風光る モダンと和風の 交錯路  | がいちのぶろぐ

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ゴールデンウィーク最終日の今日は、文字通りの五月晴れとあって、朝から鴨川堤を散歩しながら、市内の中心部へと散歩に出かけた。

 

リッツカールトンホテルを鴨川越しに見て、御池通の辺りまで来ると風物詩の「川床」が始まっている。これから9月までの間、鴨川に張り出して川床(かわゆか)がしつらえられる。この床の風景は、明治のころの写真も残されている。

 

(鴨川越しに見たリッツカールトンホテル)

 

(今月からオープンの鴨川の川床)

 

(明治期の鴨川の川床)

 

三条通を河原町から西へ向かう。新京極の人出も、午前中なのでさすがにまだ少ない。ブラブラとお洒落ストリートの三条通を行くと、京都文化博物館では「猫展」を開催していた。犬派の私はこれをスルー。

 

(割と閑散としていた新京極の通り)

 

 

(京都文化博物館 ただいま「猫展」開催中)

 

 

そこから東洞院通を一筋だけ北へとって、姉小路通を西に折れ、烏丸通りに面した「旧・新風館」へ。トレンドのショップと催し会場として使われてきた旧・電話局の建物も、今は取り壊されて次に生まれ変わるのを待っている。

 

(旧・新風館 この部分だけが」まだ取り壊されていないので会場に)

 

 この、現在取り壊しの真っ最中という建物を使って、「KYOTO GRAPHIE」が開催されている。正確には市内のあちこちを会場とした写真展なのだが、ここが主会場となっている。

 

 

 

 

そこからの帰り道は、来た時に通った三条通を避けて、一筋北側に当たる姉小路(あねやこうじ)を通って、東へ向かう。こちらは通り沿いの建物が協定を結んで、景観保存に努めている。

 

 

 グラフィエの会場だった旧・新風館のすぐ近くには、和菓子の老舗「亀末廣」がある。ガラス戸には亀の甲羅型の中に「すえひろ」と書かれたロゴが見える。

 

(亀末廣の店構え)

 

 

(亀の甲羅の形の中に「すえひろ」の文字)

 

三条通がレトロでお洒落な洋館だとすれば、姉小路通はどっしりとした日本家屋の商家が主になる。「京都は、もう行き尽した」とおっしゃる方も、もう一度この姉小路を歩いて、商家の建物の美しさに触れてほしいと思う。

 

 

 

この辺りは、柚味噌屋さんの建物、画材の老舗「彩雲堂」などが、昔のままの商家の建物で残っている。もう少し東には、蕎麦ぼうるの河道屋本店も、

 

 

 

 

 

途中、姉小路通が麩屋町通と交わるところで、一筋北の大通り御池通の方向へ向かうと、御池通の手前に老舗旅館の「俵屋」と「柊家」が向かい合っている。俵屋はあのビル・ゲイツも贔屓にして、時折り泊まりに来ていたという。

 

(老舗旅館「俵屋」 この建物は和の技術の精髄が凝らされている)

 

 

(側面は米俵の図柄の行燈)

 

(柊家旅館)

 

さらに姉小路を東へ向かうと、角っこにあるガラス張りの店舗は、テイクアウト専門のサンドイッチ店。それが昔の商家をそっくり使って営業しているのもうれしい。

 

 

 姉小路通が寺町通と交わるところで、この景観地区は終わる。その最終地点には筆墨紙硯の文房具を扱う老舗「鳩居堂」がある。

 

 

 

(文具の老舗「鳩居堂」の姉小路側の壁面)

 

烏丸通から寺町通まで、距離にしてせいぜい600mというところだろうか。ゆっくり歩いても10分かかるかどうかという距離の中に、古い商家の建物が立ち並んでいる。

 

こうした“歩くまち京都”で、レトロな洋館と古い商家を見て回るのも、楽しいと思う。

 

ちなみに、三条通と烏丸通が交わる交差点を、烏丸通の西側へ渡れば、1階が伊右衛門サロン、2階が千總ギャラリーになっている千總ビルがあり、その向かい側には、これも大正モダンな木造のビル「文椿ビル」がある。この辺りは、お茶や食事のスポットでもある。

 

午前中の2時間余りで、三条~姉小路界隈をぐるりと一回りして、帰路は市バスで家に戻ったが、ちょうどいい加減の散歩だった。五月晴れの連休最後の日曜日。さほど人も多くなく、気持ちの良いひと時を過ごせた。

 

今日も爺の絵日記ということで、ご勘弁願いたい。