商売繁盛祈る人出の十日戎 | がいちのぶろぐ

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♪商売繁盛(はんじょ)で 笹持って来い

明日は、お手伝いをしている高校の「総合学習」があるので、今日のうちに「十日戎」出掛けることにした。

 

 

 

ほぼ愛年10日に出掛けている。また、今日なら「宵戎」として夜にお参りする方が雰囲気が出るのだが、私は商売とは無縁だからまあいいか、ということで午後に出掛けた。

 

昨年に新装なった「南座」の前で市バスを下りる。建物の外観は昔のままだが、壁が塗り直されているから、改装前よりも明るくなった気がする。

 

 

 

昨年の暮れには、「顔見世」興行が久し振りにここ南座で行われ、二階の窓の前あたりに数多くの「招き」と呼ばれる、役者の名前を勘亭流で書いた看板が上がり賑わっていた。

 

京都の恵比須神社は、この南座の東側になる大和大路を5分ばかり南に行ったところにある。決して境内が広い神社ではなく、町中の小ぢんまりとした神社である。

 

 

 

「十日戎」と言えば、毎年10日の早朝に「福男競争」が行われる西宮戎神社が有名だし、大阪の今宮戎神社も、恒例の「福娘」選びで知られている。

 

京都の恵比須神社は、そういった特別な行事もなく、比較的地味な戎さんだとも言える。それでも、南座の横の四条通から、恵比寿神社の先までの大和大路は、歩行者天国になる。

 

 

 

ただ今年お参りに行って、この大和大路に例年と違う違和感を感じた。これまでは、道の両側を埋め尽くすように、露店が立ち並んでいたのだが、今年は少なく感じた。

 

もちろん、明日がお参りの人出のピークだし、今日はそこまで混み合っていなかった。けれどなんだか、露店が飛び飛びにあるような気がした。

 

四条通から恵比寿神社の前までにある、何棟かのマンションの前は、もちろん露店は出せない。また、営業をしている飲食店の前もしかりである。これは今までと変わらない・

 

ところが昨今の状況を反映して、これまでなかったゲストハウスやホテルを名乗る簡易宿所が何軒も開業していて、この前にも出店がなく、えらくスカスカした感じになっていた。

 

 

 

こうした人出の多いお祭りには露店が付きもので、子どもの頃はそれが楽しみで親にせがんで、連れて行ってもらったものだ。その露店が急減しているのだ。

 

だから「熊手」を売る露店は大和大路通には1軒だけだし、福笹にぶら下げる縁起物の「打出の小槌」などを商う店はなかった。何だかなあ、という気がした。

 

 

 

恵比須神社の境内はさして広くないけれど、本殿の前にはやはりお参りする人の長い行列ができていた。少しずつ本殿に進んでいって、やっと参拝を済ませることができた。

 

 

 

 

本殿の脇には「福笹授与所」がしつらえられていて、巫女姿の女性が大勢居並んでいるけれど、立ち寄って笹を求める人はまばらだった。

 

 

 

小売業や飲食店といった商売をしている人は、必ず戎さんの「福笹」を求めて帰り、店に飾っていたのだけれど、もうそうした習慣も無くなりつつあるのだろうか。

 

 

 

恵比須神社の裏門を出て、大和大路の一筋西になる細い通りを通って、四条通方面に行った。再び南座の前に戻り、そこからバスで帰宅したのだが、今年は結局のところ変な発見をした。

 

 

 

元日に初詣に行った八坂神社も、そう言えば露店の数が少ないような気がしていた。それが今日は、はっきりと減っていた。

 

露店も焼きそばやたこ焼きなどを売る店は、相変わらずあるけれど、綿あめの店もスマートボールなどの店も見なかった。扱う商品が、飲食中心に変わってきているのだろう。

 

子ども心にワクワクした、あの縁日風景とは様変わりしたような印象を受けた。