩のお嬢さんは、今年めでたく大学に入学されたけれど、今の予定では新学期のスタートがゴールデンウィークの直前あたりになるらしい。

 

いつもなら4月の初めに〝桜の下で入学式〟となるのだが、今年は新緑の下ということになるかもしれない。

 

とにかく世の中のことは、何もかもスケジュールの立てようがないまま、4月を迎えることになりそうだ。

 

私が関わっている「定住外国人支援」のNPO団体も、5月の定例会議で新年度の予定を決めるのだが、それ以前に今年度の報告や決算などが、各種の助成金の支出確定がしにくいこともあって、どうなるかは不透明な状況だ。

 

大きくは世界経済から、身の回りではこうした小さな団体の運営までが、ウィルス騒動の影響を受けている。どうにも困った事態だ。

 

こんな状況のままで、東京オリンピック・パラリンピックまで中止なり延期となれば、観光関連業界などは死活問題になるだろう。もうすでに、観光業界の苦境が伝えられている地域も出てきている。

 

仮にこのウィルス騒動が早く終息したとしても、もはやこの数年間のように、外国人観光客の来日が右肩上がりで続くとは思えない。そうなれば、観光関連業界でも戦略の見直しが求められる。

 

以前は、たとえばリーマンショックの時の世界的な経済の落ち込みでも、今日ほど外国人観光客はなかったわけだから、それと比べれば今回は相当手ひどい打撃となることだろう。

 

ここまで来れば、観光関連業界はこれからの生き残りを賭けた戦略が求められることになる。しかもこの先、国内需要も落ち込むだろうから、戦略を考えると言っても簡単なことではない。

 

 

 

やはり原点に帰って、自分たちが訴えることができる〝強み〟は何かを考え、それを誰に向かって発信すれば良いかを考えるという、マーケティング戦略を考える必要がある。

 

むしろこの数年間が、外国人観光客による〝バブル景気〟だったと考えて、今一度、地道なところから自分たち自身の戦略を立案し直すことが大切だと思う。