競馬(くらべうま) 葵祭も すぐそこに | がいちのぶろぐ

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今日は午前中から、私が関わっている「定住外国人支援」のNPO団体の会合があって外出していた。

 

その行き掛けに乗った市バスに、京都市交通局のPRパンフレットが吊るされていた。それが「葵祭」の特集号だったので、持ち帰って読んでみた。

 

葵祭(正式には「賀茂祭」という)は、515日の朝に京都御苑(御所)を出発し、町中を練り歩いて、昼前に下鴨神社へ着く。そこで休息を取った後、午後3時半ごろには上賀茂神社に到着する。

 

 

 

平安王朝時代の風俗を再現した500人余りの行列と、牛車(ぎっしゃ)や騎馬武者なども居並ぶ、京都三大祭りの一つであることはよく知られている。

 

行列は「本列」と称される、天皇の名代として祭りを主導する「勅使代」を中心とした行列と、「女人列」と言われる、「斎王代」が乗った腰輿(およよ)を中心とする行列が通って行く。

 

 

 

私も学生時代にクラブのアルバイトとして、この行列に加わって歩いたことがある。行列が歩く距離も、その当時の〝体力″からすれば大したことはないのだが、何しろ〝牛のよだれ″のようにダラダラと進んで行くので、むしろ、とても疲れたことを覚えている。

 

 

 

まあ、それはさておき、この葵祭には15日の行列巡行の前に、面白い神事がいくつも行われる。これは知られているようで、あまり知られていない。夏の祇園祭では、本番の巡行よりも、むしろ宵山に多くの人出があるのだが。

 

 

 

まず、1日に上賀茂神社で「競馬会足汰式(くらべうまえ・あしぞろえしき)」という神事がある。今年の場合、この日が令和天皇の即位の日に当たるという、おめでたい日である。上賀茂神社で5日に行われる「競馬(くらべうま)会」の事前行事である。

 

続いて、3日には下鴨神社で「流鏑馬(やぶさめ)」が行われる。馬を全力で走らせながら、馬上から的をめがけて矢を射るという、勇壮な神事というか行事である。

 

 

 

4日には下鴨神社で、「斎王代」を務める若い女性が身を浄める「禊の儀」が執り行われるこの禊の儀は、上賀茂神社と毎年入れ替わりで、今年は下鴨神社で行われる。

 

5日には、上賀茂神社で「競馬会」がある。「けいばかい」と読めば、ダービーか皐月賞になってしまうが、「くらべうま」なのである。

 

 

 

上賀茂神社の境内にある、全長200mほど(決して、1ハロンだけか、と思わないこと)の馬場で、多頭立て5レースではなく、2頭立ての「五番勝負」が、古式に則って行われる。

 

当たり前だが、神社のどこを探しても「馬券」は売っていない。2頭立てだから、勝つか負けるかの勝負である。誰?単勝だけか、という人は。だから、馬券は売っていないって。

 

馬場の周りの柵である「埒(らち)」に柴を巻いて、「柴垣」が作られる。その中を2頭の馬が(だから、サラ系でもアラブでもないって)駆け抜ける。もぉ~、短距離でも1200mだ、なんて言わないの!

 

スタート地点の目印には桜の木、ゴール地点には「勝負の楓」という名の楓の木が植えられている。勝負の楓の前で、神職が勝ち負けを見届ける(コラッ、出走ゲートはないよ、写真判定もネッ!)。

 

同じ5日に、下鴨神社では「歩射神事」も粉われる。そして12日に、下鴨神社で「御蔭(みかげ)祭」が行われて、15日の本番を迎える。ちなみに下鴨神社の参道の近くの、鴨川の支流・高野川に架かっている橋の名前は「御蔭橋」という。

 

 

 

ということで、特に3日の下鴨神社の「流鏑馬」と、5日の上賀茂神社の「競馬会」には、大勢の観客が訪れる。どちらも一見の価値はあると思う。

 

いずれも、平安時代の装束で鞍上にまたがり、両手を離して的めがけて弓矢を射たり、速さを競ったりと、それぞれが神事と言いつつも、見ごたえのある楽しい行事になっている。

 

 

 

葵祭の行列は、今年は15日の水曜日の開催なので、中々見に来られない方も多いだろうけれど、今年は、即位のおかげで10連休中なので、京都に滞在しておられるなら、是非事前の神事をご覧になっていただきたい。

 

15日当日の行列も、京都市内の河原町通り(丸太町~今出川~下鴨神社参道)、下鴨本通り(下鴨神社~北大路)、北大路通り(下鴨本通り~北大路橋)、賀茂街道(北大路~上賀茂神社)と、各所で見物できる。

 

 

 

上賀茂神社に近付くころには、私の経験からすると、行列に並ぶ人たちの顔に疲労が浮かぶ可能性があるので、午前中の下鴨神社までの方が、生き生きしているように思う(これは、あくまで私見だけど)。

 

それにしても、いよいよ明日からは10連休がスタートする。さて、いったいどんな騒ぎになるのだろうか。