イケメンの キャラ立ちも良き ごみ減量 | がいちのぶろぐ

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京都市が毎月発行している「市民しんぶん」の6月1日号が、今、世間の一部を騒がせているらしい。

 

 

 

このところ京都市の市民しんぶんは、表紙面をぶち抜きで飾っているイラストがユニークで、以前も「空き家特集」だった際には、「空き家の事情」というキャッチ・コピーで、あの名作漫画「明日のジョー」を彷彿とさせるイラストが衆目を集めた。

 

 

 今度の号は、イケメン四人組が報道陣に囲み取材をされている姿を、第五のイケメン君が暗い顔をしながらスマホでそれを確認している、というイラストになっている。

 

 

 取材されている四人組は「紙ごみ・生ごみ・枝ごみ・プラごみ」で、暗い顔でスマホを見ている方が「小型家電ごみ」ということらしい。そしてキャッチ・コピーは「私だってもっと回収されれば輝けるのに・・・」と書かれている。

 

 

 そうなんです。6月は環境月間で、京都市は「ごみ減量推進中」なので、それをアピールするため市民しんぶんに、シンボル的に載せられているわけだ。

 

「紙ごみ・生ごみ・枝ごみ・プラごみ」の4種類は、それなり以上に分別回収や減量化が進んできているけれど、回収が始まってもう4年が経過したというのに、「小型家電ごみ」の回収は、なかなか思うようには伸びていない、ということらしい。

 

そして、それを伝えるイラストの中の、それぞれの「ごみの妖精(と書かれているイケメン君)」たちが、あろうことか「イケメン過ぎる」ということで、世間の一部がざわついている、ということだ。

 

たしかに、生ごみ君だけは割と真面目っぽい学生風に描かれているけれど、後は全員、どことなく“ホスト”っぽい髪型と服装に描かれている。顔はまずまずイケメンなのだが、年寄りの私には、その雰囲気が“何だかなあ”というところもないではない。

 

だがまあ、こうして世間の一部を騒がせるだけでも、狙い通りの効果はあったと言うべきだろう。

 

そしてページをめくると、2面と3面はごみ問題の解説で、特に「紙ごみ・生ごみ・枝ごみ・プラごみ」は、減量のための具体的な方法などを解りやすくイラスト入りで教えてくれている。

 

一方、小型家電ごみについては、「どんなものが対象となるか」から始まって、専用の「回収ボックス」に投入してもらい、回収されることをアピールし、回収された小型家電ごみのリサイクルのことにも触れられている。

 

この解説によれば、回収が始まった平成25年度は23トンだった小型家電ごみの回収量は、それでも昨年度(28年度)には148トンと6倍強になってきているということだ。

 

しかも「回収により、小型家電はもう一度輝ける」という見出しの通り、回収された小型家電が解体された後、それらに含まれている「金」が抽出され、京都市の産業技術研究所で「金メッキ」の材料として利用され、「金メダル」として再生利用されるのだという。

 

 

 だから、「輝ける」ことになる、と説明されている。よく言われている「都市鉱山」ということなのだ。

 

小池百合子東京都知事も、2020年東京オリンピック・パラリンピックの金メダルに、こうした「都市鉱山」から“採掘”された金を利用したいと言っている。

 

とまあ、こういうことなのだが、世間の一部がざわついたように、暗い顔をしていてもなかなかの“イケメン”である小型家電ごみ君も、いつか光り輝く時が来てほしいものだと思う。

 

ただしかし、一つだけ問題提起するなら、小型家電回収ボックスが「どこに設置されているのか」は、この市民しんぶんにも掲載されていない。まあ、市内各所に設置されているから、「書ききれなかった」ということなのだろうと思う。

 

それにしても、以前にも気になったことがあったので、京都市のホームページにアクセスしたが、確かに回収ボックスの設置場所の一覧はホームページ上に記載されていた。しかも我が家から最寄りの回収ボックス設置場所は、比較的良く出かけて行く家庭用品の大型店だった。

 

なるほど、なるほど。でもその店に出かけたときに、注意してきょろきょろと見回しているのだが、いまだに回収ボックスの存在に気づいていない。逆に、我が家から離れた京福電鉄の白梅町駅に行ったときには、その駅構内で回収ボックスを偶然に見かけた。

 

 

 もちろんその時に、不要になった小型家電製品を持っていたわけではないので、どうということもなかったのだが、その駅ではよく目立つ場所に設置されていたので、こうした回収ボックスなどは、設置者の考え方で随分と扱いが変わるのだなと思う。

 

確かに、スーパーなどではペットボトルや空き缶、発泡スチロールのトレーなど、色々なものの回収ボックスを揃えて置いてあるコーナーがあったりする。こうすることで、家庭に溜まっている資源性の高いごみ類を持ってきてもらうことができて、その店へ来店するきっかけ作りになるから、店側としてもスペースを割くだけのメリットを感じるのだろう。

 

その点、小型家電といえども電気製品は、短くても数年は使用するし、悪くなったから買い換えようというタイミング以外には、廃棄することもない。だから回収ボックスの設置場所は、買い替えの時なら店員さんに聞けば済むし、売り場で店員さんが受け取って、回収ボックスに投入しておいてくれたりもする。

 

ということで、目立つところに設置していなくても、まあいいかということなのだろう。その分、小型家電製品を廃棄する場合には、回収ボックスに投入するものだ、という意識も高まりにくい。いわば、リサイクルに向けたモチベーションが働かない、ということも言えるのだろうと思う。

 

今回、市民の側に、そうした心理が働くだろうということを予期してのことだと思うが、イラストでおけるそれぞれのごみのキャラクターとして、イケメン君を登場させたことで小型家電ごみに対する認知度は随分と上がったと思いたい。

 

私も愛用してきた髭剃り用のシェーバーを落っことして、現在はやや不自然な状態で使用している。まあ、気が向けば買い直そうと思っているところである。その時は我が家の近くの家庭用品の大型店に、使い古したシェーバーを持参して、二度目の御勤めに出てもらうことにしよう。